カミラ・レッグバリ『踊る骸』2013/05/08



子供が生まれ、しばらくエリカが子供の面倒を見ていたのですが、今度はパトリックが育児休暇を取ることになりました。
しかし、思ったほど執筆に集中できないエリカです。
というのも、屋根裏部屋で戦時中に母親が書いた日記と血のついた子供のセーター、そして、ナチスの勲章を見つけたからです。
母は何故エリカたち子供に愛情を注いでくれなかったのか。
その理由が知りたいと、エリカはずっと思っていました。
これらの物から母のことが少しはわかるでしょうか。

ちょうど、その頃、勲章の鑑定を依頼していた歴史家が殺されます。
彼は戦中、母が仲がよかった三人の友人のうちの一人で、彼らは何故か戦後は付き合いを絶っていました。
彼が殺されたのは戦時中の出来事と関係があるのではないか。
そう感じたエリカは彼らの過去を調べ始めます。

育児休暇を取ったはずのパトリックが子どもの散歩中にエリカに内緒で警察署に遊びにいき、捜査に加わっています。
そんなパトリックですから、エリカが彼の育児に対して憤慨しているのもわかります。
こういうことに進んでいそうなスエーデンなのに、どこの国でも男性が育児休暇を取るということが難しいということがわかりました(笑)。

このシリーズはどの本も七百ページ以上あり厚いのですが、おもしろく読めます。
北欧というと、家具やテキスタイルなどの印象から明るい国と思っていたのですが、このシリーズを読んでからは、色々な歴史のある、奥深い国であると思うようになりました。

母の過去を知った後、エリカたちにどんな人生が待っているのでしょうね。