近藤史恵 『モップの精は旅に出る』2016/11/04



近藤さんの書くシリーズ物の中で好きなものの1つです。
どうもこの本が最後になるようです。

夜間にビルの清掃をやっているキリコですが、今回は英会話学校の入ったビルの清掃をやっています。
社員さんと親しくなり、その学校に起こる事件の謎を解くことになります。(第一話「深夜の歌姫」、第二話「先生のお気に入り」)
学校のいじめが随分取り上げられていますが、大人になっても同じようなことをする人がいるのは残念なことです。
「嫉妬」という感情は何歳になってもなくならないものなのですね。

第四話「ラストケース」では、キリコの姉が亡くなり、失望のキリコは夫の許しを得て、姉との間に起こったことを清算するために旅立ちます。
相変わらず夫君はキリコのことを心配しています。
心配し過ぎなのではないかと思います。
キリコはそんなにやわではないですもの。

世の中には密かな「悪意」が潜んでいます。
そんな「悪意」にからめとられないように、暮らしていきたいものです。