新国立劇場バレエ 「アンナ・カレーニナ」と完全版『アラベスク』2010/03/30


『アラベスク』というと、私がバレエに目覚めるきっかけになった漫画です。
全巻持っていたのですが、引越した時に処分してしまいました。
しばらくすると、また読みたくなり、探しました。
しかし、どの書店にも売っていませんでした。
うれしいことに、今月、完全版として第一部2冊が発売されました。
こんなに嬉しいことはありません。
漫画の線など、山岸涼子の初期の頃なので、下手なところもあります。
でも、「愚図でのろま」なノンナがミロノフ先生のスパルタ教育で成長していく姿がいいのです。
私のまたいつもの勘違いで、美内すずえの『ガラスの仮面』とごっちゃになっているところもありましたが。(「真夏の夜の夢」のパックのところ)
ノンナとミロノフ先生の年の差が6歳だってことに、今更ながら気づきました。
ミロノフ先生って若かったんですねぇ。
 
 
 
第二部は5月発売だそうです。
バレエファンで読んだことのない人は是非とも読んでください。

さて、新国立劇場の話ですが、旅行に行っていて、書くのが遅れてしまいました。ここの中劇場も見やすくていいですよ。段差があるので、人の頭に邪魔されないのです。

  ボリス・エイフマンの「アンナ・カレーニナ」

3月26日(金) 19時開演  新国立劇場中劇場

台本・振付:ボリス・エイフマン
作曲:ピョートル・チャイコフスキー他

アンナ:ニーナ・ズミエヴェッツ
カレーニン:セルゲイ・ヴォロブーエフ
ヴロンスキー:オレグ・ガブィシェフ
キティ:堀口 純


『アンナ・カレーニナ』はロシアの作家、ドストエフスキーの名作といわれている文学作品です。
簡単にまとめると、カレーニンとアンナは一見幸せな結婚生活を送っていました。しかし、アンナの心は満たされていませんでした。夫との仲も冷めていたのです。
そんなアンナの前にヴロンスキーという青年が現れ、二人は不倫関係に。
やがてアンナとヴロンスキーのことが夫にも知れることになります。
アンナは夫と子供を捨てて、ヴロンスキーとの愛の生活を選ぶのですが、やがて自責の念にさいなまれると共に、ヴロンスキーとの生活にも満たされないものを感じ始めます。
最後にアンナが選んだことは、自ら命を絶つということでした。
(読んでいないので、公演を見てまとめてみました。ちがっていたら、ごめんなさい)

この作品を、アンナとカレーニン、ヴロンスキーの三人を軸に描いているのが、ボリス・エイフマンの「アンナ・カレーニン」です。
三人を演じているのが、ボリス・エイフマンバレエ劇場ソリストの面々。
すごいです。踊りなど人間業とは思えません。
その上、それぞれの役の心情を的確に表しています。
1時間半ぐらいの短い時間の中に、三人三様の心象が次々と現れてきます。
 
新国立劇場のダンサー達は、場ごとに変化します。
舞踏会の客だと思うと、次は三人の心を象徴したり、機関車になったり・・・。
特に男性ダンサーは息つく暇もなく、踊り続けます。
新国立のダンサーは身長や体型がそろっているので、見ていても目に心地いいですね。
今年のベストになりそうな公演でした。