佐々木譲 『警官の血』2015/10/08



終戦後から現代に渡る三代の警官の話。

昭和23年、安城清二は家族を養うために警官になることを決意します。
簡単な試験の後、無事に採用されることになり、駐在所勤務を希望していたのですが、上野警察署の巡査となります。
上野公園の不忍池で顔見知りの男娼ミドリが殺され、事件は未解決となります。
その4年後、谷中墓地で国鉄職員の男性が殺される事件があり、ミドリの事件と同じように未解決になります。
清二が聞き込みをしたところ、彼らは警官と接触を持っていたことがわかりました。
その後、手柄をたてたため希望の駐在所勤務になったのですが、天王寺の五重塔の火事の時に現場からいなくなり、次の日に芋坂跨線橋から転落し列車に轢かれ亡くなっているのが見つかり、事故として処理されます。

二代目の民雄は頭のいいのを見込まれ、北海道大学で赤軍派の潜入捜査をすることになります。
過酷な潜入捜査のため精神的に病んでしまい、妻に暴力を振るうようになっていました。
清二と同期だったおじのおかげで父親と同じ駐在所勤務となりますが、父親の死の真実をつきとめた日に、立て籠もり事件の被害者となってしまいます。

三代目の和也は警視庁刑事部捜査第四課に配属になりましたが、警務部の命で、暴力団との繫がりを疑われている加賀谷の素行調査をすることになります。
加賀谷は高級スーツを着て高級車を乗り回し、女をはべらせ、独自の情報ルートを開拓していました。
和也は加賀谷と一緒に行動するうちに彼に憧れにも似た気持ちを持ちますが、命令に背くわけにはいきません。
和也は命令通り加賀谷を裏切り、その過程で祖父と父の死の真相を知ることになります。

警察小説は好きですが、警察の軍隊のような非人情な縦社会は嫌ですわ。
三代に渡る警官の話なのですが、なんか繋がっているという感じがあまりしませんでした。
特に三代目の和也は別物という感じです。
といっておもしろくないというわけではありません。
和也が別の人格で、捜査の合間に祖父と父のことを独自に調べて行くと言う心温まる話ならよかったのですが・・・。
加賀谷のことって次に続けるために必要なだけだったのではないのかしら。


我家の犬たちは散歩が大好き。
外に出るとものすごい勢いでリードを引っ張り走ろうとします。
それを止めようとしていたら、もともと悪い腰の調子がもっと悪くなりました。
鍼のセンセイは骨がずれていると言っています。
仕方ないので、夫のいない平日は庭で遊ばせることにしています。

兄は弟を追いかけます。


弟はいつも逃げています。


睨み合っていても、結局哀願調になります。


仲がいいのか悪いのか?