パトリシア・コーンウェル 『スカーペッタ 核心』2010/12/24

昨夜は姪を招いてクリスマス・パーティを行いました。といっても、美味しいものを食べるというだけでしたが。
今年のクリスマスケーキは代官山の「IL PLEUT SUR LA SEINE イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」で買いました。(このお店の名前は「セーヌに雨が降る」という意味です。ちょっと詩的ですが、何故こんな店名にしたのでしょうね)
お菓子の専門学校の人からここのケーキは美味しいと聞いていたので、わざわざ代官山まで出かけたのです。このケーキ、「ビュッシュ・シャンプノワーズ」というのだそうです。


ちょっと酔っていたので、いい加減に撮ったボケボケの写真です。切り口を写しとけばよかった。もう食べちゃったので、仕方ないですね。次回は酔っぱらう前に撮っておきます。
あっさりとした飾り付けですが、中に「香り高いシャンパンのクレームを包み込ん」であります。赤いのは木苺ですか、ちょっと甘酸っぱい味がしました。
いろいろと食べた後だったのですが、軽い食感なのでいくらでも食べられそう。私だったらいっぺんに半分は食べられます。
久しぶりに美味しいケーキでした♪


最新作が出るたびに読む検屍官シリーズ。
だんだんとケイ・スカーペッタが年を取っていくからか、人間関係の方に比重がかかっているようです。

セントラル・パークでジョッギング中に殺害されたらしい女性の遺体が見つかります。冬なのに、彼女は軽装で腕には謎の腕時計が・・・。
スカーペッタが検死から出した死亡時刻と彼女が監視カメラに写っていた時間が合いません。

一方、スカーペッタと結婚した法精神医学者ベントン・ウェズリーは元患者から気味の悪いクリスマス・カードを受け取り、スカーペッタの身に何やら起こるのではないかと不安に思っていました。

スカーペッタの姪のルーシーは失踪した投資コンサルタントのハンナ・スターにより莫大な財産の損失を受けていました。
彼女はNY地方検事補のジェイミー・バーガーと交際しており、ハンナの事件を扱っているバーガーにハンナとの関係を内緒にしていました。

バーガーの元で働いているピート・マリーノはまだスカーペッタのことが忘れられず、バーガーからの仕事よりスカーペッタの方を優先する始末。

人間関係が微妙です。色々な思惑が交わり合い、事件がどう解決されていくのかが面白いです。

ボッシュの時も思いましたが、機器類の発達は私なんかはもうわからないところまで来てしまったようです。
例えば、電話に発信者番号がでるようにしていますが、それも何の意味ももたないんですって。スプーフカードを使えば電話番号がホワイトハウスにもできるなんて。本当ですかね?
”メカニカルスニッファー”なんていうのがあり、臭いの化学的シグネチャーを検知できるようです。
殺された女性がつけていた時計のようなものでは、GPS機能で何時にどこにいたというのもわかるようです。私は今どこにいるかしかわからないと思っていたのですが・・・。

う~ん、なんでも器械を使えばできる世の中です。

前の同僚でフォントにこだわる人がいました。彼は書類の字を見て、このフォントは美しいなどと言っていました。私はフォントなんてどうでもいいのにと思っていたのですが。
本の中にゴッサムというフォントが出てきました。本当にあるフォントなんですね。
「2000年にニューヨークのデザイナーTobias Frere-Jonesによって作られたサンセリフ書体。 米大統領選オバマ氏のPRにも用いられた書体」だそうです。

ルーシーが本文中で、「フォントは二十一世紀の文書鑑定の大事な要素の一つ」「どんなフォントが使われてるか、誰が特定の文書にそのフォントを選んだのはどうしてなのか。そこから重要なことがいろいろわかる」と言っています。
ゴッサムのフォントからは何がわかるのでしょうかね。ルーシー曰く、「この書体は安心感を与える」「人の信頼を得やすい」。だからオバマはゴッサムを選んだのですか。
どんな書体か見たかったら、ここへどうぞ。

ミステリーを読むだけでいろいろなことがわかり、得した気分です。

「検屍官」シリーズ、なんかいきずまっているようですので、次回は誰かが犠牲になるしかないかもしれませんね。
マリーノかルーシー?