村上由佳 『おいしいコーヒーのいれ方 second season 1~3』2014/02/19



図書館に三冊置いてあったので、村上さんはどんな本を書くのだろうと思い借りてみました。
家でよくよく見てみると、second seasonと書いてあります。
あちゃー!
first seasonがあるということですね。
後書きを見ると、これから読んでもいいような感じなので読みましたよ。

first seasonの内容はというと、親の転勤でいとこたちと暮らし始めた勝利はいつしか5歳年上で彼の高校で美術教師をしているいとこのかれんを好きになります。
実は彼女は勝利の血のつながったいとこではありませんでした。
色々と二人の間にはあったのですが(省略させていただきます)、かれんとつき合い始めることができました。

second seasonでは、かれんが教師を辞めて、彼女の実の祖母が入居している鴨川の施設で介護の勉強をするために働き始めます。
遠距離恋愛になり、かれんと会えなくて苦悶する勝利です。

ようするにこの物語は恋する男女の間に起こるもろもろのことを丁寧に描いた作品です。
二人とも今時の子の割には誠実で真剣に恋愛しています。
恋愛に擦れたおばさんではなくて、若い人が読むといいんではないでしょうか。
読んでいると自分にはこんなピュアな気持ちがないなと思います。
こんなこと考えて恋愛している人はそんなにいないでしょう。
流石、作家と尊敬してしまいます。
あ、こういうのがダメなんですね。

本の中にあった、なるほどと思った言葉を書いておきましょう。

「男と女が、ほんとうに心から満ち足りて抱き合うために必要なのは、<愛情>以上に<信頼>なのだ」

「記憶の生き物なんだな、人間って」

勝利とかれんの間には、これからも色々と起こるでしょう。
彼らはどのように問題をクリアしていくのでしょうね。
そうそう、一番恋愛が楽しかった時のことを思い出しながら読むといいかも。
私は恋愛よりも犬ラブでいいですけれど・・・。