インガー・アッシュ・ウルフ 『死を騙る男』2011/07/15



ヒロインは、なんと61歳の女性警部補ヘイゼル。
彼女の住んでいるカナダの小さな町にはたいした事件も起こらず、そのため統廃合の対象なので、警部補でありながら警察署長代理としてここ数年働いてきました。
彼女は離婚経験者で、離婚の原因は彼女の飲酒でした。夫は別の女性と暮らしています。
離婚後一緒に暮らし始めた母親は元町長。人生を楽しんでいます。娘にもう一度結婚してほしいと思っているようです。
ヘイゼルは背中を痛めており、その痛みに耐えて働いています。彼女にとって「痛み」が生きる証なのかもしれません。

そんな平和な町に、奇妙な殺人事件が起こります。
末期癌を患っていた81歳のディーリアが喉を切り裂かれ死んでいたのです。
この事件後、管轄違いの警察から連絡があり、現場に行くことになります。多発性硬化症を患っていたマイクル・アルマーが全身を毛布で包まれ、頭部をハンマーで砕かれて死んでいました。

一見関連のなさそうな事件なのですが、殺されたのはどちらも余命いくばくもない人で、他にも色々と共通することがあります。
ヘイゼルたちはこれは連続殺人事件ではないかと思い、同じような事件を探し始めます。


犯人の最期に納得がいかないのですが、この本の魅力はなんと言ってもヘイゼルです。
もっと彼女の過去を知りたいと思いました。シリーズになると嬉しいですね。