デボラ・クロンビー 『警視の孤独』2010/02/24


警視キンケイド・シリーズの新しい本です。

 
一緒に暮らし始めたキンケイドとジェマですが、ジェマの流産からなかなか立ち直れない二人です。
そんな頃なのに、キンケイドの息子のキットに対し、義理の祖父母が親権を求めて裁判を起こします。
 
一方、事件は容赦なく起こります。
国会議員が所有しているヴィクトリア朝風の倉庫で火災が起こります。
どうも放火らしいのですが、火災現場から、女性の遺体が見つかり、キンケイドは現場に行くことになります。
 
その頃、ジェマは知り合いの司祭から頼まれ、病気で車椅子生活を余儀なくされている女性に会いに行きます。
偶然にも女性の家は火災現場の近くにあり、彼女と同居している女性がいなくなったというのです。火災現場の遺体はこの女性なのでしょうか?
 
ジェマとキンケイドは公には一緒に捜査をしていないのですが、ジェマはキンケイドの事件を手伝います。
倉庫付近を写したビデオを見てみると、火災前に倉庫を出入りしている男女が写っていました。
その女の方は倉庫の持ち主の国会議員の娘で、彼女も行方不明になっていました。
倉庫の横にあるシェルターに話を聞きに行くと、妻と娘がいなくなったという医師に出会います。
彼の妻と遺体の女性の身体の特徴が一致しています。
死体の女性は三人のうちの誰なのでしょうか?
事件と人間関係が入り混じります。
 
事件が終わった後、キンケイドはキットとのことで、ある決心をします。
どんな犠牲を払っても、キットを渡さないということです。
家族っていいなぁと思える場面です。
いつ読んでも裏切られないシリーズです。