佐藤正午 『身の上話』2012/08/31



どんなに女主人公が理解できない行動をとっても、何故か読み進んでしまうのが佐藤正午の本です。この本も例外ではありません。

物語を語るのはミチルの夫。

ミチルは23歳まで、故郷の海に面した町の書店に勤めていました。宝石屋の息子の彼氏もいたのに、東京の出版社の社員と不倫関係になっていました。
彼女は同僚から宝くじを買って欲しいと頼まれた日に、不倫相手のバスを見送りにいき、衝動的にバスに乗り込み、東京までついて行ってしまいます。
その日のミチルは書店の制服を着ていて、持っていたのはお財布と携帯電話、ハンカチだけつめた小物入れだけ。
一日だけのつもりだったのに、いつしか彼女は東京に残ることにしてしまいます。
しばらくホテルやウィークリーマンションで暮らしていたのですが、お金が続かなくなったので、地元の幼馴染の武井輝夫のマンションに押しかけ、不思議な同居生活を始めます。

八月十二日、池袋にいたミチルは買っていたサマージャンボ宝くじの番号をみてもらいます。
なんと1等が当たっていました。
換金してから、いつ、どこにいても気になるのは1億円の入った通帳。
通帳を失くしてはいけないと思って、通帳の入れたリックを手離せなくなります。

そんな頃、宝くじを買って欲しいと頼まれていた同僚から電話がきます。
地元で1億円が当たったので、ミチルが買った宝くじの中に当たりくじがないかと聞いてきたのです。
実はミチルは知らずに1枚多く宝くじを買っていました。
当たりくじを抜いて、ハズレくじを送ったのですが、同僚はミチルを疑っているようです。

そして、思いがけない災いがミチルを襲います。

ホント、読んでいても、ミチルを始め他の登場人物のことが全く理解できませんでした。
普通なら読むのを止めてしまいそうなのに、何故読み続けてしまうのか、そこが佐藤正午だからなのでしょう。
東野圭吾なら途中で止めてたでしょう。

最後に驚きの(ネタバレになるので書きませんが)・・・。

ホント、佐藤正午の本はクセになります。

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