近藤史恵 『シフォン・リボン・シフォン』2013/05/22



女なのに照れて、なかなか入っていけないのがランジェリー・ショップです。
デパートでも行きませんね。
じゃあ、どうやって下着を買うかというと、だいたい自分のサイズはわかっていますから、デパートなどのネットで買いますね。
本当はちゃんと身に着けて買わないと、ジャストサイズが買えないとはわかってはいても、行って店員さんと接するのが面倒なのです。
美容院に行くのが面倒と思うのと同じようなもんです。
女失格ですかぁ・・・?

くも膜下出血で半身不随になった母を義姉と一緒に介護しようと、かなえは故郷の町に戻り、ランジェリー・ショップをやり始めました。
彼女自身も乳がんを経験しています。
なんでランジェリー・ショップなのと言う母。
彼女の店では人の心にある鬱屈としたものを解き放すことができます。

親の介護をしているために自分の人生を踏み出せない女性が、親からの呪縛を自ら解いていく姿が素晴らしかったです。
自分で自分を大事にすること。
それが始まりなのです。

女性であることから来る人生の重みに、ともすれば潰されてしまう人がいます。
そういう人へのオマージュがこの本に書かれていると思います。