リタ・メイ・ブラウン 『病院が嫌いな猫』2011/04/19

クロゼット郵便局長のメアリー・マイナー・ハリスティーン(ハリー)の飼い猫、ミセス・マーフィと灰色のデブ猫、ピュータ、そしてコーギー犬のティー・タッカーが活躍するシリーズの九作目です。


このシリーズの好きなところは、動物たちが人間を評するところです。例えば、

<人間は計算する。数をかぞえる。お金を数えたり、年齢を数える。奇妙なことに、人間は数えることに取り憑かれている。だから、三十になると心配しはじめる。ちょっと心配になる。四十になると、もっと心配になる。そんなの馬鹿げていると思わない?十五だろうといくつだろうと調子は悪い。ラリーのように快調だと思ったら、七十五だろうといくつだろうと快調でいられる。数には何の意味もない。人間は誕生日にまつわるすべての考えを捨てるべきだわ――わたしは本気でそう思っている。そんなものを持っていたら、いつまでも分別がつかない。捨てれば、もっと幸せになれる>
<人間は幸せを恐れるのよ>
<人間は悪いことが起こるのをひどく心配しているわ、ほんとは自分たちで起こしているのに>
<この際、自分たち人間には実生活をコントロールできるという考えは捨ててもらうしかないわね。人間には、もっと猫のようになってもらわないと>
<ハリーは馬のように考えることが必要だ。流れに従って生きることが>

「流れに従って生きる」ということは、まだまだ私にはできません。どうしてもコントロースしようとしてしまいます。そのためど壺にはまってしまうことが多いようです(泣)。

これまた本の中に出てきたのですが、『人間の成長は老いるにはあまりにも早く、賢くなるにはあまりにも遅い』というのは全くその通りと言いたくなります。

さて、今回は病院にまつわる話です。
クロゼット病院のボイラー室で、病院の設備管理主任が首を切り裂かれた死体で見つかります。
病院で何か不正が行われていたのかと保安官たちが捜査を始めます。
クロゼット病院に勤めている医師のラリーにも捜査の協力をお願いしたのですが、ラリーはキツネ狩りの後に何者かに撃たれて死んでしまいます。
ハリーたちにとってラリーは大切な人でした。ラリーのためにハリーは保安官代理のクープと共に捜査に協力することにしますが、ハリーの思い付きから二人は絶体絶命の危機に陥ってしまいます。

今回は残念ながらミステリーとしてはあまりおもしろくないです。しかし、アメリカで行われているキツネ狩りの様子に興味が持てました。イギリスとアメリカの違いでしょうか。アメリカのキツネ狩りは、馬に乗りキツネを追い詰めるだけで殺しはしません。その代りではないのでしょうが、美味しいもの好きの私としては一度キツネ狩りにお邪魔したいと思うほどの料理が出ます。その名も「キツネ狩りの日の朝食」。別に朝に食べるわけではなく、キツネ狩りが終わった後に食べる料理のことです。キツネ狩りに参加した人だけではなくて、招かれた人は誰でも食べに行っていいそうです。

ハリーが開催したキツネ狩りの日の朝食は、「ハムビスケット、コーンブレッド、燻製にした七面鳥、鹿肉のカラントソース、酢漬け卵、焼きたてのプンパーニッケル、生牡蠣、キバナスズシロのサラダ、アーモンドケーキ、ロースト・ポークロイン、ポテトケーキ、チェリーパイ、アップルパイ、シナモンバイズ、チョコレートケーキ・・・」

書ききれないぐらいの料理が出ます。
私が興味を持ったのがハムビスケット。普通のビスケットではないですよね。塩味のものらしいような。どうやって作るのでしょうか?ハムが入っているのかしら?

こういうミステリーを読むと、またペットが欲しくなりました。
今考えているのが、柴犬かシベリアンハスキー犬です。『動物のお医者さん』を読んで以来、ハスキー犬が好きなんですよ。
ハスキー犬ってこんな感じ(↓)です。大型犬なので、いっぱい食べそう。ちなみに名前は「ムサシ」にしようかと夫と話しています。
あ、その前に引越ししないと飼えませんわ。


コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2011/04/19/5815170/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。