安東能明 『伴連れ』2016/05/22



撃てない警官』、『出署せず』に続く柴崎令司警部シリーズの三作目で、五つの短編が入っています。

今回は柴崎警部が綾瀬署盗犯第二係の高野朋美巡査と関わることにより、彼女が刑事として成長していく様子が書かれています。

最初は警察手帳を摺られるという不祥事で柴崎が高野と関わるのですが、彼が現場に行き色々と調べるうちに、ただの不祥事ではないことがわかっていきます。
このことをきっかけに、事件が起こるたびに柴崎は高野を庇護することになります。

一作目では自分を陥れた上司に復讐を企てていたはずなのに、柴崎警部はだんだんと綾瀬署での仕事におもしろさを感じ、本庁での椅子が空いたという誘いを断るまでになっています。
やっぱり警察官は善であって欲しいですものね。

私的には最後の「伴連れ」に色々と思う所がありました。