大崎梢 『プリティが多すぎる』2013/05/26



この頃、女性作家の本を結構読んでいる気がします。
昔は(いつだ?)作家というと男性が多かったのですが、最近は女性作家がいい本書いてます。
今、好きな作家はと聞かれると、女性作家の名前をあげる人が多いのではないでしょうか。

お仕事本というと、大崎さんの本屋シリーズが好きです。
他の本も読んでみたいなと思っていたところ、表紙がかわいすぎて、買うのは・・・と思っていた『プリティが多すぎる』が図書館にありました。
これは読むしかないというわけで、早速読んでみました。

新米編集者・佳孝は人事異動で「週刊千石」から、なんとローティーン向け月刊誌「ピピン」の編集部へ。
対象年齢中学生女子。
編集部へ行ってみると、男性は編集長と彼だけ。
編集部の部屋の中には中学生の女の子がかわいいという、佳孝には安っぽくて全くかわいいとは思えない代物がたくさんあります。
「週刊千石」の時は大学のサークルの仲間たちに自慢できたのに、「ピピン」などという月刊誌を編集してますなんて、言えない!

(「ピピン」ってダサいですねぇ。本当にあったら、売れないでしょう。
「pretty」「pop」「pure」「pipin」「女の子はPが好き」って主旨らしいので・・・)

ガッカリしつつも、空元気をだしつつ仕事をしていると、彼の気持ちを察している周りから「今は全く使えないのだから、早く一人前になりなさい」という暗黙の圧力をビンビン感じてしまいます。

女の私も中学生向けの雑誌を見ると(見たことないですが、たぶん)「なんじゃ、これ」と思うと思います。男性が見ると、もっとわかんないでしょうね。
佳孝の気持ち、わかります。

こんな佳孝が変わるきっかけになったのが、中学生や高校生のモデルたち。
「ピピン」を愛し、場を盛り上げ、絶対に泣き言をいわない彼女たち。
最初は彼女たちに胡散臭さを感じていたのですが、彼女たちと接するうちに、佳孝の彼女たちに対する見方も、そして、彼自身も変わっていきます。

表紙に引かないで、手に取ってください。
お仕事本に、これも入れますわ。