近藤史恵 『昨日の海は』2016/01/22



高校最初の夏休み。
小さな海辺の町にある光介の家に、東京から母の姉・芹とその娘・双葉がやってきました。
彼女たちは元カメラ屋だった家の二階にこれからしばらく暮すといいます。
光介は祖父母が早くに亡くなったので芹が東京で仕事をして妹の学費を払っていたと聞いていました。
ところが祖父母の死には秘密があったのです。
芹は光介に祖父母は借金に困って海に入り無理心中した。どちらかがどちらかを殺したのだ。私はここで生きていくために祖父母の死の真相をつきとめるから手伝って欲しいと言うのです。
光介の生活は一転します。
カメラマンであった祖父とそのモデルであった祖母の間に一体何があったのか。
光介は調べ始めます。

ミステリではありますが、それ以上に田舎で暮らす男子高校生の生活が生き生きと描かれています。
同じように田舎で暮らした私の生活はもっと暗かったなぁ。
海なんかなかったもの(笑)。
唯一美しかったのは冬の雪景色だけか。
すべての謎は解けていないけれど、青春小説として読めばおもしろいでしょう。

ネットを見て気づきましたが、この作品、NHKFMでオーディオドラマとして放送されているのですね。
放送は今日が最終回のようです。
気付くのが遅かった・・・。