「セッション」を観る2017/03/04

評判がよいらしい『セッション』を見てみました。
(ネタバレあり)


ジャズドラマーとして一流になりたいニーマンはNYの名門音楽院に入学します。
授業が終わった後、練習している所に鬼教師フレッチャーが現れた次の日に、彼の指導するビッグバンドに二番手のドラマーとして入ることができました。
しかし、それは地獄の始まりでした。

ニーマンの家庭環境をにこやかな顔で聞いておいて、テンポが違うと彼の親のことをぼろ糞に言うフレッチャー。
できないともうこの席はないと脅すフレッチャー。
どんなに努力しても、もっともっとと言うフレッチャー。
鬼軍曹か。


いつしかニーマンはフレッチャーの狂気に毒され、手に血豆ができ、つぶれるまで練習を続けます。
せっかく仲良くなったガールフレンドに一流のドラマーになるためには練習時間が必要で、君とは別れたいとまで言うのです。

一番手のドラマーが楽譜をニーマンにあずけ、その楽譜が紛失してしまいます。
大事な楽譜を自分で管理せず人に預けたことがフレッチャーの逆鱗に触れ、なんとニーマンが一番手となります。
コンテストに出場するためにバスに乗ったニーマンですが、バスがパンクし時間に間に合いそうもありません。
そのためレンタカーを借り急ぐのですが、途中で事故にあい怪我をしてしまいます。
しかし、ニーマンはその体で会場に現れ、スティックを持ちます。
フレッチャーは冷たく、失敗したらお前はお終いだと言い放ちます。

学校を放校になったニーマンのところに弁護士がやってきます。
フレッチャーが事故で亡くなったと言っていた生徒は、うつ病を患い自殺をしており、親がフレッチャーを訴えるので匿名で証言してほしいというのです。

ドラマーになるという夢をあきらめニーマンはコロンビア大学に入りなおします。
町を歩いている時にフレッチャーが演奏しているという看板を見つけ店に入ります。
帰ろうとすると、フレッチャーと目が合ってしまい彼と話をします。
なんとフレッチャーは今度の演奏会のドラマーを探しているので一緒に演奏しないかと誘うのでした。

演奏会の日、久しぶりにドラムと向き合い興奮気味のニーマン。
演奏が始まるという時にフレッチャーが冷たく言います。
裁判の証言をしたのは「お前だろう」と。
そして、彼が観客に告げた曲は、ニーマンに教えた曲ではありませんでした。
ニーマンはなんとかついて行こうとするのですが・・・。

曲が終わり、敗北感でボロボロになったニーマンを抱きかかえる父。
父に言われた言葉でニーマンは奮起し、もう一度舞台へと戻り、フレッチャーを無視して勝手にドラムソロを始めます・・・。

一流になるためには練習が必要なのはわかります。
しかし、生徒をこのように追い詰めて行っていいのでしょうか。
ある程度の厳しさは必要ですが、今の世代は褒めて育てろといいますからね。
これでは音楽嫌いになりますよ。
映画では誰一人として楽しそうに演奏していませんもの。
こんなの音楽ではないですよ。
音楽を好きにさせるのが教師の役割で、その後、一流になるために何が必要かと考え努力するのが生徒だと思います。
フレッチャーは自分が一流になれなかった腹いせを生徒にぶつけているようなものです。
甘い言葉をかけ、その後に罵倒するという彼はマゾか。
嘘の曲を教え、ニーマンが二度とドラムをたたけないように叩きつぶそうとするなんて、彼は絶対に教育者ではないです。

最後に二人は音楽を通して和解したようにも見えますが、フレッチャーですから、終わったらもとの彼に戻ってニーマンを罵倒するんでしょうね。
ニーマンはドラマーになろうがどうしようが、このことが彼の自信になって、今後の人生を彼なりに進んでいけるように思います。



動物病院にヨーキーを連れて来ていた60代男性が「目が大きくてかわいいよ」と奥さんに言っているのに、奥さんに無視されてました。
同じヨーキー仲間だから仲良くなれるというわけではないのですねぇ。
近所のヨーキー連れのおばあさんとは仲良くなれましたがね(笑)。