小川洋子 『密やかな結晶』と他に読んだ本2016/07/17

毎晩、笑わしてくれる兄犬の寝姿です。


また頭がハウスから出ています。



小川ワールド満載の本です。

何かが消滅していく島に住んでいる「私」。
次は何が、いつ消滅するのか、わかりません。
消滅することになった物は捨てなくてはなりません。

彫刻家だった母は記憶が消滅しない人だったため、秘密警察の記憶狩りにあい、どこかに連れさられ、死体になって戻ってきました。
彼女は消滅した物を彫刻の中に隠していました。

小説を書いている「私」はフェリーにすむおじさんと話すことを楽しみに暮らしていました。

ある日、出版社の編集者R氏が記憶を失くさない人であることを知り、おじさんの助けを借り、彼を自宅に匿うことにします。
その間にも消滅は進み、やがて、身体にまで及んできます・・・。

人間が死んで残るのは、生きている人の記憶の中だけ。
記憶って人間が人間である証なのでしょうね。


<今まで読んだ本>
似鳥鶏 『レジまでの推理 本屋さんの名探偵』
大崎さんの威風堂シリーズをおもわせる本です。
この本で紹介していた『暴れん坊本屋さん』も読みました。
本屋って大変な仕事ですね。

長岡弘樹 『教場 2』
読むたびに、警官なんかなるものじゃないと思ってしまいます。
なんか警察学校の非人間的なところが嫌なんです。
前回と比べると、面白さが半減してます。

福田和代 『緑衣のメトセラ』
フリーライターの小暮アキは母の介護をしながら貧困ギリギリの生活をしいられていました。
ある日、近所の介護施設の入居者にガン患者が多いと聞き、調べてみると、この介護施設を経営している病院の秘密を知ることになります。
科学ミステリだそうですが、最後が・・・。

月村了衛 『ガンルージュ』
群馬の小さな温泉郷で、韓国人男性を拉致する現場を見た中学生二人が武装集団に捕えられてしまいます。
元ロッカーで今は中学校体育教師の美晴と中学生男子の母で元警視庁公安部に勤めていた律子は、二人を助けるために武装集団を追跡します。
武装集団のリーダーと律子にはある因縁が・・・。
こんなことないよね。
そう思いながらも、二人の女子のすごさに圧倒されました。


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