ジェフリー・ディーヴァー 『ウォッチ・メイカー』2008/05/01

ディーヴァーはまたやってくれました。
彼の書くものは、最後のアッと驚く大ドンデン返しが有名ですが、今回は次々と大ドンデン返しが続き、惑わされます。
いったいどこまで行くの?という感じでした。

四肢麻痺の鑑識の天才リンカーン・ライムは、今度はウォッチ・メイカーと戦います。
ウォッチ・メイカーとは、殺した人間の側に、文字盤に月が描かれている古風な置き時計を置き、時計の下にウォッチ・メイカーと署名をしたメモを残していったので、そう呼ばれるようになった殺人鬼のことです。

ライムと公私共にパートナーである、アメリア・サックスは岐路にたっていました。
清廉潔白だと思っていた父親が汚職にかかわっていて、不起訴になったのです。
その上、ライムの事件と同時期にニューヨークの警官がかかわっている汚職事件を扱うことになります。
このまま警官を続けるべきかどうか、彼女は悩んでいます。

一見関係のなさそうな事件が、意外な面を見せていき、いつしかライムの事件とサックスの事件が交差します。

今回、カリフォルニア州捜査局の捜査官、キャサリン・ダンスが事件解決に手を貸します。
彼女は有能な尋問とキネシクスのエキスパートで、ニューヨーク市の法執行機関職員に向けたセミナーで講演するために、ニューヨークに来ていたのです。
キネシクスとは「証人や容疑者のボディランゲージや言葉遣いを観察し分析する科学」です。
相手に適切な質問をし、話をさせ、聞き、相手の目やジェスチャーなどのボディランゲージを見ながら、相手が嘘をついているかどうかや、どうやれば落ちるかを探っていくのです。

や~、捜査方法にもいろいろとあるんですねぇ。
普通の人間関係にも使えそうです。
ダンスがこれからのリンカーン・ライム・シリーズにどうかわってくるのか、楽しみになりました。

これ以上は書けません。とにかく、おもしろいですから、読んでみてくださいとしか言えません。(最後の方は、もういい加減にしてよ、といいたくなるかも・・・?)

「フィクサー」を観る2008/05/03

マイケル・クレイトン   ジョージ・クルーニー
アーサー・イーデンス    トム・ウィルキンソン
カレン・クラウダー    ティルダ・スウィントン
マーティ・バック&製作   シドニー・ポラック

シドニー・ポラックって監督ではなかった?と思いましたが、俳優でもあったんですねぇ。知りませんでした。
ジョージ・クルーニー、格好いいです。でも、45歳の役ですが、50代に見えました。彼の髪のせいかも、笑。
ティルダ・スウィントンは『ナルニア物語』の怖い魔女役の人です。今回は冷徹に徹しようとするのですが、もろさを垣間見せてしまう女性管理職役です。

「フィクサー」とは「もみ消し屋」のこと。
弁護士事務所に所属しているのに、何故か陰の「フィクサー」になってしまった男の話です。
長年の付き合いのあるクライアントが、何か法に触れることや、スキャンダルが出そうな時に、颯爽とかけつけ、もみ消す。こんな感じです。
ひき逃げをした奴がどうにかしろと言う勝手さに呆れました。こんな奴、いそう。

ひき逃げ犯の家からの帰り道、田舎道を車で走っていて、馬三頭を見つけ、車を離れた時に、彼の車が炎を上げました。
ここから話が始まります。
車炎上の4日前。友人の弁護士、アーサーの奇行が知らされ、彼をどうにかするようにとマイケルが呼ばれます。
アーサーは6年前から薬害訴訟を担当しており、決着がつくかどうかという瀬戸際でした。
それなのに、彼は訴訟を起こしている側の女の子に惚れてしまい、良心の葛藤に耐えきれず、製薬会社の内部文書を手に入れ、そこに書かれていることを暴露しようとしていたのです。
マイケルはアーサーを説得しようとしていたのですが、アーサーは死体となって見つかります。
彼の死に疑問を持ったマイケルは、いろいろと調べ始めます。

「フィクサー」って一見格好よさそうですが、マイケルはバツイチで息子は妻の所。
ギャンブル依存症気味。
兄はアル中で、マイケルがお金を出し、立ち直るようにと店をまかせていたら、潰してしまい、借金が・・・。
「フィクサー」は嫌だから、元の弁護士の仕事に戻りたいと言ったら、断られ、命まで狙われ、踏んだり蹴ったりの人生です。
でも、彼は負け犬で終わりません。最後にドンデン返しが・・・。

楽しめる映画でした。
でも、最後まで、三頭の馬が気になってしょうがなかったです。
人をひき逃げしたと思っていたら、馬だった!なんてことはないですよね。

「DS美文字トレーニング」を買う2008/05/04

DSを持っていますが、この頃使っていませんでした。前に流行っていた脳年齢を測るソフトは20歳以下にはならないので、止め、「えいご漬け」は簡単過ぎたので止め、次は・・・。
そう。この「美文字トレーニング」です。アマゾンに頼んでいたら、売れているらしく、一ヶ月ばかり待って、やっと届いたのです。
これって意外と難しいのです。
私は一応と言っても、2年以上も練習をやっていないので、大きい声で言えないのですが、ペン字、準師範、習字、四段なのです。
でも、なんと文字判定をすると、「中の上」。
なんで!?
付属のペンが書きづらくて、本当の筆にはほど遠い感じです。
お手本の字も、あまり好きな形ではないのです(文句が多くてすみません)。
なんとなくやり方を覚えると、80点~90点ぐらいいくようになりましたが、それでも「中の上」。
一番許せないのは、相棒も「中の上」ですよ。絶対にこのソフトおかしいわ。
練習をしないで、文字判定ばかりやっていますが、このままでは「中の上」以上いかないかも。
やっぱ、練習しようかな・・・。

P.S. 夜にもう一回やってみたら、なんと「上の中」になりました。コツがあるみたいです。

ブライアン・イーストマン 『ローズマリー&タイム 歌を忘れた鳥たち』2008/05/06

連休前に読んだ本ですが、これ、ドラマになっているそうです。
ガーデニングというと、イギリスですが、表紙の写真の女性2人をみると・・・なんとおばさん。それも一人はいい体格です。イギリスの人気ドラマと言うけれど、本当でしょうか。
ローズマリとかタイムというと、そう、料理の時に使うハーブ。
サイモン&ガーファンクルの歌、「スカボロー・フェア」にも使われていましたね。懐かしい。

写真からどっちがどっちかわかりませんが、たぶん太った方が元警察官で今は主婦のローラ・タイムだと思います。
彼女は警官の夫と結婚して、二人子供がいるのですが、なんと夫は23歳の娘を好きになったと言って、出て行ってしまいます。(よくある展開かな)
彼女の取り柄は、ガーデニング。近所で評判の庭を、彼女一人で作っているのです。
もう一人の女性は、植物病理学者のローズマリー・ボクサー。マームズベリー大学で教えていましたが、学長のジュリアン・マーチャントのやり方に異議を唱え、同じ考えを持つ同僚と手紙を書いて現状を訴えようとしていました。
この本は、彼女たち2人の出会いが書かれたものです。

夫に捨てられ、ショックを受けたローラが、夫との思い出のある家を出て、友人のサムとヴィッキーの家にしばらくお世話になろうとします。
しかし、サムたちには迷惑だったらしく、彼らの家には泊めてもらえず、その代わりにホワイトハートというホテルに泊まることになります。
一方、ローズマリーは、教え子で園芸センターを経営しているダニエル・ケラウェイから並木の病気を治してもらいたいという手紙をもらいます。
彼が大学に多額の寄付を考えているということから、学長のジュリアンと一緒に彼の屋敷に行くことになります。
並木の病気をつきとめるには時間がかかりそうなので、彼女一人を置いて、学長は帰っていきます。
仕方なく、ローズマリーはホテルに泊まることにします。
そういうわけでホワイトハートというホテルで二人は出会い、同じように植物が好きだということがわかり、意気投合し、一緒に行動することになります。

偶然にもローラの友人のサムはローズマリーの教え子のダニエルの共同経営者でした。
ローラをホテルに送って行った帰り道、サムは車の運転中に心臓発作で亡くなってしまいます。
心臓がもともと悪かったサムは用心して、薬を飲むようにしていたのですが・・・。
その上ダニエルも1年以上も病気が治らず、家から一歩も出られない状態が続いています。どうも何かが変です。
ローラは元警察官の勘が働き、並木の病気を治そうとしているローズマリーの助手をしながら、サムの死の真相に迫ろうとします。

ミステリーとしては物足りないかもしれませんが、テレビドラマになったらどうでしょうか?
そう考えると、美しい庭が見られるだけでも、ドラマを見てみたいですね。
ミステリチャンネルで8月に第三シーズンが放送されるそうです。私は契約していないので、見られませんけど(泣)。
DVDも買うと一万円以上もします。
調べてみると、便利になりましたね。TSUTAYAで店に行かずにDVDがレンタルできるらしいので、利用しようかと思います。
ドラマを見た結果はまた書きますね。

「レミーのおいしいレストラン」と「ダ・ヴィンチ・コード」、「硫黄島からの手紙」を観る2008/05/08

連休に観たDVDは、「レミーのおいしいレストラン」と「ダ・ヴィンチ・コード」、「硫黄島からの手紙」の3本です。一遍に紹介しちゃいましょう。

まず、「レミーのおいしいレストラン」。
ネズミのレミーは、ネズミであるにもかかわらず、グルメなんです。有名シェフ、グストーの本を愛読書にしているぐらいですから。
あるおばあさんの家でスパイスを探していると、おばあさんが起きてしまい、さあ大変。
何故かネズミごときに、ピストルまでぶっぱなすおばあさん。
急いで逃げたときに、家族と離ればなれになり、着いた先がパリのグストーのレストラン。
新入りの見習いシェフで全く料理のできないリングイニが、スープを駄目にしているのを見掛け、ついつい手を出してしまいます。
なんと彼のスープは評判になってしまい・・・。

ネズミたちが料理をしている場面なんか、思わず顔をしかめてしまいました。想像はしたくないわぁ。
でも 映画としては、純粋に楽しめました。親子でどうぞ。

「ダ・ヴィンチ・コード」は、私は本の方が好きです。
あまり俳優が魅力的ではないのです。トム・ハンクスは好きですが、学者という感じではないですよね。ヒロインの女性(オドレイ・トトゥ)も、う~ん・・・。
聖杯伝説やキリストうんぬんに興味がもてるかどうかに、この映画のおもしろさが左右されるでしょう。
興味のない人にとってはどうでもいいことですから、笑。
そうそう、狂信者は恐ろしいですね。なんでわざと脚に鎖を巻いたり、ムチで自分の身体を打ったりするんでしょうね。私にはわからない世界です。

「硫黄島からの手紙」ですが、こういう映画、今の私の気分ではなかったです。
相棒が真剣に観てました。私は途中棄権です。気分がのったら、また観ようと思います。
何故嫌になったのかというと、たぶん戦時中の日本の全体主義のせいでしょう。
パン屋(ジャニーズの二宮和也が評判になってましたね)が言っていましたね。砂糖が手に入ったから、カステラやあんパンを作ったら、兵隊が持っていった。パンを作る器具も持っていった。もうこれ以上持っていく物はないだろう、などと思っていたら、赤紙が来た。
その上赤紙を持ってきたおばさんが「おめでとうございます。もう跡継ぎもいるんだから・・・」などと言うんですから。跡取りと言ったって、お腹の中にいるだけですよ。
戦地では、「玉砕」を強いたり。
ホント、異常な世界だったんですね。

平和について考えるには、いい映画でしょう。

すみません。私全部見てませんが、えらそうに言わせていただいてます。今度、正座して観させていただきます。

江國香織 『落下する夕方』2008/05/10

ココで告白します。
江國さんの小説のことでいろいろと書いてきましたが、実は・・・好きです。
なんなんでしょうね。独特の空気が、癖になるんですかね。
なんか普通の日常生活を、淡々と書いているだけなんですよ。特にたいした事件が起こるわけでもないし、ヒロインはどちらかと言えば、あまりお友達のいなさそうな女の人だし、男は線が細く、ハンサムらしいけれど、浮気性。
何がいいんでしょうねぇ。

『落下する夕方』も、くだらない話ですよ。
八年間同棲していた男、健吾が20代の若い女の子、華子が好きになったと言って、部屋を出て行きます。
梨果は健吾のことを思いきることができず、二人で暮らした部屋を出ていくことができません。
彼の残り香をかぐように、二人で暮らした部屋で、前と同じように暮らしていきます。
彼が出て行かなかったように。
そこへ、なんと健吾を取った華子が、部屋代払えないんでしょう、私が一緒に暮らしてあげるわ、何て感じで現れます。
そして始まる、変な女二人暮らし。
健吾は嬉しそうに、女二人の部屋にやって来ます。
もちろん華子に会うのが目的ですよ。華子に冷たくされているので、梨果を利用しているんです。

華子は生きているという実感の感じられない、空気のような不思議な子です。
毎日グータラとしていて、何をしているかと言えば、ラジオを聞いていたり(今時ラジオを聞く子いるかよ!)、一番多いのは寝ていることですねぇ。
急に家出をして、しばらく帰ってこなかったりするし、どうも男が健吾の他にもいるようだし。
一番好きなのは、弟などと言ってるんですよ。
わけのわからない華子です。
梨果はそんな華子のことが結構好きだったりして・・・。
二人の生活はうまく行っていました。
でも、そんな生活も長くは続きませんでした。華子が自殺をしてしまうのです。
華子が死んで、やっと健吾とのことを終わらせることのできた梨果です。

女は時が経つと、卒業できるけれど、男は・・・?
水槽の中の熱帯魚みたいな、そんな日常に迷い込んだような話です。

東京バレエ団<モーリス・ベジャール追悼特別公演> 「ギリシャの踊り」「火の鳥」「春の祭典」2008/05/12

土曜日、上野の文化会館で東京バレエ団を観てきました。
私って早とちりが多くて、ベジャールの追悼公演なら「ボレロ」をやるはずと、演目をよく見もせずにチケットを頼んじゃいました。
「ボレロ」はなくても、十分楽しめました。

「ギリシャの踊り」
ソロ:後藤晴雄
二人の若者:長瀬直義-横内国広
パ・ド・ドゥ:小出領子-松下裕
ハサピコ:上野水香-高岸直樹

「火の鳥」
火の鳥:木村和夫
フェニックス:高岸直樹

「春の祭典」
生贄:吉岡美佳 - 中島周

こういう現代的なバレエは観るのが初めてです。衣装は簡素なレオタードで、舞台はなにもありません。これでは衣装や舞台芸術に目を奪われないので、純粋にダンサーの踊りを楽しむ以外に楽しみがないですねぇ。
席はなんと前から2番目のど真ん中。前すぎる~ぅ、と思ったのですが、そうでもなかったです。でもダンサーの汗が飛んできそうでした。

「ギリシャの踊り」は海の音から始まります。素人目ですが、器械体操的な動きが多く、優雅とはほど遠いものでした。片足をあげて静止する場面などには、これは脚の筋力が必要だなと、変なところに関心してしまいました。
二人の若者は息の合った踊りを見せてくれました。ハサビコの二人が出てきたときに、妙に観客のテンションが高くなりました。水野・高岸は東京バレエ団の人気者なんですね。特に素敵な踊りとは思いませんでしたが。

「火の鳥」は歴史的に意味のある(第二次世界大戦中のパルチザン闘争を描いた)踊りだそうですが、なんかフェニックスをやった高岸さんが、体型的に大きすぎて好きになれませんでした。火の鳥の人と合ってないのです。

私的には「春の祭典」が一番好きです。
なんと「鹿の交尾に想を得た」そうですが、春は生(性)の季節ですよね。その喜びを描いた躍動美溢れる、力強いバレエです。生贄の二人が素敵でした。
衣装に隠れていないため、ダンサーの骨格がはっきりわかってしまい、体型の好き嫌いがでてしまいました。
下世話な話ですが、男のダンサーはTバックをつけているんだなとか、胸の大きいバレリーナは大変だなとか、いろいろと馬鹿なことも考えてしまいました。

この公演には関係ないのですが、昔からローザンヌ国際バレエコンクールに興味があり、NHKの放送を毎年見ています。
いつも辛口のコメントが出てきて、それが結構気に入っています。
ずっと前はフランス人(ベッシー校長?)のコメントでしたが、今年は日本人女性でした。
バレエ関係者は年齢に関係なく、下手な演技には容赦がありませんね。
ローザンヌですが、審査のひとつにコンテンポラリーバリエーションがあります。
今回の公演を見て、やっぱりローザンヌに出ていた人は素人なのだな、と思いました。
当たり前ですね。プロはやっぱりプロ。
今年は南米の人が多かったのですが、まだまだでした。 これからどんどん伸びてくるのかもしません。

今月はもう一つバレエ公演に行きます。パリ・オペラ座。楽しみです。

「シャイン」を観る2008/05/13

「シャイン」は実在する天才ピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴッドの話です。
デイビッドの父親ピーターはユダヤ人で、強制収容所の生き残りらしく、戦後オーストラリアに移住したようです。
音楽が好きで、小さいときにバイオリンを買ったのですが、父親に取り上げられてしまったという悲しい過去がありました。
そのため、独学で音楽を学び、息子にピアノを教え、コンテストで一位になることを強います。
「いつも勝たなければならない」これが口癖です。

ある日、デイヴィットのピアノを聞いた音楽教師が家まで来て、デイヴィッドを教えたいと言います。
最初は断ったのですが、ラフマニノフを弾きたいという息子の言葉を聞き、自分では教えられないとさとり、その教師に息子を託します。
そのおかげでデイヴィッドはコンテストに優勝して、アメリカ留学という話が持ち上がります。
寄付金が集まり、アメリカに行けることになるのですが、父親はデイヴィッドが自分から離れていくのが許せず、息子の夢を潰します。
その時の言い方がひどい。
「私を憎むな。人生は過酷なものだ。それに耐えて生き残れ。私の愛は誰よりも強い。他の人は信用できん。私を信じろ」

デイヴィッドは生きる屍となります。
そんな彼を救ったのは作家のキャサリンでした。
彼の音楽を「神の音楽」と言って褒め、彼の友達になったのです。
立ち直ったデイヴィッドは、王立音楽学校のスカラーシップを取ります。
ところがまた父親は反対するのです。
今度は暴力までふるいます。
「ここまでにしてやった親を捨てていくのか。この家を出て行ったら、二度と戻れない。私を愛しているなら、ドアから出て行くな。出て行くと罰が当たり、苦しむ」
息子を本当に愛しているなら、息子の望むことをさせてあげるのが親でしょう。
ところが、ピーターは違います。
自分の力のおよばないところにデイヴィッドがいくのが許せないのです。
息子に嫉妬しているのかもしれません。

イギリスに渡ったデイヴィッドはいい師に出会い、幼いときの夢であったラフマニノフのピアノ協奏曲第三番をコンクールで弾くことになります。
難曲を見事に弾きこなしたのですが、極度のストレスからか、精神的におかしくなり、オーストラリアに戻され、精神病院に入れられてしまいます。
ピアノを弾くのを医者から止められ、なんの希望もなく生きていましたが、彼のことを知っている女性がたまたま病院にピアノを弾きに来ていて、彼を引き取ってくれることになります。

その後、いろいろな人の所にお世話になりますが、あるバーにあるピアノを弾いたことから、そのバーの専属ピアニストになり、評判になります。
デイヴィッドが新聞で取り上げられ、その記事を見た父親がデイヴィッドに会いに来ますが、デイヴィッドは父親を許せませんでした。
当たり前ですよね。
彼が変なことを息子に吹き込むから、彼がおかしくなったようなものですから。

ある日、バーの女性の知り合いの星占い師、ギリアンがやってきます。
デイヴィッドとギリアンは結婚し、彼女の支えを得て、デイヴィッドはコンサートピアニストとして復帰します。

デイヴィッドはなんか強迫観念があるのでしょうか?父親のせいですね。
何度も同じことを言ったり、部屋をメチャクチャにしたり、お風呂に変な入り方をしたりと、私だったら絶対に一緒にくらせないですわ。
奥様はよく我慢していますね。天才だから、我慢できるのでしょうか?

私の中では、天才には悲しい結末が待っていると思っていたのですが、幸せな終わり方だったので、意外でした。
とにかく、父親の偏屈さに圧倒された映画でした。
ホント、何様なのあんた。自分が不幸だったからといって、息子の幸せまで奪う権利があんたにあるのか、と言いたくなりました。

ローラ・チャイルズ 『カモミール・ティーは雨の日に』2008/05/14

この本、読み始めるとすぐに、「アレ、読んだんじゃない?」と思い、何回も後ろの出版日を見てしまいましたが、出版は2008年5月と書いてあります。おかしい。なんか読んだような気がするんだけれど?
残念ながら、このシリーズ、マンネリ化したのかもしれません。
実はこの本、読んだのですが、ホテルに忘れてきちゃいました。
なんでも忘れっぽい私です、笑。
本の中に出てくるお茶会は、今回もよだれがでそうなものでした。
でも、本がないので、詳しく書けません。残念。
ティーカップの交換会だったような…。

インディゴ・ティー・ショップのオーナーのセオドシアは、詩の朗読会でお茶とお菓子をケータリングしていた。
この朗読会には、ティー・ブレンダーのドレイトンが出て、最後にエドガー・アラン・ポーを朗読することになっていた。(詩はアナベル・リーだったような…)
ところが、ドレイトンが朗読中に、映写機を扱っていた男が銃で撃たれ、セオドシアが作ったケーキの上に落ちる。
この男と愛人関係にあったセオドシアの友達が疑われることになり、またまた犯人捜しに乗り出すインディゴ・ティー・ショップの面々。

セオドシアの弁護士の彼、ジョリーがニューヨークに転勤になり、結婚を申し込んで来たり、レストランのオーナーの男性からデートに誘われたりと、ラブ・ライフが充実しています。
でも、最後まで、なんか読んだ気がするのは何故でしょうかね。
美味しそうなお茶とお菓子がなければ、このシリーズ、読む価値ないかもしれませんわねぇ。
それでもお茶会のこと知りたさに、新しい本が出たら買いそうです。

劇団四季 「赤毛のアン」を観る2008/05/17

木曜日に『赤毛のアン』を観てきました。木曜日ということで、入りは半分ぐらい。
後ろの方に、関西からの修学旅行生がいました。
「赤毛のアン」言うと、懐かしい~と思う人がどれぐらいいるでしょうか。
今の子供達は『赤毛のアン』なんて読んでいるのでしょうか?
私は日本物より外国物の好きな子供だったので、覚えている童話は『赤毛のアン』を筆頭に『森は生きている』や『点子ちゃんとアントン』、『アルプスの少女ハイジ』なんかです。
私の髪は小さい頃からちょっと茶色いので、アンには結構思い入れがあります。
スクランブルエッグの作り方を『点子ちゃんとアントン』で覚えたようなもんです。
そういえば、なんで「点子ちゃん」なんでしょうね。変な名前ですね。

アンは、男の子が欲しかったマシューとマニラの所に、孤児院から何の手違いか、送り込まれた女の子です。
マシューたちに引き取られてから、夢見がちなアンはいろいろと事件を引き起こしますが、いつしかみんなに受け入れられていきます。
ミュージカルでは、本からいくつかのエピソードを取り入れています。
でも、ピクニックの場面なんか、本に出ていたのかどうか覚えていません。
それ以上に自分の記憶の不確かさを思い知ったのが、マシューが最後に亡くなることです。
本を読んでいるはずなのに、マシューの死のことを覚えていないんです。
かろうじて覚えているのが、ミュージカルでは描かれていなかったのですが、双子が病気になって、その看病をしたアンも病気になってしまうこととか屋根から落ちることですが、これも本に書いてあったのかどうか、自分の記憶に自信が持てないわぁ。
こうなったら本を読むしかないですね。今度は原書で読みますわ。
あ、舞台はどうだったかって?はい、それなりに面白かったですよ。
お子さんと一緒にどうぞ。
大人は、もう終わっちゃったけれど、「李香蘭」を観て欲しいですね。