原田マハ 『デトロイト美術館の奇跡』 ― 2016/12/01
自動車の街と言われたデトロイト市が2013年に財政破綻をし、デトロイト美術館の所蔵作品を売って負債の穴埋めをしなければならないか・・・というところまで追い詰められていたなんて、知りませんでした。
この本はデトロイト市とデトロイト美術館がどう危機を乗り切ったかを描いたものです。
その背後にはデトロイト美術館を愛する人たちがいたのです。
表紙の絵はセザンヌの描いた妻、オルタンス。
セザンヌは妻の絵を油絵だけでも29点描いているそうです。
彼はモデルが微動だにしないのを好んだらしく、モデルはみな逃げ出し、妻だけが残ったらしいです(笑)。
結婚して子供ができても銀行家である父親からの仕送りがこなくなるのを恐れて、10年以上も妻の存在を隠し続けたそうです。
絵では食べていけないものね。
この絵を元に4つの本当にあった物語が書かれています。
「アートは友達。デトロイト美術館は友達の家」
そういう思いを持った人たちが、市の持ち物であるデトロイト美術館が残るように立ち上がったのです。
彼らの考えたデトロイト美術館生き残りの道とは・・・。
上野の森美術館で『デトロイト美術館展』が開催されています。
この本を読むと、展示されている絵画の価値が倍増しそうです。
本当ならアメリカに行きデトロイト美術館を訪れたいぐらいです。
絵はできれば所蔵されている美術館でみたいですものね。
美術展は1月21日までやっています。
月曜日と火曜日には写真撮影できるようです。
私は体力と気力が湧いたら行ってみるかもしれません。
風邪をひきたくないので、人ごみは避けますが・・・。
アンドレアス・グルーバー 『黒のクイーン』 ― 2016/12/02
弟犬は遊ぶのが大好き。
特にボールがお気に入り。
私が庭で花の手入れをしていると、早くやってよとボールを見つめて立ち上がっています。
『夏を殺す少女』、『月の夜は暗く』に続く三作目。
シリーズではなくて、それぞれの本の主人公は違います。
今回の主人公は保険調査専門の探偵、ホガート。
別れた女が忘れられないという、ちょっと女々しい男です。
プラハの展覧会で絵が焼け、その調査をしていた女性調査員が行方不明になりました。
彼女の安否と絵画保険詐欺の件を調べるためホガートはプラハへ飛びます。
プラハで知り合った女性探偵と共に絵画盗難事件を調べるうちに、いつしか連続殺人事件へと足を踏み入れていきます。
チェスが事件の鍵になっています。
チェスにはなじみがないので、あまりピンときませんでしたが、プラハは一度訪れたことがあったので、懐かしく思いました。
水よりもビールの方が安かったのを未だに覚えています。
飲めればと残念でしたが(笑)。
初期の作品だったらしく、主人公があまり魅力的ではなかったので前の二作ほど楽しめませんでした。
川瀬七緒 『潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官』 ― 2016/12/03
見かけだけはかわいくなった弟犬。
どういう顔をすればいいのかわかっているような気がします。
身体の色も少しずつ変化しつつあります。
顔が茶色のままですが、白くなっていくのかしら?
昆虫学の観点から事件現場を洗うという、変わったミステリーです。
伊豆諸島の神の出島でミイラ化した女性の遺体が見つかります。
首つりの跡があったことから自殺と断定されました。
警視庁から岩楯警部補が派遣され、通常とは違う遺体の状態から昆虫学者の赤堀が出動します。
彼女は遺体に虫の被害が少ないことに疑問を抱きます。
遺体はハスキー犬がどこからか引きずってきたようです。
一体彼女はどこで首をつったのか。
そして、短期間でミイラになるようなところはどこか。
島中をさがしますが見つかりません。
赤堀がハスキー犬に特定外来生物のアリが付着していたことに気づき、アリがどこにいるのか捜し始めたことから事件は意外な方向へ・・・。
ウジ虫ちゃんが出てこないので、それほど気持ち悪くはないかと思ったら、そうでもなかったです。
今回はアリが気持ち悪いです。
日本のどこにでもいるアリは人を噛みませんが、外来種は噛みますから怖いです。
1匹ではそうでもなくても集団になるとアリでも力を持つんですね。
獣医さんと赤堀先生の仲はどうなるのかと思いたいのですが、赤堀先生は普通じゃない女性ですからどうもならないようです(残念)。
次はどんな虫がでてくるのか、怖いけれど楽しみなシリーズですよ。
兄犬だけトリミング ― 2016/12/05
昨日、来年結婚予定の姪がやってきました。
彼女は兄犬のファン。
彼はトリミングをして帰ってきてからずっと姪に抱かれていました。
初めてのトリマーさんでこんな感じになりました。
冬なのであまり短くカットはしてくれませんでした。
すぐに伸びてボサボサになってしまいそうですね。
トリミングの後は、いつもは寝ているのですが、昨日は姪に抱かれていたため眠れず。
そのためか昨夜はぐっすり眠れたようですが、今朝、私が6時過ぎに起きてベッドに連れて行くと、ベッドでも寝ていました。
よっぽど疲れたのでしょうね。
兄犬はカット前なのでボサボサですね。
ヨーキーの弟は少し毛を伸ばしたいので、来週、シャンプーだけをしに行きます。
弟はかわいい顔を撮れるのですが、兄はカメラが大嫌い。
おやつで釣らない限り、なかなかかわいい顔がとれません。
スーザン・イーリア・マクニール 『ファーストレディの秘密のゲスト』 ― 2016/12/06
マギー・ホープ・シリーズの五作目。
この本、表紙だけを見ると「コージー・ミステリのひとつね」と思うでしょうが、内容はけっこうまともで、世界史のお勉強にもなります。
時代は日本軍が真珠湾攻撃をして約半月後、アメリカが参戦するという頃です。
チャーチルはルーズヴェルト米国大統領と会談をするためにアメリカにやってきます。
イギリス生まれで、育ちはアメリカというマギーはひょんなことからチャーチルのタイピストとなり、その後、イギリスの工作員として秘密の使命をおびて活躍するようになりました。
今回、マギーは表向きはチャーチルのタイピストとして、首相の秘書官長のディヴィッドと秘書官で元恋人のジョンと共にチャーチルに同行してアメリカへ行くことになり、ルーズベルト大統領夫人の秘書殺人事件と黒人差別問題に関わることになります。
マギーはジョンとやり直そうかと思っている時に、大学で友人の恋人だったトムと再会。
大統領夫人のために二人で奔走しているうちに・・・。
ジョンは彼の経歴と彼が描いたキャラクターがディズニーに気に入られフロリダに。
なかなか上手くいきませんね。
一人の女性が時代の波に翻弄されつつも自分の生き方をまっとうする姿がいいです。
マギーの恋愛はどうでもいいから、そろそろ邪悪な母親とけりをつけて欲しいですが、そうなるとシリーズが終わってしまうのかな。
戦争の終結に向けて、マギーがどういう活躍をするのか楽しみです。
歴史的にイギリスでは何が起きているのか調べてみるのもよさそうです。
チャーチルが戦時中にアメリカに渡ったなんて知らなかったもの(恥)。
若竹七海 『暗い越流』 ― 2016/12/10
短編が5編で、そのうち2編(「蠅男」と「道楽者の金庫」)に女探偵・葉村晶が登場します。
彼女はしっかりしているようで、他人にいいようにつかわれてしまうという気のいい面(かなぁ・・・?)を持った人です。
そのため会わなくてもいいような事件に遭遇してしまいます。
心霊スポット巡りとかこけしを探しに行くとか、普通は断るわよねぇ。
他の3編のうち題名にもなっている「暗い越流」が推理作家協会作品賞を取っているようです。
どの短編も読ませられますが、「酔狂」の最後なんか、ゾーとしました。
また葉村晶の登場する長編が読みたいです。
この頃、兄が弟をいじめます。
弟がボールを取ろうとすると、わざとぶつかったり、噛みついたりします。
えばりたがりやなんでしょうか?
弟はいじめられるとこうやって舌を出しながら目で訴えてきます。
矢崎存美 『居酒屋ぶたぶた』 ― 2016/12/16
ぶたぶたさん、居酒屋ってやってなかったっけ?
彼の居酒屋は飲めない人にも親切です。
なんと、持ち帰りOKなんです。
一人暮らしや働いていてご飯を作りたくない人にはありがたい居酒屋です。
竜田揚げ、焼き枝豆、さつまいもの入った豚汁、おでん・・・食べたい。
こういう普通の家庭料理っぽいのがいいんですよね。
本当に近所の居酒屋にぶたぶたさんがいたら、びっくりものですが(笑)。
バーテンダーのぶたぶたさんにも会いたいです。
かわいいお手手でシェーイカーを振り、カクテルを作ってくれるんですよ。
飲めなくても行っちゃいそうです。
そうそう、今日は夕食にジャガイモの入った豚汁とおにぎりを作ろうかしら。
近藤史恵 『マカロンはマカロン』 ― 2016/12/17
毛を伸ばそうとしているのですが、ちょっとボサボサであまりかわいくないですね。
毛は直毛で柔らかく、なでると気持ちいいのですが、いかんせん、彼はおトイレの上で寝るのが大好き。
せっかくシャンプーをしてもらっても、すぐにくさい臭いがついてしまうという困ったちゃんです。
兄はそういうことがないので、抱くのが圧倒的に多くなり、彼はちょっとさびしいみたいです。
待望のビストロ・バ・マル・シリーズ第三弾がやっとでました。
フランスで料理の修行をしてきた変人シェフ三舟の料理の腕と推理がさえます。
フランス料理は滅多に食べません(こってりしていて…)。
それでも三舟の作るものは魅力的です。
食べたい(涎)。
フランス人も豚足なんて食べるんですね。
題名のマカロンは日本で売っているようなものだけではないそうです。
かわいらしい様々な色のマカロンは見てもいいし、食べてもいいですね。
マカロンといえば、流行初めに六本木に行く同僚に無理やりマカロンを買ってこさせたことがあります。
優しい人(男性)でした。
というか、私たち女性群が怖かったのかな?
フランスではマカロンはイタリアが元祖のフランスの地方の伝統菓子で、もともとは素朴な焼き菓子なのだとか。
カラフルなのはパリ近郊だけのようです。
知らなかったわ。
近藤さん独自の日常生活に秘かに潜む悪意がこの本でも発揮されています。
できればすぐにシリーズ続篇をお願いしたいです。
ポール・アダム 『ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密』 ― 2016/12/18
『ヴァイオリン職人の探求と推理』に続く第二弾です。
ヴァイオリン職人ジャンニのところに、パガニーニ国際コンクールで優勝した若きロシアのヴァイオリニスト、エフゲニーに貸し出されたパガニーニ愛用の名器”大砲”の修理が持ち込まれました。
無事に修理を終え、エフゲニーにその日のコンサートに招かれますが、ジャンニはすでにチケットを購入していました。
そのためコンサート後のパーティに招かれることになりました。
若くして才能を認められ、ヴァイオリンが生活のすべてであるエフゲニーには色々と悩みがあるようでした。
コンサートの次の日、美術品ディーラーの撲殺死体が見つかります。
彼はホテルの金庫に黄金製の箱をあずけており、その箱の中には小さなヴァイオリンが入っていたようです。
前回に引き続きジャンニは友人の刑事、アントニオから捜査の手伝いを頼まれます。
友人で第一ヴァイオリン奏者だったトマソが亡くなり、四重奏をやらなくなっていたのですが、久しぶりに仲間が集まり、エフゲニーがトマソの代わりに入り弾いた四重奏「カヴァティーナ」の場面が心に残ります。
オーケストラもいいですが、しっとりとした四重奏も捨てがたいですね。
パガニーニにまつわる話がおもしろかったです。
パガニーニとナポレオンは同時代の人だったのですね。
本の中にでてくる曲が聞きたくなりました。
この頃読んだ漫画一覧 ― 2016/12/20
庭のクリスマスローズが知らない間に咲いていました。
昨年は白い花は小さくて2輪ほどしか咲かなくて、兄犬に食べられてしまいました。
今年は大きな花が咲いています。
犬に食べられないように用心します(笑)。
『コウノドリ 3~15』をまとめ読みしました。
五体満足で生まれてくるのが当たり前だと思っていますが、今の時代、五体満足で生まれてくるということがどれほど大変なことなのか、この本を読むとわかります。
サクラの生まれも後半に描かれており、何故彼が産婦人科医になったのかがわかりました。
これから親になろうという人に読んで欲しい漫画です。
日野あかね 『のほほん亭主がんになる』
山田雨月 『ふいにたてなくなりました。』
藤川るり 『元気になるシカ!』
山本まゆり『誤診です!』
山田雨月 『ふいにたてなくなりました。』
藤川るり 『元気になるシカ!』
山本まゆり『誤診です!』
この4冊は闘病物です。
癌になったり、難病になったり、誤診で本当の病気がわからなかったりと大変なようすをユーモアを交えて描いています。
私もそうでしたが、元気な人は読もうとは思わないでしょうが。
病気になるということは面倒なことが多いのです。
でも落ち込んでばかりではいけません。
この方々のように病に負けず、明るく闘病したいものです。
オノユウリ 『ペットの声が聞こえたら』 3冊
尼僧でペットたちの声が聞こえる妙玄さんのことを描いた漫画です。
ペットたちはどんな目に合おうが飼い主のことを悪くは思わないんですね。
うちの犬たちが何を考えているか知りたいとは思いますが、たぶん知らない方がいいでしょう。
兄犬は「抱いて、かまって、ご飯」、弟犬は「遊ぼう、遊ぼう、遊ぼう」しか考えていないと思います。
森薫 『乙女語り 9』
愛想もなく、いつもしかめっつらをしているパリヤは嫁入り支度をしていますが、なかなか布支度は進まず、夫となるウマルとの関係も上手く行かず・・・。
でも、そんな二人の関係を変えることが起こります。
今回はホッとできる話でした。
東村アキコ 『タラレバ娘』
ドラマになるというので読んでみました。
「・・・・〇〇だったら、・・・・していれば・・・・。」
33歳になる3人の女は女子会と称して飲んでは愚痴をこぼしてばかり。
なんかそういう女子会は嫌ですね。
彼女たちに「このタラレバ女!」とカツを入れたのが金髪頭のモデルの鍵谷。
彼女たちと彼の関係はどうなるのか?
人生ってこういうたらとればばかりですが、あまり考えないようにしています。
考えたからといって人生が変わるわけではないですしね。
『コウノドリ』のような医療物と同様に好きなのが、この系統の漫画です。
波津彬子 『ふるぎぬや紋様帳』
祖母から古い着物を譲りうけてから伊都子の周りに着物にまつわる不思議なことが起こり始めます。
着物にこめられた思いって様々ですね。
表紙のイケメンが「ふるぎぬや」の店主です。
彼が一体何者なのか、気になります。
漫画を読みだすととまらなくなるので、なるべく読まないようにしていますが、ついつい読んでしまいます。
漫画は誇るべき日本文化ですね。
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