中澤日菜子 『PTAグランパ!』2017/04/16



大手家電メーカーを定年退職し、悠々自適の隠居生活を営んでいた武曾勤でしたが、一人娘の都が離婚をし、同居するようになってから生活は激変しました。
都は小学校に入ったばかりの孫娘の世話を仕事が忙しいからとジジババに任せ、毎日、遅く帰ってきます。
そればかりではなく、くじ引きで負けたからとPTAの副会長役を”暇な”勤に押し付けてきたのです。
断ろうとしましたが、諸事情があり、かわいい孫のためと引き受けることになってしまいます。

何事にも真っ直ぐ、実直に、直進していく勤ですから大変です。
初めはPTAは会社勤めと比べると暇な主婦たちのお遊びなんて思っていたのですが、とんでもない。
まわりから浮きまくりです。

今の60歳以上の男性と若い20~30歳代のママたちの考えが一緒とは思えませんものね。
男は仕事だけやっていればいいという世代と男は仕事も家庭も両方かかわるべきだという世代ですから。
世代間ギャップが大きそう。

正社員対パートor主婦の女同士の争いもすごいですね。
私が30代で正社員をやっていた時、同僚の50代独身女性が、「給料から高い税金を取られ、家庭の主婦やこどものためにそのお金が使われているのよ。私たちはお金を取られるばかり」と言って怒っているのを見たことがあります。
その時はそうなんだと単純に思っただけでしたが・・・。

なんかギスギスしている世の中を、暮らしやすくするにはどうしたらいいのでしょうか。
みんな余裕のない生活をしている、だから人に対してトゲトゲしちゃうのよね。
どんな状況にいようが、大変さは同じ、ただわからないだけ。

今のPTAがこのようだとは言えるかどうかは不明ですが、(色々なPTAがあると思いますから)、お子さんをお持ちなら読んでみるとそうそうと思えるところがどこかにあるでしょう。
若いママが読むと、絶対にPTAの役員になんかならないぞと思ってしまうかもしれませんが、最後に勤が言うように、「足を踏み入れなければ見えない景色もまた、たくさんある」ので、やってみるのもいいかもしれませんね。
PTAの目指すところは、「保護者と教員が協力し合い、よりよい教育環境を子どもたちに提供する」(本文)ことですから、頑張ってください。