有栖川有栖 『鍵の掛かった男』2016/09/01



初めて読む、作家アリスシリーズです。
アリスというから女かと思ったら、男でした。
探偵役の犯罪学者・火村英夫と、その助手役の推理作家・有栖川有栖が事件の謎を解いていくというシリーズ(らしい)。
最新作を読んだのですが、途中から読んでも問題ありません。

名前を知っている程度の女流作家から、ある男が自殺をしたと言われているが、自殺をするような人ではないので、調べて欲しいという依頼がきます。
死んだ男は梨田稔といい、大阪の中之島のプチホテルのスウィートに長期滞在をしていました。
彼のことをいい人だと、ホテルの従業員もホテルのゲストもみな言うのですが、彼の過去を知っている人は誰一人としていませんでした。
彼の過去には鍵がかけられていたのです。
火村が大学入試で忙しいので、アリスは一人、ホテルに乗り込み、梨田の過去を調べていきます。
肝心の自殺か他殺かは、後から来た火村に解かれちゃいますが、それも愛嬌かな。

梨田という男の過去が次々と解かれていくところがおもしろかったです。
読む本がない時に、作家アリスシリーズでも読んでみますわ。


堂場瞬一 『二度泣いた少女 警視庁犯罪被害者支援課3』2016/09/02



今回は頭が出ている兄犬の寝相。
夏は暑いので、こんなになるのでしょうかね(笑)。



警視庁犯罪被害者支援課シリーズの三作目。

父親が殺されていると娘から通報があったと支援課に電話がはいる。
娘の名前を聞き、支援員の松本優里は衝撃を受ける。
その少女が父親を殺されるのが二度目なのだ。

少女の父親は八年前に殺されていた。
今回殺されたのは義父だった。

村野はとりあえず安藤梓を連れて、被害者の娘、青木那奈に会いにいく。
那奈はショックを受けている母親の側で涙も見せずにいた。
そのため特捜は那奈を容疑者として扱う。
頭にきた支援課の面々は本橋課長の許しを得て、独自に事件を調べることにする。

管理職として本橋課長はいい見本です。
被害者に寄り添い過ぎてはいけない支援員はつらいですね。

堂場さんのシリーズ物では「アナザーフェイス」シリーズが一番好きですが、二番目は支援課シリーズです。
主人公は万能ではなくて、何か負い目がある方がいいですね。

今井絵美子 『永遠に 立場茶屋おりき』2016/09/04



立場茶屋おりき・シリーズも最終巻になりました。
先代おりきの孫娘・里実が現れ、女中見習となりました。
里実はよくできた娘で、おりきの後継ぎとしてはぴったりな娘でした。
おりきが養子縁組をしたおきちは実の兄の結婚式に出席しに京都にいったっきりなかなか戻ってきません。
やっと戻ってきたと思ったら、おりきが里実に三代目を継がせるつもりだと思ったといい、吉野屋幸三と結婚すると言いだします。
色々とありましたが、落ち着くところに落ち着き、立場茶屋は今後も繁盛していくようです。

無事完結。
途中でちょっと飽きたけれど、最後まで読めてよかったよかった(笑)。



めずらしくハウスの中で寝ている兄犬。
クッションが厚すぎかな?
寝ていたのを邪魔されて、かわいそう・・・。

カミラ・レッグバリ 『死神遊び』2016/09/09



35年前の復活祭の前日、ヴァール島の寄宿学校校長一家が忽然と姿を消した。
テーブルには復活祭の料理が、そして、1歳の末娘エッバが残されていた。

事件から35年経ったある日、息子を不慮の事故で無くしたエッバが夫と共にヴァール島に戻ってきました。
ところが放火が起こり、改装しようと剥がした床下から大量の古い血が見つかりました。
パトリックが事件を扱うことになりますが、一家の失踪に興味のあるエリカはパトリックの同僚で35年前の事件を扱ったユスタに取り入り、捜査内容を知ろうとします。

エッバの家族に35年前に起こったこととは・・・。
そして、放火をしようとした犯人は誰か。

このミステリを読んでからスウェーデンに対するイメージが変わりました。
ミステリ小説は社会を反映していると思うからです。



兄犬は毎晩、気持ちよさそうにひっくり返っています。
手がかわいいです。

大崎梢 『スクープのたまご』2016/09/10



日向子は運よく希望の大学に入れ、就職も誰もがうらやむ出版社に入れたのに、一年後に配属されたのが、スキャンダルを追う週刊誌部門。
張り込みはもちろんのこと、聴き取り、尾行もあり、なんか週刊誌の記者というよりも刑事みたいです。
本当に週刊誌記者の方はこういうことをやっているんでしょうかねぇ。
大変ですね。
週刊誌に関わりたい人、必見のお仕事本です(たぶん)。

思っていたよりも、読んでいてあまりワクワク感がなくて残念でした。
週刊誌って興味ないからなのかしら?


我家の犬は昨夜も堂々と寝ていました。


ハウスの中ではなくて、ベッドに寝ているのはいいのだけれど、何故か首が落ちています(笑)。


宮下奈都 『羊と鋼の森』2016/09/11

2016年の本屋大賞を取った作品なので、どんな作品なのか興味があったので、読んでみました。ピアノの調律師のお話です。


高校の体育館でピアノを調教する場面に遭遇し、森の匂いを感じた僕は、その時、調律師になることを決意した。

僕は調律師の板鳥さんから教えられた学校で学び、彼の会社に入り、調律師としての修業を始める。
一人前になるにはまだまだで、自分のした調律に迷いながらも、ただひたすらに、「明るく静かに澄んで懐かしい文体・・・」(原民喜)を目指していく僕。
最後に彼が辿りついたのは、ある女の子のピアノの調律をやり続けたいと言う思いだった。

「才能がなくたって生きていけるんだよ。だけど、どこかで信じてるんだ。一万時間を超えても見えなかった何かが、二万時間をかければ見えるかもしれない。早くに見えることよりも、高く大きく見えることのほうがだいじなんじゃないか」

たとえ愚鈍に見えたとしても、ひたすら前に進む姿が美しいです。

失礼なこととは思いながら、ついつい小川洋子さんが描いたらどうなるのだろうと思ってしまいました。

宇江佐真理 『うめ婆行状記』2016/09/12

今月は頼まれ仕事が入り、忙しくしているせいか、何だか体の調子が今一。
湿気の多いのも体に悪いようです。


うめは商人の出なのですが、北町奉行所同心の夫と結婚しました。
しかし、夫とは夫が死ぬまでしっくりいかず、夫が亡くなるとすぐにきままな一人暮らしを始めます。
一人でやりたいことが沢山ありました。
まずは隣に住む徳三夫婦に手伝ってもらって、庭の梅を梅干しにすることです。
そうこうしているうちに、甥に隠し子がいることがわかり、一肌脱ぐ始末。
なかなか一人暮らしを満喫することができません。
やっと甥たちも上手くいったと思ったら、今度はうめが倒れてしまいます。

宇江佐さんの最後の作品で、未完です。
うめが再起するところで終わっています。
うめのことですから、元気になって益々みんなのために働き、気持ちのいい終わり方になったことでしょう。
宇江佐さんのご冥福を祈ります。

コニー・アーチャー 『謎解きはスープが冷めるまえに』2016/09/16

スープ専門店シリーズの一作目。


故郷のスノーフレーク村でスープ専門店を営んでいた両親が亡くなり、村に戻ってきたラッキーは店を継ぐかどうか悩んでいました。
そんな時に、店の裏のゴミ容器の側の雪の中に女性の死体が見つかり、彼女と知り合いだったシェフのセージが容疑者として捕まってしまいます。
そんなわけで、今まで繁盛していた店は閑古鳥が鳴くようになってしまいます。
このままでは店がつぶれると思ったラッキーはセージの無実を証明することにします。

アメリカのコージーミステリにはいろんなお店がでてきますね。
今度はスープ専門店。
スープとサンドイッチが食べられるようです。
ランチならいいのですが、あまり夕食には行きたいとは思わないですけれど。

<今日のおやつ>


久しぶりにスフレパンケーキを食べました。

三キロ越え2016/09/21

我家の弟犬は、このごろ胴が太くなり、たくましくなりました。
2.5㎏ぐらいのヨーキーのはずだったのに、昨日体重をはかったら驚きの値がでました。
3.35㎏です。
もうスタンダードなヨーキーではないです。


二匹で並ぶと、兄より大きいです。


相変わらず耳が大きいです。
脚のバネがすごくて、跳ぶように走ります。
部屋で二匹にすると、未だに兄がえばっていて、弟は自分のハウスに逃げていきます。
身体は兄よりも大きいのにね。

たらさわみち 『おいでよ動物病院!』&『僕とシッポと神楽坂』2016/09/22

今回紹介するのは、動物病院の漫画です。
最初に読んだのが、愛猫が亡くなるまでを描いた『さよならの時間』です。


我家の犬たちのことを思うと、涙が出てきます。


『おいでよ動物病院!』はMF(マイフレンド)動物病院に連れてこられるペットにまつわる出来事を描いた作品です。
新米のコオ先生が奮闘し、一人前になっていきます。
彼は変わった経歴の持ち主で、お母さんが神楽坂の芸者で、ある人の愛人だったようです。
神楽坂には年寄りの獣医がいたのですが、コオ先生は彼から病院を託されることになります。


神楽坂で病院を継ぐことになったコウ先生の日常を描いた作品。

コオ先生のようないい獣医さんが近くにいてくれるといいのですが、残念ながら今の家の周りにはいません。
犬たちがずっと病気にならないことを祈っています。
今の居住地は人間のみならず犬にとってもいい医師がいないので、引越してきたのが間違いだったかと思うこの頃です。

ペットの生命は飼い主が見ないとダメなのですから、簡単な気持ちで飼ってはいけませんね。


相も変わらず、頭を出している我が家の兄犬です(笑)。