浅田次郎 『ハッピー・リタイアメント』2010/03/07

 
週刊文春の書評欄でおもしろいと書いてあったのと、たまたま図書館にいったら借りれたので読んでみました。
なんでこんなに読んだ理由を書いたかというと、満足していないからです。



肩たたきによって天下った先は、戦後のGHQの命令によって作られたJAMS。

JAMSとは全国中小企業振興会のことで、「財閥解体後の新興事業育成のためGHQの指令によって作られた金融保証機関。無担保無保証人の零細事業主の債務保証を代行することによって、公平なビジネスチャンスを拡大することが目的」だそうです。

ようするに、お金が借りたいという人がいたら審査し、よければ一般金融機関に推薦し、その後、お金を返せない場合、無条件に借りた金額を肩代わりするということをやっていたんですね。
本当にこんな機関があったのでしょうか?
借りられたらすごいじゃないですか。返さなくても、取立てが来ないんですから。
 
そんな変なところに放り込まれたのが、財務省官僚の樋口慎太郎と自衛隊一等陸佐の大友勉の二人。
二人がJAMSに行かされたのには、なにやら陰でいろいろな力が働いているような・・・。
JAMSに二人が行ってみると、仕事はしなくていいらしく、職場に出勤したら、退社時間まで時間つぶしをすればいいだけ。それなのに、お金が入るし、なんてラッキー。
これこそ「ハッピー・リタイヤメント」!
と普通なら思うはず。
 
ところが、樋口と大友はクソ真面目なのか、そんな職場に違和感を覚えるだけ。
こんな暇な職場のじいさん方を相手にしているのが、元銀行員の立花女史。樋口と大友の異質さに戸惑いながらも、仕事を振ってみると、意外なことが。
とうとう三人で仕事をしちゃいました。
 
適当に負債者を探し、貸した金は時候なので返さなくていいけれど、債権放棄の手続きのために、書類にサインしてくれと言いに行くのです。
そうすると、社会的に高い地位についていて、お金がある人なら、道義的責任とかなんとか言われると、良心が痛むらしく、お金を、それも負債額以上に何倍にも増やして返してくれるのです。

仕事をしちゃいけないのですよ。それなのに、仕事をしちゃっていいのかしら。
そんなこんなで、この三人、このお金をどうするのでしょうか?

まあ、日本的な加齢臭たっぷりの、定年世代の憧れが本になった感じです。