「響け町の歌声」――ギャレス再び♪2010/08/21

木曜日の夜、眠れないので何気なくテレビチャンネルと回していると・・・アレ!この顔は・・・ギャレスじゃないですか。
彼は合唱団指揮者で、前に男子校に合唱団を作るために奔走している番組(「クワイア・ボーイズ」)が放送されていました。
残念なことに、「クワイア・ボーイズ」で舞台になったランカスター校に再訪する番組は月曜日に放送されてしまいました。見たかったのに・・・。ギャレスの始めた合唱は全校的に行なわれているようです。よかった。

今回はイギリスの貧困地区に位置づけられているロンドン郊外の労働者の町サウスオキシーの町おこしのためにコミュニティー合唱団を組織するという依頼です。
サウスオキシーは周りから差別的扱いを受けており、町の人々は自分の住んでいる町に誇りを持てませんでした。このことを危惧した牧師が、町の人々が知り合い、何かを一緒にやり、互いの距離を縮め、自分たちの町に誇りを持てるようになってもらいたいということから、八ヶ月の契約期間でギャレスはサウスオキシーに赴きます。


番組の第一回と第二回は見ていませんが、だいたいの内容を番組紹介から推測して書いてみます。

第一回ではコミュニティー合唱団を作るために団員勧誘に走り回るギャレス。なんとか参加してくれる人が増え、商店街で成果を発表します。
ギャレスの上手いところは、次々と目標を与えることです。目標を与えられると、人はそれに向かって努力しようとしますよね。努力すると、それだけ伸びていきいます。指導者は明確なビジョンを持っていないと駄目ですね。

第二回では、地区の小学生の合唱団を作ります。目標は町の教会でクリスマスコンサートを行なうこと。どうやら上手くいったようです。


私は第三回の途中から番組を見ました。
最初に目に飛び込んできたのが、何やら無骨な男性たち。元ボクサーのマーティーをリーダーに歌好き男性が集まり、「マーティーズ・メン」というグループを結成していました。彼らは町のパブを回り、歌を披露するのです。
嬉しそうに衣装を着るマーティたち男どもがかわいらしいです。が、マーティーがネクタイの結び方を知らなかったので、びっくりしました。西洋人は背広を着るのが当たり前でネクタイぐらい結べるだろうと思っていたんです。仕事で着なければ、ネクタイ結べないのは仕方ないですものね。

さて、彼らの歌は・・・。ちょっと音程がずれていますが、堂々と歌っていて立派です。好きなことを恥ずかしがらずにやるという心意気は見習わなければと思いました。下手だから恥ずかしいと思いがちですが、下手でも好きだからいいじゃないと思えることが大事ですね。

コミュニティー合唱団と児童合唱団はどうなったかというと、今度の目標は高いです。クラッシックです。ラテン語で歌を歌うのです。
児童合唱団は伝統あるパブリック・スクールの学園コンサートにゲストとして参加します。その後、プロの演奏で「カルミナ・ブラーナ」まで歌っちゃいます。

第四回ではすごいですよ。ギャレスが最後の手を打ちます。サウスオキシーの町おこしのために、フェスティバルを開くことにするのです。合唱団は巨大ステージで歌います。
ギャレスはサウスオキシー・フェスティバルの宣伝のためにCDを作るといいだします。歌の録音はビートルズで有名な、あのアビイ・ロード・スタジオでです!歌はもちろんビートルズの「イン・マイ・ライフ」。

次なる手として、フェスティバルには色々な人が来ます。そんな人たちに歌を聞いてもらうには、ただ歌うだけではいけないと、ギャレスはダンサーに歌の振付をしてもらいます。

さて、フェスティバル当日。雨模様です。これでは人が来ません。ところが午後から晴れてきて、たくさんの人々がやってきます。天も彼らに味方したんですね。
そして結果は言うまでもないですね。

大きなことをやり遂げた町の人々は、口々にサウスオキシーも捨てたもんじゃない。こんなことができるんだから、サウスオキシーにもすごい人たちがいるんだ。このフェスティバルが町の住民達の距離を縮めたなどと言っていました。
ギャレスはサウスオキシーの人々の心に誇りと自信を植えつけたのです。

現在もギャレスはミュージカルデレクターとしてサウスオキシー合唱団と関わり続けています。
サウスオキシー合唱団のHPがありました。みんな楽しそうです。

くだらないけれど、気になったこと。ギャレスの眼鏡。指揮をするときは眼鏡をするのに、インタビューされるときは外すような。彼は近眼?老眼(ってことはないか)?ギャレスも見た目を気にするのかしら?


一見へなちょこな青白い現代っ子という感じのギャレスですが、彼の粘り強い指導には脱帽です。彼の裏表のない、音楽はすばらしいんだという真摯な態度がみんなの心を動かすのでしょうね。

今度はどこに行くのかしら?
楽しみですが、放送するときにわかるかどうか、心配です。