「三菱が夢見た美術館」@三菱一号館美術館 ― 2010/09/24
『地球交響曲第七番』を見て遅いランチを取った後、まだ時間があったので、大手町の方まで行き、絵を見ることにしました。
というのも、めずらしくめんどくさがり屋の相棒が、行ってもいいと言ったからです。珍しい。
雨なので地下を通り、近くまで行くことにしましたら、次々と新しい地下道ができていて、このまま外に出ないでビルからビルへと行けそうでした。
三菱商事の前身は、1870年に土佐藩から海運業を任された岩崎彌太郎の作った九十九商会です。
三菱商事の前身は、1870年に土佐藩から海運業を任された岩崎彌太郎の作った九十九商会です。
1890年には丸の内の土地を取得し、お雇い外国人のコンドルに煉瓦造りの事務所を設計させ、1894年に三菱一号館が完成しました。 <序章 「丸の内美術館」計画:三菱による丸の内の近代化と文化>
美術展の最初にあったのは、このコンドルの設計した「丸の内美術館」計画の平面図です。
当時の三菱には丸の内に美術館や劇場を作る計画があったどうです。
やっと美術館ができたのですから、劇場もお願いしたいですね。
立原道造の時も思ったのですが、建築家って、絵が描けて、美意識が高いんですね。それじゃないと美しい建築はできませんからねぇ。
立原道造の時も思ったのですが、建築家って、絵が描けて、美意識が高いんですね。それじゃないと美しい建築はできませんからねぇ。
<第一章 三菱のコレクション:日本近代美術> 黒田清輝、梅原龍三郎、山本芳翠、岸田劉生などの絵画が展示されています。
目玉のひとつが岸田劉生の「童女像(麗子花もてる)」ですが、何回見ても、不気味な少女です。
自分の娘ですから、贔屓目に見て可愛く見えたのかしら、笑。
私は黒田清輝の作品が好きです。
私は黒田清輝の作品が好きです。
「摘草」や「春の名残」などの淡い色の日向の匂いのしそうな感じがいいです。
相棒に、「絵では何がいいよかったか」と聞いたところ、黒田清輝の「裸体婦人像」が色っぽくていいそうです。
まったく男って、笑。
相棒に、「絵では何がいいよかったか」と聞いたところ、黒田清輝の「裸体婦人像」が色っぽくていいそうです。
まったく男って、笑。
裸体画なら、展示されていませんが、私は彼の描いた「野辺」の方がいいですわ。日本女性の美しさを描いた官能的な作品ですもの。
「裸体婦人像」 1901年
「春の名残」 1908年 <第二章 岩崎家と文化:静嘉堂> 井戸茶碗や野々村仁清などの古美術や「日本書紀」や「周礼」などの古典籍が展示されています。 私には猫に小判でした。 <第三章 岩崎家と文化:東洋文庫>
教科書で知っている「解体新書」や「東方見聞録」、「ロビンソン・クルーソー漂流記」などの実物が見られます。
古い地図が結構おもしろいんです。
教科書で知っている「解体新書」や「東方見聞録」、「ロビンソン・クルーソー漂流記」などの実物が見られます。
古い地図が結構おもしろいんです。
後で相棒に何がよかったというと、一言、「地図!」でした。 悲しいことに、どの地図にも北海道がないのです。やっぱり北海道は日本ではなかったのね。
<第四章 人の中へ町の中へ:日本郵船と麒麟麦酒のデザイン> 麒麟麦酒が三菱系であることを知りませんでした。
ポスターのレトロな感じがおもしろいです。
日本髪美人がビールを注ぐ姿。明治時代まで和装が当たり前だったのですね。 <第五章 三菱コレクション:西洋近代美術>
岩崎家が所蔵していた絵画は第二次世界大戦の空襲などで失われてしまい、どんなものがあったかわからないそうです。
そんなわけで、ここに展示されている作品は戦後に集めたものです。
世間的に認知されているのかどうかはわかりませんが、私はこの展覧会で見てよかったと思ったのが次の二点です。
世間的に認知されているのかどうかはわかりませんが、私はこの展覧会で見てよかったと思ったのが次の二点です。
小品ですが、部屋に飾っておいて、いつも見たいと思う絵です。 一つはカミーユ・ピサロの「窓から見たエラニー通り、ナナカマドの木」。
ナナカマドの赤い実が左側から中央に、その後ろに通りが見える構図です。 二つ目はルノワールの「麦藁帽子の若い娘」。
「麦藁帽子の若い娘」 1988-90年 ルノワールの描く少女は無垢で、まだ夢見る少女です。
今の私はきれいなものだけ見ていたいのかな?
見ていると幸せになれる絵です。
他にはモネ、セザンヌ、ボナール、ルドン、ルオー、シャガールなどが展示されていました。
他にはモネ、セザンヌ、ボナール、ルドン、ルオー、シャガールなどが展示されていました。
「サーカスの光景」 1979年 そうそう、まだ『シャガール展』が東京藝術大学美術館でやっているので、行かれるといいでしょう。
天井の高い美術館のカフェでゆっくりお茶をしました。
帰りに丸ビルに行き、コンランショップと青山ブックセンターに寄りました。青山ブックセンターは私の何かを刺激するらしく、8冊も本を買ってしまいました。
帰ろうとすると、せんとくんがいるではありませんか。
天井の高い美術館のカフェでゆっくりお茶をしました。
帰りに丸ビルに行き、コンランショップと青山ブックセンターに寄りました。青山ブックセンターは私の何かを刺激するらしく、8冊も本を買ってしまいました。
帰ろうとすると、せんとくんがいるではありませんか。
みんな手のレプリカの前でせんとくんと一緒に写真を撮っています。
見ていると、せんとくん、手を振っていなくなっちゃいました。
というわけで、手の写真だけ載せておきますね。
ちょっと不気味かな・・・・?
最近のコメント