ウィリアム・ケント・クルーガー 『ありふれた祈り』2016/01/05



1961年、ミネソタ州の田舎町に住んでいる13歳のフランクの目から見た悲劇が淡々と描かれています。

弁護士を目指していたのに、従軍して帰ってきてから牧師になった父。
父の弁護士としての成功を望んでいたのに、牧師の妻になり不満を抱いている芸術家肌の母。
音楽の才能があり、ジュリアードに行くことになっている、家族の期待の星で美しい姉。
フランクと仲のいいどもりの弟。
平凡ながら幸せに暮らしていたフランクたちでしたが、ある少年が電車に轢かれて亡くなってから、彼らの人生は変わっていきます。

母の姉にばかり向かう愛情を見ながら、淋しさを感じる少年たち。
弟はどもるために人から軽んじられ、からかわれるけれど、彼はじっと人を観察しています。
一方兄は大人の世界に興味があり、大人たちの会話を盗み聞きし、起こったことのすべてを知ろうとします。
知ることは必ずしも彼らにとっていいことではないのに。

ミステリーではあるけれど、アメリカに住む少年の家族の再生の物語でもあります。



赤いハートの他に黄色いボールもお気に入りです。
でも、同じ遊びに飽きてきたような感じです。