桜木紫乃 『氷の轍』2017/03/22



相変わらず元気な弟犬です。
ボールを咥えるついでに草まで口に入れますから、口の周りに枯草が沢山ついています。


兄はというと、庭でムシャムシャと草を食べています(恥)。
吐いたり、お腹を壊したりしないのですが、一応止めさせます。でも、なかなか止めません。
餌が足りないのかしら?



桜木さんの書いた刑事物です。
本の最初に書かれていた(なんていうのかしら?)白秋の詩(「他ト我」)がいいです。

 二人デ居タレドマダ淋シ、
 一人ニナツタラナホ淋シ、
 シンジツ二人ハ遺瀬ナシ、
 シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。

釧路市の海岸で男性の他殺死体が発見されます。
釧路方面本部刑事第一課の大門真由は彼女の教育係の片桐と共に残された数少ない遺品から被害者の元タクシー運転手、滝川信夫の過去を掘り返していきます。

滝川は青森県出身で、八戸市の歓楽街で働いた後に札幌に移住してきたようです。
生涯独身で身寄りもありませんでした。
何故釧路に来たのか、それが事件を解く鍵となります。

滝川の気持ちはよくわかりますが、一人よがりは禁物です。
でも、それが殺人を招くというのはちょっと短絡的すぎませんかね。
この点が納得いきませんでしたが、秘密をかかえながら生きていく孤独な人々の様が心にしみました。

昨年ドラマ化されたようですが、柴咲コウの大門ってどうだったんでしょう?
内容も原作とちょっと違っていたようですが。