ジェフリー・ディーヴァ― 『スキン・コレクター』2016/02/02



科学捜査官リンカーン・ライム・シリーズ。

ウォッチメーカーが獄死したという連絡が来た頃、腹部に謎の文字のタトゥーを入れられて死んでいる女性が見つかります。
犯人はインクの代わりに毒物で文字を彫っていました。
証拠物件も少なく、残された紙片から犯人がボーンコレクター事件に興味があるということがわかりました。
犯人は何を意図しているのか。
ライムが犯人に挑みます。

相変わらずのどんでん返し。
そうくるかという感じです。
全然予想していませんでした。
次につながる終わり方なので、次回を楽しみにしましょうっと。



弟犬はこの頃情緒不安定(?)。
変な時に吠えます。
何で吠えているのかわかりません。
どうも音が気になるようです。
例えば麺をすする音、炒める音、ひっかく音・・・。
一方兄は全く気にしません。

お留守番している時に、兄にはラジオを聞かせていました。
今はそういうことをしていません。
その違いかしら?

柚月裕子 『孤狼の血』2016/02/05



広島大学を卒業し、一般の警察官採用試験を受け警察官になった日岡秀一は、交番勤務一年、機動隊二年を務めた後、呉原東署捜査二課の凄腕マル暴刑事、大上章吾の下で働くことになりました。
大上は警察表彰を何度も受けている反面、ヤクザとの癒着が噂されており、訓戒処分回数もワーストと言われていました。
大上の違法行為を繰り返すやり方に戸惑いながらも、いつしか日岡は大上の姿に魅了されていきます。

日岡たちは暴力団系列の金融会社社員の失踪事件を調べており、その事件を突破口にして暴力団を壊滅させようと考えますが、そこには暴力団間の色々な思惑があり、抗争が勃発しそうな危ない状況になります。
衝突を食い止めるために大上は奔走するのですが・・・。

やっぱりと思うこともあったり、こういう風にマル暴刑事はできあがっていくのかと納得したり。
ちょっと私にはついていけない話でした。
男と男の闘いと熱い友情(?)。
女性の描くハードボイルドです。



飽きもせずに何回も持ってこい遊びをする弟。
このような必死さが人間にも必要かもしれませんね。


門井慶喜 『こちら警視庁美術犯罪捜査班』2016/02/06



やめればいいのに、またまた門井さんを期待を持って読んでしまいました。

新米刑事、三田村豪気が配属されたのが、全く専門外の捜査二課美術犯罪捜査班。
上司はバツイチ、子持ちの岸すみれ。
彼女にあきれられながらも、頑張って美術品についての知識を詰め込もうと努力するのですが・・・。

彼らが挑むのが、詐欺ビジネスを続けている美術品販売会社。
若い社員を使い、美術に疎い人たちを狙います。
美術品はレンブラントのエッチング、ロダンの彫像、仏像、キリコやゴッホの画。

この中ではキリコって知らない人が多いかも知れませんね。
彼の人となりは知らなかったので、「へぇ~」と思いながら読みました。
キリコに関して本文ではこう書いてあります。

「美術のくろうとなら誰でも知っていて、しかもしろうとは誰も知らないという絶妙のこの有名性ないし無名性は、それなりに頭のかしこさを自任する日本の客にはぴったりと自尊心を満足させるものだったのだ」

絶対に詐欺になんかあわないぞ~、とは言っていても、年をとって人恋しくなったらわかりませんね。
気をつけましょう。

がっつりした美術系ミステリを読みたい方は読まない方がいいでしょう。
コメディタッチのミステリです。



この頃、珈琲よりも紅茶を飲むことが増えました。
どちらもカフェインがあるのですが、珈琲は紅茶の2.5倍だとか。
茶葉を買うついでにランチもしてみました。


写っていませんが、紅茶はダージリンのロイヤルミルクティ。
メインはマッシュポテトとひき肉のグラタン。

隣の親子が仲良くアフタヌーンティをしていました。
「アリスのアフタヌーンティ」だそうです。
かわいらしいです。

帚木蓬生 『悲素』2016/02/07



精神科医をしているので、お金の心配をしなくていいから好きなものを書いているという帚木さんの書いたものは、1998年に起きた和歌山毒物カレー事件です。
ジャーナリストが書いたものとは一線を画しています。
帚木さんはこの事件に関わった医師の目線から書いています。

夏祭り会場でカレーを食べた人たちがつぎつぎと強烈な吐き気と腹痛に襲われ、病院に搬送されます。
最初は食中毒ではないかと思われたのですが、あまりに早い症状の出現のため青酸化合物の混入が疑われましたが、後に砒素であることがわかります。
被害者は67名で、そのうちの4名が亡くなりました。
逮捕されたのが現場近くに住む主婦。
調べていくと、彼女の周りには夫を初めとして不審な通院や入院をしている人たちがいて、彼女はそのたびに高額な保険金を手に入れていたのです。

九州大学医学部衛生学教室教授の沢井直尚(モデルは九州大学名誉教授井上尚英)は事件から一カ月後、和歌山県警から要請を受け、この事件に関わることになります。
彼は松本サリン事件や地下鉄サリン事件に関与していました。
大学の同僚たちの助けを借りながら、彼は福岡と和歌山を何度も往復し、被害者を診察して急性砒素中毒の症状を確認していきます。

ノンフィクションと思うような内容です。
こういう医師たちの存在が日本の医療現場の希望になってくれます。
被害者の方々は未だにカレーが食べられなく、給食にもカレーはでないそうです。
何年経っても被害者とその家族は事件を忘れることはできないのです。



犬たちは寒くても遊ぶのが大好きです。


いつ外に行けるのか、ママが立ち上がるたびに期待します。

宇江佐真理 『名もなき日々を』2016/02/10



髪結い伊三次シリーズを次々と読み進めていました。
この本は12冊目。
後、2冊で作者が亡くなったために終わりとなります。

伊三次が芸者のお文と所帯を持ち、息子と娘が生まれ、子供たちはそれぞれの道を歩き始めています。
一方、不破家も伊三次と同じように息子と娘に恵まれ、息子は嫁を取り、北町奉行所臨時廻り同心になりました。
娘は嫁入りを嫌がり、松前藩に奉公へ出ます。

こういう本だと主人公がなかなか年を取らずにいることが多いのですが、この本は違い、登場人物がだんだんと年を取っていきます。
途中で10年も時が経ってしまったことにびっくりしましたが、それぐらいしないと人の一生って書けませんものね。
それでも作者が亡くなってしまい、中途半端に終わってしまいましたが。

今までの本には後書きがあり、いかに飽きさせないようにしているかが書いてあったりして、なるほどと思ったりしました。
『明日のことは知らず』の後書きで宇江佐さんは自分が癌であることを告白していました。
この本に後書きがないのが残念です。

このシリーズはドラマ化されているのかしら?

ランチで究極の軍鶏の親子丼を頼んだら・・・。


なんと生卵がのっていて、白身が気持ち悪くて食べられませんでした。
親子丼、好きなんだけれどね。

M.C. ビートン 『アガサ・レーズンと死を呼ぶ泉』2016/02/12

アガサ・レーズン・シリーズの七作目。


結婚式がとんでもない結果になり、それ以来ジェームズと疎遠になってしまったアガサですが、それでもジェームズのことが忘れられないようです。

そんな時に、近くのアンクーム村の泉の水をミネラルウォーターとして売り出そうとする会社が現れました。
アガサにその会社のPRを担当しないかとの話が舞い込みます。
一度は断ったのですが気になって泉まで行ってみると・・・また死体を見つけてしまいます。
死体はアンクローム教区会の議長で、アンクローム教区は泉の水を売るかどうかで激しい議論が戦われていました。
事件の真相を知りたいアガサはミネラルウォーター会社のPRの仕事を引き受けることにします。

いつもはジェームズと二人で行動して事件を探るのに、今回は二人とも意地をはってしまい、別々に行動してしまいます。
アガサは年下のミネラルウォーター会社の経営者と仲良くなり、前回のチャールズの時と同様にジェームズの怒りに火をつけたようです。
アガサって意外と(失礼)年下の男性にもてるんですよ。

ジェームズとの間はこれからも波瀾万丈という感じです。


兄犬と弟犬の性格の違いがよくわかるのが、これです。


段ボールの中に兄を入れると、こういう風にジッと座っています。
ところが弟を入れると、すぐに出てしまいます。

二匹を足して割るといいかもしれないですね(笑)。

海堂尊 『スカラムーシュ・ムーン』2016/02/13



海堂ワールドは私にはだんだんとわからなくなってきています。
一年ぐらい読むのがあいちゃっているので、出てくる人がどのシリーズの誰だっけなんてことになっちゃうからです。
今回でてくるのは、彦根先生。
彦根先生ってどの本にでていましたっけ?
2011年発売の『ナニワ・モンスター』ですが。
これはその続きみたいなもんですね。

彦根は厚生官僚がしかけてくると思われるワクチン不足に対抗するために、新たなるワクチン製造の要になる有精卵の供給先を確保します。
これに関わるのが、今時のおバカな大学院生たち。
彼らがどのように成長し、ビジネスを展開していくのかという話が今までとは違う感じです。

ワクチンを確保しつつ、彦根は大阪府知事の村雨を取り込み、西日本連盟を作り、医療を主体とした国家を成立させようと世界を飛び回ります。
でも、結局は・・・。
ネタバレになるので書きませんが、いろいろとあり、次回に続きます。

相関図が私の限界を超えています
一体話はどこまで広がっていくのかわかりません。
私は初期の田口・白鳥シリーズが一番好きですね。
読むのがだんだん辛くなっていますので、次作品は読むかどうかわかりませんわ。




ちょっとボケたけれど、跳んでる姿が撮れました。
胴体が長く足が短いので、あまり美しくないですが、飛び跳ねる力は兄よりあります。

宇江佐真理 『昨日のまこと、今日のうそ』2016/02/14

一応ヴァレンタインデーなので、夫にチョコをあげました。
日本ではここでしか売っていませんというのを買ったのですが、本当かな?


暗いところで撮ったので、あまり美味しそうに見えませんが、ベルギーのショコラティエ(エルマン・ヴァンデンダ―)作のチョコです。
ハートのチョコがフランボワーズ(かな?)の味がふんわりと漂ってきて美味しかったです。



髪結い伊三次捕物余話シリーズ13作目。
伊三次も40代になり、話は子供たちの世代に重きが置かれています。
この本では、不破家の龍之進ときいの夫婦に待望の子が生まれ、松前藩に奉公に出ていた茜は側室にという話がまた出ます。
伊三次の子共の伊与太は才能のある新弟子を見て、自分の絵に迷いがでてきますが、あの北斎に助けられます。
そして、伊三次の弟子の九兵衛は魚問屋のおてんと・・・。

きっぷのいいお文さんがあまり出てこないので、ちょっぴりさびしいです。
親たちはそろそろのんびり引退という感じなのでしょうね。


かわいいお尻。


今日は雨なので、家で遊ぶしかなさそうです。

碧野圭 『菜の花食堂のささやかな事件簿』2016/02/16



書店ガール』を書いた碧野さんが今度は食べ物を扱った人の死なないミステリを書きました。

優希は派遣社員ですが、過去に職場でいじめに遭うという辛い思いをしてきました。
そういう時に出会った菜の花食堂のオーナーの靖子先生が開く料理教室の助手を月に2回しています。
靖子先生はおっとりとした明るい笑顔の人で、彼女が作る料理とレシピにはファンが多いのです。

料理教室に通う人たちの間に起こった謎の出来事を、靖子先生が解いていきます。

娘に会いにいった靖子先生のその後が次に続きそうです。

できれば、アメリカのコージーミステリにあるように、本にでてきた料理のレシピが載っていればいいのにと思いました。


数日、庭を見ていなかったら、クリスマスローズが咲いていました。


白いクリスマスローズは犬に食べられた後、咲いていません。


ホント、やんちゃな犬たちです。

「はじまりのうた」を観る2016/02/19



久しぶりの音楽映画、楽しかったです。

元敏腕音楽プロデューサーで、妻の浮気からアル中になり家を出たダンがレコード会社を首になった日に、ふと入ったライブハウスでグレタの歌を聴き、彼女に惚れ込みアルバムを作ろうと持ちかけます。

グレタは恋人デイヴと共作した曲が映画でつかわれたのを機に一緒にロンドンからニューヨークにやってきたのですが、デイヴだけが注目され有名になります。
そして、お決まり(かな?)の浮気。
デイヴに浮気をされ、家を飛び出し友人のアパートに居候。
その時にライブハウスで歌を歌った後にダンに話しかけられます。

同じように失意の時を過ごしている二人はお金がなかったので(笑)、ニューヨークのあちこちで演奏し、アルバムを作ることにします。


キーラ・ナイトレイって歌が上手いんですねぇ。
デイヴ役の人(Adam Levine)はやっぱり歌手でした。
マルーン5って知りませんでしたけどね。
あのシャラポワを初めとして色々なモデルと浮名を流したことのあるイケメンとのことです。
2013年の「世界一セクシーな男」だそう。
彼の歌う”Lost Stars"は素敵です。

デイヴにまた一緒に歌を作っていかないかと言われたけれど、二人の目指すところが違うと悟ったグレタ。
はたしてグレタはこの後どうなったのか。
ちょっと気になりました。

今、サウンドトラック買おうかどうか迷っています。
音楽好きにはうれしい映画です。