柚月裕子 『あしたの君へ』2016/11/21

この頃、かわいくなってきた弟犬です。


この頃、毎夜毎夜に犬が「ワン…ワン…ワン…」と1テンポ置きつつ吠えます。
弟がたまに夜中に吠えることがあったので、また弟犬だと思い弟にうるさいと怒っていたのですが、昨夜、兄が吠えていることに気づきました。
ごめんね。
いつもなら一回電気をつけてダメというと止めるのですが、昨夜はまた吠え始めました。
仕方ないので、兄犬を抱いてベッドに入り、初めて一緒に寝ました。
(我が家は獣医からのアドバイスと衛生面などを考えて犬とは別に寝るのです)



柚月さんの検事シリーズが好きです。
続きを期待していたのですが、これは検事ではなくて家庭裁判所の見習い調査官補のお話です。
見習い家裁調査官補は先輩から「カンポちゃん」と呼ばれるそうです。
かわいらしい呼び名ですね。

裁判所職員採用総合職試験に合格した望月大地は三カ月の前期合同研修後、一年間の実務修習のため九州の県庁所在地にある福森家裁に配属されました。
調査官は裁判官の指示で、犯罪を犯した少年少女やその保護者と面接したり、事件を調査、離婚調停の立ち会いなどをして、裁判官が判断の参考にする資料を作成するのが仕事です。
ひとつひとつの案件には色々な背景があり、語られない真実があり、それを突き止めていかなければならないのです。

自分がこの仕事に合っているのだろうかと常に自問する大地。
周りの先輩たちはそういう彼をフォローし、叱責し、励まし、いい調査官に育てあげようとしています。
人間、若いうちに迷わなくなったらお仕舞という気がします。
自信が過信になってしまってはダメですから。
特に人間を扱う仕事ですから、まだまだ若い大地はたくさん迷って欲しいですね。

検事シリーズに比べると内容的な深みが今一つな感じですが、シリーズになっていくとおもしろくなりそうです。

家庭裁判所といえば、昔読んだ漫画の『家栽の人』(「裁」ではなくて「栽」です)を思い出しました。
この漫画の主人公は裁判官でしたが、調査官もでてきます。
両方ともにあまり身近ではない家庭裁判所がどんなお仕事をしているのか、垣間見られる内容です。
一緒に読むことをお勧めします。