J・D・ロブ 『春は裏切りの季節』2006/05/02

今回はロークの経営しているホテルで、女優の衣装などの競売が行われている時に、メイドが残忍な殺され方をします。
彼女には何も人の恨みをかうようなことはなく、何故殺し屋に殺されなければならなかったのか、その理由がありません。
目的は彼女ではなく、ロークなのではないのか?そう考えたイブが活躍します。

市村操一 『心理学の先生が教える『読む』だけダイエット」2006/05/03

なかなかダイエットと言っていても、できません。
とうとう心理学者にまで頼るのか・・・、という感じですが、痩せられるなら、なににだってすがってしまうという心理状態になりつつあります。
ただし楽にね。

心理学の先生はまず「何故痩せたいか、理由を明確にするように」といいます。
理由を3つあげ、その後に、何ヶ月に何㎏やせたいのか、具体的に無理のない設定をします。
そして、ステップ3は「これまでのダイエットの問題点を洗いなおそう」というものです。
心理学者の言うダイエット失敗の主な原因は「無理な食事制限か継続できない運動」のどちらかだと言います。
目標に無理があると「燃えつき症候群」になってしまうといいます。
ここまでがプリダイエット。
ダイエットはダイエット宣言から始まります。
ダイエットをすると宣言することにより、ソーシャルサポートが得られます。
周囲の援助によって体重を減らし、それを維持するために、このソーシャルサポートが役立つそうです。
5番目のアドバイスは「笑っていてもできる3つの運動」をすることです。
ひとつは、「自分の家でゴミを見つけたら、すぐにひろってゴミ箱に捨てる」
二つ目は「脱いだ洋服は必ずハンガーにかける」
三つ目は「鏡を見たらざっと拭いておく」
この方法は動機付けを持続させるための運動だそうです。
このように心理学的見地からのアドバイスは続きます。
本当に痩せるられるのかどうか、試してみようかと思いますが…。

ヴァル・マクダーミド 『殺しの仮面』2006/05/04

第3作目で、囮捜査で失敗し犯人にレイプされてしまったキャロルは、昔いたブラッドフィールド市警に重大事件専門の特捜班の責任者として迎えられます。
一緒に事件を担当した心理分析官トニーも彼女には言いませんでしたが、ブラッドフィールドにある保安精神病院で働くことにしていました。
少年の行方不明事件と娼婦殺害事件をキャロルたちで扱うことになります。
少年の行方不明事件は1通の匿名メールに添付してあった、少年の裸の写真の背景が突破口になります。
娼婦殺害事件は難航を極め、次の娼婦が殺されます。
そのため囮捜査を行うことになり、キャロルは悩みます。
自分と同じような目に部下をさらしてもいいのかと。
殺人の手口は前に逮捕され、保安精神病院に入れられた犯人のと酷似しています。
しかし、彼が犯行を行えるはずがありません。
トニーは犯人を繰っている誰かがいるはずだとの結論に達し、黒幕へと迫ります。
そうしているうちに、囮捜査をしていたポーラが捕らえられてしまいます。

キャロルが立ち直っていく様子と、トニーとの関係、犯人がトニーの緻密なプロファイリングにより明かされていく過程がおもしろい作品です。

東野圭吾 『探偵ガリレオ』2006/05/05

芥川賞を取った『容疑者Xの献身』で有名になった、天才物理学者湯川学の出てくるシリーズ物の第一作。短編物が5編入っています。

自販機の前にいた青年が髪の毛から火を出し、その後爆発が起きて死んでいく。ひょうたん池からアルミでできたデスマスクが現れる。いろいろな殺人に絡む不思議に物理学者湯川は挑む。いつも相談に来る警視庁捜査一課の草薙俊平は、研究室にいくたびに湯川の変な「のろし」とかに迎えられ、大事なところでは「すまないが、先に帰ってくれ」などといわれる損な役回り。
軽く時間つぶしに読めるミステリーです。理系の実験好きの人にはおもしろいミステリーかもしれませんね。私のように、人間関係ごちゃごちゃ、ぞっとするような殺し方好きには、物足りなく感じます。

ヘザー・ローウェル 『ナイトクラブの罠』2006/05/07

連休中に読んだ最後のミステリーは、『ナイトクラブの罠』です。
題名が今一なので、買うのを止めようかと思ったのですが、前に読んだことのある主人公の作品だったので買いました。

地方検事局の検察官のテッサ・ジャコビには、元FBI長官の父と元スーパーモデルの義母、かわいい弟のケビィンの家族がいます。
でも、母親が死んだときの父親の仕打ちが忘れられず、父親と義母とはしっくりきていません。
そのことが男性との交際にも影響を与えています。
ある日、ケリーという少女と出会い、彼女が有名スポーツ選手にレイプされたと聞き、スポーツ選手を訴えるために調査を始めます。
そこから思ってもいないところまで事件は広がっていきます。

今回はかたくなに36歳まで結婚しないといっていたテッサにルークという男性が現れ、ちょっとハーレクインロマンス風(読んだことはないのですが)になってしまい、それが残念です。

リンダ・フェアスタイン 『殺意』2006/05/08

地方検事補アレックス・シリーズ第6冊目。
『ナイトクラブ・・・』がハーレクインなら、このシリーズは口直しになりました。
文庫本の表紙の絵はちょっとですが、中身は違います。

アレックスは性犯罪を主として扱う検事補です。
元CIA勤務の男のレイプ事件と老婦人を殺害しレイプしたという事件を調査することになります。
彼女の裁判に対する準備の仕方などをみていると、アメリカと日本の裁判の違いがよくわかります。
12人の陪審員を選ぶ時の注意は、レイプを扱う時には女性は女性に対して厳しい見方をするから、女性を避けた方がいいなどはなるほどと思います。
性暴力の80%以上がお互いに相手を知っている人の間で起こるということ。
そのために被害者の言い分の信憑性を法廷では攻撃されるということ。
アメリカだけではなく、日本でも性犯罪は難しいものです。
アレックスがレイプ犯を追いつめることができるのか、そして老婦人の殺害者は誰か、楽しみな本です。

ガイヤの夜明け2006/05/09

朝霧高原から見た富士山
      霧の中の富士山

この頃よく見るTV番組の中に『ガイヤの夜明け』と『プロフェッショナル』があります。
いろいろな企業のことがわかってこの2つはおすすめの番組です。

4月27日の『プロフェッショナル』にはベンチャー企業の社長の女性がでていました。
この人は夫が技術者として働き続けていけるようにと会社を作りました。
夫は副社長で同じ職場で働いています。
お互いの良いところも欠点もすべて知っているという感じです。
若い社員がチーフとして上手く仕事が出来なかったときも、その人にとって何が最善かを考えて指示を出し1ています。
この社員は結局部署を変えられてしまうのですが、後からもう一度元の部署に戻りたいと言ってきます。
彼女の出した答えは、チーフとしてではなく、平としてもう一度同じ部署でやらせるということでした。
失敗してもいい、その人が成長するまで待つという姿勢に感心しました。

今日の『ガイヤの夜明け』は各ファッションブランドのゴールデンウィーク商戦を扱っていました。
スペインのブランド、『ZARA』は早くて2日で新しい商品を作れると言います。
他のブランドでは、街角のファッションを参考にし、女子社員の欲しい物を商品としていきます。
ある子供服ブランドは温度なども考えに入れて、中国に受注しているといいます。
売れ筋の色を掴むとすぐに発注します。
ファッションのようなものは、生鮮食料品と同じで鮮度が重要だということがよくわかりました。

違う職種の仕事を見るというのは、いろいろと参考になります。

ぐっさんの言葉2006/05/10

朝の放送にぐっさん(山口智充)が出ていました。
彼のことは、なんとなく性格の良さそうな人だな、と思っていました。
インタビューに答えている様子からも、いい人というオーラを出していました。(私だけでしょうか、そう感じたのは?)
彼はこう言っていました。
歌手になりたいと思っていたけれど、最初にやったのはお笑い系のものまねの仕事。
けれど今は歌手もやっている。
夢は叶っている。
どんな些細なことでもいいから、夢を書いてみるといい。
そうするといつか夢は叶っている。

怪しい(?)マダム・ホーの本にも同じことが書いてありました。
具体的に夢を書くということは、夢を意識付ける働きがあり、意識化されたために、いっそう人は夢を叶えるために、努力をするのではないでしょうか?
そういえば、今の私の仕事も、書きはしませんでしたけれど、そうなればいいと友だちに言ったことがあります。
いろいろと不平不満はあるけれど、夢のひとつは叶っています。
無理だと思っても、書いてみたり、話してみたりすると、夢は叶うかもしれません。

ケリー・ジョーンズ 『七番目のユニコーン』2006/05/12

この『七番目のユニコーン』は、パリのクリュニー美術館に収められている<一角獣と貴婦人>のタペストリーからインスピレーションをもらったそうです。(このタペストリーに会いに、何年も前にパリに行ったことがあります。)
作家のジョルジュ・サンドが1800年代半ばにブサック城でこれらのタペストリーを発見し、著作『ジャンヌ』のなかでもとりあげているそうです。
6枚のうちの5枚は五感(味覚・視覚・触覚・臭覚・聴覚)を表しており、最後のタペストリーは「私のただ一つの望みに」というもので、この本によると、「欲望を放棄することによって得られる自由を意味しているのではないか」ということです。

リヨンの修道院で古いタペストリーが見つかりました。一角獣が描かれていることから<一角獣と貴婦人>の六枚に続く、七番目のタペストリーではないかと思われました。
主人公の学芸員アレックス・ペリエがその謎にいどみます。

読んでいると、クリュニー美術館のあの暗い、不思議な空間を思い出しました。
ついでに、フランスの電車の中に閉じ込められたことも、笑。
若気の至りでしたわ。

「イン・ハー・シューズ」を観る2006/05/14

キャメロン・ディアスといえば、『メリーに首ったけ』の頃のういういしさと、かわいらしさを記憶していますが、残念ながらこの頃は年をとったなという感じです。『チャーリーズ・エンジェル』を見て、体の線はさすがと思いましたが、顔は・・・。外人は老けるのが早いですね。(ホント、失礼で、すみません)

『イン・ハー・シューズ』で、彼女はマギーという顔と体は自慢なのだけれど、学習障害で字を読むのが遅く、計算も苦手で、仕事が長続きしない女性の役をやっています。
姉のローラは弁護士事務所でバリバリ働くキャリア・ウーマン。
いつも妹のマギーに振り回されています。
彼女は少女時代太っていたということで、自分の容姿にコンプレックスがあります。
二人の母親は精神的に問題のある人で、車を木にぶつけて自殺しています。
父親はその後、別の女の人と結婚しますが、娘達に愛情をしめすのが苦手な人。
継母は自分の本当の娘だけに夢中で、彼女たちには冷たい人です。

ローズがやっとあこがれの上司とベッドインしたという日に、マギーが泥酔したという連絡があり、夜中に呼び出されます。
その上、継母に家から追い出されたので、マギーを自分の家にいさせてやったら、上司を寝取られたりと、ローズはさんざんな目にあい、怒ってマギーを追い出します。
ローズから追い出されたマギーの行き先は、ふとした偶然から生きていることがわかった祖母エラの住むフロリダ。
そこで祖母にお金をねだろうと思っていたのがばれ、老人ホームの手伝いをするようにと、エラから言われます。
働き始めたホームで寝たきりの目の見えなくなった元大学教授の老人に出会い、本を読むように言われ、はじめは断っていたのですが、彼に励まされ、だんだんと本を読めるようになります。
意外とホームでの仕事が合っていたようで、マギーは初めて自分に自信が持てます。

一方姉のローズは、上司とは別れ、なんと弁護士事務所まで辞め、イヌの散歩屋をすることにします。
事務所を辞めてから、今までの自分は認めてもらいたい気持ちが強く、仕事を失うのが怖かったということに気づきます。
偶然出会った元同僚のサイモンとデートするようになり、彼女の中にあった男性と上手くつきあえないというコンプレックスがなくなり、彼と結婚することになります。

やっと自分たちに合う『靴』を見つけた彼女たち。
彼女たちのようにいろいろと試行錯誤してぴったり合う靴を見つけたいですね。

この映画にシャーリー・マクレーンが祖母のエラ役で出てきます。
『愛と追憶・・・』では、ちょっと老人役が鼻につく感じでしたが、今回の映画ではとても素敵なおばあさんになっていました。
ひさびさに明るい映画を見ました。