フェイ・ケラーマン 『蛇の歯』2010/02/18


 
ロサンゼルス市警警部補のデッカーとユダヤ教徒のリナ夫婦の話です。
毎回二人の熱々さにはあてられっぱなしです。今回も仲がいいですよ。
 
高級レストランで銃の乱射がありました。
死者13名、負傷者30名以上という大惨事です。
犯人はこのレストランの元バーテンダーで、事件を起こした後、自殺しました。
銃の発射され方向を調べてみると、犯人はどうも一人ではなさそうです。
デッカーは亡くなった家族に会いに行き、話を聞いていきます。
しばらくして、亡くなった金持ち夫婦の娘、ジーニーという女が、デッカーをセクシャルハラスメントで訴えました。
デッカーは彼女が何を狙ってこのような訴えを起こしたのかと不思議に思い、彼女の身辺を調べます。
 
デッカーの家族とはいうと、リナの亡くなった夫の友達の死をきっかけに、リナとデッカーの間に微妙な空気が。
そんな時ですが、リナは夫のセクシャルハラスメントの訴えをはらすために、警察内務部の質疑の場に出席することにします。
リナのような若い、美しい妻を持っていると、セクシャルハラスメントをするはずがないというアピールになるんですって。男の側の論理ですね。
こういう場でもリナは完璧な答えをします。
その上、デッカーの助けになるのならと、ベトナムで一緒に戦った彼の友人に、捜査に役立ちそうなことを頼みに行きます。

ちょっと疑問に思ったのは、デッカーは事件についてリナにベラベラと話しているのですよ。これは職業上の倫理観に触れないのでしょうか?
デッカーが事件のことを家庭で話したために、リナを初めとして、先妻との子でデッカーの反対を押し切って警官になることにした娘、シンディまで、事件に協力することになるのですから。
家庭的には恵まれているデッカーですが、デッカーが幸せすぎても、なんかね・・・。