伊岡瞬 『いつか、虹の向こうへ』&『瑠璃の雫』2017/02/19

伊岡さんの本をまた読んでみました。
その後に別の本を読んだので記憶が曖昧ですが。


元刑事の尾木はある事件をきっかけに服役し、職と家族を失いました。
家が売れるまでということで、訳あり男三人の不思議な同居生活を営んでいました。
ところが、そこにひょんなことから知り合った家出人の女の子が居候となったことから、尾木は事件へと引きずり込まれます。

刑事をやっていたわりには弱く、ボコボコになってばかりいる尾木さんはかわいそうですねぇ。
人が良すぎます。
それでもやくざと交渉する辺りはさすがですが。


杉原美緒の母はアルコール依存症で、病院に入ったり出たりを繰り返しています。
母が入院している間は母の従姉妹の薫のマンションで弟と一緒に暮らします。
喫茶店兼スナックを経営している叔母の常連に元検事の永瀬丈太郎がいました。
叔母から彼を紹介されてから、美緒と弟は彼の家に遊びにいくようになります。
永瀬には瑠璃という娘がいて、瑠璃と薫は同じ幼稚園に通っていましたが、瑠璃が薫の目の前で誘拐されるという悲しい過去がありました。

美緒と永瀬の悲惨な人生がどのようになっていくのか、最後までわかりませんが、救いがあって欲しいですね。

伊岡さんの書く本は犯人捜しを楽しむものじゃなく、重い過去を持った人がどう生きてきたのかを読むもののような気がしました。