北村薫 『八月の六日間』2016/07/09

この頃、仕事が忙しいので、ブログを書く時間と体力がありませんでした。
おもしろかった本を紹介して、その後に記憶にあるのだけちょこっと書いておきます。


大学時代にワンゲル部に入っていた私は、読み進むうちにその時のことをありありと思い出していました。
軟弱ワンゲルだったので、せいぜい一泊二日、二泊三日の行程でしかありませんでしたが、もう二度とできない何事にもかえがたいいい経験をしたと思います。
今はもう山には行きません、いえ、行けません・・・。
何年か前に職場の同僚と山に行き、具合が悪くなってから、人に迷惑をかけるようになったので止めたのです。
若くて体力のあるうちにできることは何でもしておくこと。
それが大事だなと思います。

驚いたことに、北村さんは山に登らずにこの本を書いたのだそうです。
流石作家。

主人公の雑誌の副編集長(途中で編集長になります)の「わたし」は、ひょんなことから同僚に山を誘われ、それから山登りを始めます。
人とつるむことが苦手なので、山に行くときは常に一人。
彼女は仕事のストレスなど、日常から逃れるために山登りをするという感じです。
都会の猥雑さの中にいると、ついつい流されてしまいますから、自然の中に入り、自分と向き合う時間というのが必要なのかもしれませんね。

本の中になるほどと思える言葉がちりばめられています。
結構こういう言葉を集めるのが好きです。

「先入観、思い込みが、本質を離れて人をおとしめるようなことは珍しくない」
「若手を育てるには≪待つ≫度量がなくてはいけない」
「先に進めず、迷っている道から、ちょっとずれてみる。そういうことの大切さを、山が教えてくれた」
「編集者の仕事とは、作家という鍵穴に、代え難い鍵をさすことだと思い知る」
「人は、無限の時の一瞬を生きる。自分だけでは、およそ何事もなし得ない。だが後から同じ道を歩いてくれる人がいる。それは大きな――慰めとはいわない、それ以上の救いだ」

アラフォ―の疲れたあなた。
読んでみてください。
山に登りたくなるかもしれませんが、高尾山ぐらいにしておいて、くれぐれもこの本の中の山には行かないでください。
簡単な初心者向きの山ではありませんから。


【読んだ本リスト】(覚えているもののみ)
高橋克彦『かげゑ歌麿』 
歌麿、平賀源内、北斎などおなじみの面々が活躍するシリーズ。

鳴海章『刑事道』『カタギ』 
おなじみ浅草機動捜査隊シリーズ。辰見の退職も間近。

逢坂剛 『さまよえる脳髄』 
左脳と右脳の不思議。ミステリとしては・・・。

風野真知雄 『わるじい秘剣帖 ないないば 四』
      『大名やくざ 将軍死んでもらいます 8』
どちらのシリーズも題名がおもしろいですね。
わるじいもそろそろ終わりに近づき、桃太郎は孫の面倒をこれからも見ていられるのか、と次が待たれます。
『大名やくざ』もとりあえず、綱吉の時代が終わり、シリーズも一休みという感じです。

太田詩織 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』シリーズ1~7
ライトノベルですが、はまりました。
普通の高校生の男の子、正太郎と20代後半の骨フェチ女性、櫻子のお話。
櫻子が正太郎を連れに日常に潜む謎を解いていきます。
舞台が旭川で、知っている場所が出てくるので親近感がわきます。

秋吉理香子 『聖母』
スーパーで幼稚園児が行方不明になり、死体で見つかる。
不妊治療のすえにやっと生まれた娘が狙われないかと恐れる主婦。
一見すがすがしい高校生だが、実は殺人者。
犯人を追う中年刑事と若い女性刑事。
何か変、と思いながら読んでいくと、そうかと納得。
母の愛はなによりも強い?

もっと読んだような気がしますが、こんな感じでしょう。


ママの仕事が忙しくて、不満な犬です。

だいぶ白くなりました2016/07/10

久しぶりに犬たちを庭で遊ばせました。
庭の木に消毒液をかけたので、犬が葉っぱや芝を食べたら大変なので、しばらく遊ばせていませんでした。
私の時は二匹一緒ですが、夫は一匹ずつにします。
まず、最初に弟から。


ヨーキーは毛の色が変わります。
いつのまにか頭以外は白く(シルバー?)に変わっています。


私だと野球ボールで遊ぶのですが、夫は黄色いおもちゃを使いました。


なんとなく、顔と胴体の色が合わないような・・・。

この前、獣医さんのところでワクチンをした時に体重を測ったら、3.12㎏もありました。(兄と同じ体重になりました)
ヨーキーのスタンダードからはずれそうです。

兄は弟の唾液のついたおもちゃは嫌がります。
職場の人がくれたテニスボールを使うと、喜んで遊びます。


兄はなかなか止まらないので、写真が撮れません。


わざとこんな風にボールを口から離し、こちらが取るのを待っています。


夫がボールを取るとボールをよこせと向かってきます。
面倒な兄です。

人間たちは鰻を食べに行ってきました。


我々は「中」の鰻重にしたのに、やってくる高齢者の方々はみなさん「上」の鰻重を頼んでいます。
歳をとると、あまり食べられなくなるというのは嘘っぽいですね。

宮下奈都 『窓の向こうのガーシュウィン』2016/07/15

仕事が忙しくなり、ブログは週末ぐらいしか書けなくなりました。

「夏がく~ると・・・」我家の犬の寝相が悪くなります。
ハウスに入れた新品のクッションを外に出して寝ています。
犬も新しい物が好きなんですね。


頭が落ちてます。
そのうちに・・・。


おみぐるしい姿をお見せいたしました(笑)。




本屋大賞を取った『羊と鋼の森』は図書館予約が相当ありそうなので、もう少し待つことにし、他の本を読んでみました。
『太陽のパスタ、豆のスープ』は読んでいたのですが、それほどでもなかったのか、記憶に残っていません・・・。
この本は好きです。

未熟児で生まれ、両親は無知ゆえに保育器を拒否。そのため脳の機能障害(?)が残ったらしい主人公の「私」のお話。

「私」は家庭にも恵まれず、19歳になるまで周りとうまく溶け込めずに来ました。
訪問介護ヘルパーの仕事を始めるのですが、相手が何を言っているのかがわからず、ちゃんと仕事ができないので、2回目は断られる始末。
しかし、一軒だけ、彼女を受け入れてくれる所がありました。
元教師の横江先生の家でした。

息子らしい額装家の手伝いをするようになり、同級生だった孫と再会し、やっと自分の居場所を見つけられた「私」でした。

横江先生のような先生っていいですね。
彼にとって「私」は優しく育んで、心の成長を促し、社会にそっと送り出してあげる生徒のような存在
そういう先生って今いるのかな?
35人から40人ぐらいの子どもたちの中には「私」のような子がいて、先生一人では見きれないですよね。
そのための手段を講じているのはわかっていますが、見きれていないような気がします。
「私」は幸運にも横江先生に出会ったけれど、そういう人に出会えないことがありますよね。
物語だからと言ってしまえばお仕舞ですが。

この本で印象的に使われているのが、ガーシュウィンの「サマータイム」です。

Summertime
Summertime and the living is easy
Fish are jumpin’ an’ the cotton is high
Oh Yo’ daddy’s rich an’ yo’ Ma is good-lookin’
So hush litte baby,baby don’t yo’ cry

One of these mornin’s you goin’ to rise up singin’
Then you’ll spread yo’ wings an’ you’ll take the sky
But till that mornin’s a nothin’ can harm you
With daddy an’ mammy standin’ by

夏の炎天下、綿花畑の中の掘っ立て小屋の前に座って子どもをあやしている黒人女性の姿が浮かんでくる歌ですね。
この歌が本の中でどう使われているのかは読んでのお楽しみ。

宮下さんの本をもう一冊、読んでみました。


それぞれの主人公たちが、美味しくて評判の予約が取れないレストラン、「ハライ」に予約するまでの出来事を描いた短編集です。

いいなと思った言葉は、「失敗自体は病じゃないんだ。絶望さえしなければいいんだ」です。
失敗してもくじけず、頑張る。
そして、また失敗しても、負けずに進む。
そのうちに何かを得ることができるさ。
そう思って生きていくしかないですものね。

次は彼女の処女作の『スコーレNo.4』でも読んでみようと思います。

またまた変な寝姿が・・・2016/07/16

暑くなると、よくひっくり返って寝る兄犬。
昨夜はハウスの中でやってました。


頭が何故ハウスから出ているのか?
薄目を開けているのが不思議です。


普通にしていると、こんなんですが。
同じ犬とは思えない・・・かな?

小川洋子 『密やかな結晶』2016/07/17

毎晩、笑わしてくれる兄犬の寝姿です。


また頭がハウスから出ています。



小川ワールド満載の本です。

何かが消滅していく島に住んでいる「私」。
次は何が、いつ消滅するのか、わかりません。
消滅することになった物は捨てなくてはなりません。

彫刻家だった母は記憶が消滅しない人だったため、秘密警察の記憶狩りにあい、どこかに連れさられ、死体になって戻ってきました。
彼女は消滅した物を彫刻の中に隠していました。

小説を書いている「私」はフェリーにすむおじさんと話すことを楽しみに暮らしていました。

ある日、出版社の編集者R氏が記憶を失くさない人であることを知り、おじさんの助けを借り、彼を自宅に匿うことにします。
その間にも消滅は進み、やがて、身体にまで及んできます・・・。

人間が死んで残るのは、生きている人の記憶の中だけ。
記憶って人間が人間である証なのでしょうね。


<今まで読んだ本>
似鳥鶏 『レジまでの推理 本屋さんの名探偵』
大崎さんの威風堂シリーズをおもわせる本です。
この本で紹介していた『暴れん坊本屋さん』も読みました。
本屋って大変な仕事ですね。

長岡弘樹 『教場 2』
読むたびに、警官なんかなるものじゃないと思ってしまいます。
なんか警察学校の非人間的なところが嫌なんです。
前回と比べると、面白さが半減してます。

福田和代 『緑衣のメトセラ』
フリーライターの小暮アキは母の介護をしながら貧困ギリギリの生活をしいられていました。
ある日、近所の介護施設の入居者にガン患者が多いと聞き、調べてみると、この介護施設を経営している病院の秘密を知ることになります。
科学ミステリだそうですが、最後が・・・。

月村了衛 『ガンルージュ』
群馬の小さな温泉郷で、韓国人男性を拉致する現場を見た中学生二人が武装集団に捕えられてしまいます。
元ロッカーで今は中学校体育教師の美晴と中学生男子の母で元警視庁公安部に勤めていた律子は、二人を助けるために武装集団を追跡します。
武装集団のリーダーと律子にはある因縁が・・・。
こんなことないよね。
そう思いながらも、二人の女子のすごさに圧倒されました。