西條奈加 『鳥金』&『はむ・はたる』2017/02/22



散歩中にお座りをさせると、最初はちゃんと一緒に座りました。
でも・・・。


次に座らそうとすると、弟がめずらしく後ろを向いてしまいました。


本当はこういう風に座っていたのに。
犬も何回も同じことをやらされると飽きるようです(笑)



金貸しをしているお吟のところに、カラスを連れた浅吉がやってきて居座ります。
彼は算術家の師匠から学んだ知恵を活かし、お吟の代わりに取り立てをすることになります。
彼はむやみに金をとりたてるのではなく、客に商売が繁栄するような策や借金の返済法を考え、客に教えてあげます。
やがて彼はお吟や客から信頼されるようになっていきます。
実は彼がお吟のところに来て働くようになったのには、ある事情があったのです。


集団で暮らし、窃盗をしていた子供たちは、浅吉により助けられ、今は稲荷ずしの販売というまっとうな商売をしています。
その子供たちが関わり、解決していく事件の短編集です。

浅吉はある事件のため江戸にはいられなくなり、この本には出てきません。
その代わり、存在感があるのが武士の長谷部家のおばあさま。
彼女が子供たちから恐れられながらも、彼らにまっとうな路を歩くようにさせています。

どの話もほんわかする話ですが、『鳥金』の続篇という感じではないので、一緒に読まなくても問題ありません。
二冊共に西條さんの本の中で特にお勧めってわけではないです。