柚月裕子 『合理的にあり得ない』 ― 2017/05/02
絶対にこの仔はどういう表情をしたらかわいく撮れるか知っています。
カメラを向けるとレンズに目を向けてきますもの(親馬鹿です)。
佐方貞人シリーズに続く、シリーズになるか?
不祥事で弁護士の資格を剥奪された上水流涼子は、「殺し」と「傷害」以外の依頼は引き受けるという探偵エージェンシーを経営しています。
相棒はIQ140の貴山。
この二人、ある因縁があります。
彼女のところに色々な依頼が舞い込みます。
未来が見えるという怪しい男に経営判断を任せている二代目社長、賭け将棋で将棋ソフトを使っているらしい相手に勝ちたいヤクザ、悪徳商法から妻を守ろうとする夫、野球賭博、そして、涼子を騙した巨大グループ社長の孫捜しなどタイムリーな内容になっています。
でも、どれもなんか他で読んだような感じがするのですが、私の気のせいかしら。
特に一番最初の「確率的にあり得ない」の種明かしはどこかで読んだような・・・。
柚月さんらしからぬ、ライトな内容ですが、ドラマねらいでしょうか?
私的にはもっと涼子が活躍して欲しいのですが。
佐方シリーズのような物を期待しないで読むといいでしょう。
そうそう、装幀が素敵です。
殿ヶ谷戸公園に行く ― 2017/05/03
藤を見に殿ヶ谷戸公園に行ってきました。
ところが、藤はもう散っていました。
ちょうどいい時に見ることがなかなかできません。
シスターが三人、歩いていました。
花よりも葉の方がめだっています。
満開だと綺麗なのですが・・・。
筍も育ってしまっています。
ガイドの人が「みなさん、竹林と竹藪の違いを知っていますか」と聞いていました。
人の手が入っているかどうかの違いのようです。
で、この場合は竹林ですね。
緑が濃くなって、気持ちのいい時期です。
思ったほど人が来ていませんでした。
スズランが咲いていました。
この前に来た時に一年間のパスポートを買っておいたので、何回でも来ることができます。
次回は何の花が見られるかしら?
朝井まかて 『銀の猫』 ― 2017/05/04
走り過ぎると、すぐにハアハアいう犬です。
ボールに対する執着心はいつまで経ってもすごいです。
江戸時代に本当にあった職業かどうかわかりませんが、「介抱人」という金持ちの年寄りの介護をする仕事をしているのがお咲です。
口入屋「鳩屋」から紹介され、様々な老人のお世話をしていますが、その家族に振り回されることも多く、夜も寝ないで介護したりと、気の抜けない毎日です。
普通の仕事よりも稼ぎがいいので、妾奉公をしていた母親が元夫から借りた金を返すために始めた仕事でした。
しかし、今やお咲にとってはやりがいのある仕事になっています。
江戸時代と比べて現代は介護が楽になったのかどうかと考えると、それほど変わらないような気もします。
本の中にでてきますが、菊作り職人の庄助は母親を介護していますが、母親を長屋に置いて行くわけにもいかず、そのため仕事もままならず、人生をあきらめて生きているような感じでした。このままでいくと結婚はできず、自分の老後を見てくれる人もなしという状態ですから、未来を考えると投げやりにもなりますよね。
在宅介護が望ましいとかいいますが、江戸時代も現代と同じようにお金に余裕がない者にとって介護は大変なことだったのですね。
なんでもそうですが、人間相手の商売って正解がないのです。
介護の指南書を書こうとして難儀している場面がありましたが、そう簡単に書ける物ではないですよねぇ。
人が様々いるように、家族も様々ですから、一つ一つ吟味して、どういう介護をするのがいいのか決めるしかないですもの。
本にも出てきますが、「ぽっくりも、ゆっくりも立派な往生だと思える方が、追い詰められないかもしれない。気が楽になる」。
こういう風に老いをとらえられるといいのでしょうね。
こう書くと何やら悲惨な本のようですが、そこは朝井さんですから、ほっこりとした人情本にしてくれています。
雫井脩介 『検察側の罪人』 ― 2017/05/05
だんだんと暑くなり、暑さに弱いヨーキーはお散歩を長くできなくなりました。
その代わりに家の中で遊んでやらなければならなくなります。
兄犬より彼は唾液の量が半端じゃなく、ボールが唾液まみれで気持ち悪くて、ママは触りたくありません。
犬種の違いなのか、この仔の体質なのか?
昨日、ネットの新聞を見ていてびっくり。
この本が映画化され、な、なんと配役を見て・・・ガッカリ。
ベテラン検事を木村拓哉、若手検事を二宮和也が演じるだとか。
ファンの方、ごめんなさい。
これほど合っていない配役は無いと思います。(特にキムタク)
この本を読んだ相棒もそう言っています。
どうしてこうなったのかしら?
東京地検刑事部の検事、最上毅が教官時代に教えた沖野啓一郎が、最上と同じ部署に配属されてきました。
最上は沖野のことを教官時代から目をかけていました。
ある日、大田区で老夫婦殺害事件が起こります。
彼らは個人的に金貸しをやっていて、そのことが原因で殺されたのではないかと思われました。
捜査の過程で出てきた参考人リストの、ある容疑者の名前に最上は気づきます。
それはもう時効になっている、最上が大学時代に下宿をしていた寮の管理人夫婦の娘の殺害事件で重要参考人となっていた男でした。
前半は最上、後半は沖野が描かれています。
途中まで読むと、話の流れが想像でき、読むのを止めようかとも思いましたが、なんとか最後まで読みました。
あくまでも私が思ったことなのですが、まがりなりにも検事になる人ですから、何が良くて何が悪いかはわかっているはず。
人としてどう行動すればいいのかわかっていても、人情としてそうしてしまったんですか。
とはいえ検事ですからねぇ。
踏み越えてはならない一線を越えてしまってはいけませんわ。
なんか同情できません・・・。
なんでそれほどのことをするのかが、私にはわかりません。
ひょっとして彼女のことが好きだったから?
どうも私は最上の考えについていけません。
罪を犯した人間が時効が過ぎたから告発されないということに問題がありそうですね。
2010年に殺人事件などの凶悪犯罪の時効が廃止されたのは、いいことだと思います。
何で時効があったのかがわかりませんけどね。
映画の話に戻るのですが、彼に最上が演じられるのかしら?心配です。
ターシャ・アレクサンダー 『レディ・エミリーの事件帖 円舞曲は死のステップ』 ― 2017/05/06
カーネルおじさんが子供の日には兜をかぶっていました。
意外と似合うかも。
レディ・エミリーの事件帖シリーズの三作目。
結婚式が延期になり失意のエミリーは、友人の頼みで校外にある屋敷に滞在することになる。
嬉しいことに婚約者のコリンも一緒にいるのだが、招待客のクリスティアナという女性とコリンは昔、何やらあったようだ。
嫉妬に悩むエミリー。
その上、屋敷の主のフォーテスキュー卿からコリントとの結婚を阻止すると言われてしまう。
どうも自分の娘がコリンに惚れたので、二人の結婚を邪魔することに決めたようだ。
それだけでも大変なのに、クリスティアナもコリンを愛している、二人の結婚は許さないと言ってくる始末。
そんな時に狩りの最中にフォーテスキュー卿が頭部を撃たれて殺される。
前日に親友のアイヴィーの夫、ロバートがフォーテスキュー卿と口論をしていたことから、ロバートは逮捕されてしまう。
友人の夫を救うために、手がかりとなるウィーンから来た手紙の主を探すため、エミリーはウィーンへと旅立つ。
今回の歴史上の人物は、ルドルフ皇太子の自殺で心痛める皇妃エリーザベトです。
次に誰が出てくるのか、楽しみです。
政治的なことが殺人に関係するのかと思ったら、肩すかしでした。
ちょっと残念。
シリーズが進むたびに、しっかりとした自立した女性になっていくエミリーです。
今回のことでコリンはエミリーを自分の片腕として認め、これから一緒に仕事をしていきそうな感じです。
世界は戦争へと向かっていきますが、エミリーはどういう働きをするのか、楽しみに次回作の翻訳を待ちます。
最後にクレムトの言葉を。
「愛は常に変化するものだ」
「愛は来るべきときが来ればやってくる。そして、去るべきときが来れば去っていくものだ」
本当にクレムトが言ったかどうかはわかりませんが、本に書いてあったのですが、含蓄のある言葉です。
森沢明夫 『癒し屋キリコの約束』 ― 2017/05/07
都心に用事で出かける相棒と待ち合わせをして、新宿御苑に行ってみました。
広いためか、人がそれほど気になりません。
何やらおもしろい形の木があります。
真ん中を切ったのでしょうね。
この中は特定の日にしか入れないようです。
薔薇を見たかったのですが、反対の方向へ来てしまったので諦めました。
とっても暑いんですもの。
今度は桜か紅葉の頃の涼しい時に来ることにします。
癒し屋というからには、ほんわかとした話だと思ったら、ちょっと違いました。
純喫茶・昭和堂のオーナーの霧子(キリコ)は美人でありながら、ぐーたらで、喫茶店を無理やり店主にした、訳ありの柿崎照美(カッキ―)に押し付け、自分はビールを飲んで、いつも酔っ払っています。
癒し屋といいながら、金に汚く、神社のお賽銭箱を店内に置き、悩みを聞くからにはお賽銭をはずむようにと、あることないこと話を作ってお金を分捕ります。
悩み相談にのるのは、喫茶店の常連さんたち。
彼らが悩み事を聞き、キリコの指令のもと、色々と行動を起こし、悩みを解決していきます。
実は常連たちも、キリコやカッキーも、それぞれ人には言えないことがありました。
店に流れる音楽が昭和の歌謡曲というのがいいですね。
キリコが言う、いい言葉があります。
ミュージシャンになりたいという男の子に・・・。
「才能ってのはね、成功するまで絶対に努力を止めないって、自分自身を説得し続ける能力のことを言うのよ」
「人間ってさ、チャレンジしたけど失敗した夢となら、案外すんなり同居できるのよ。でも、チャレンジしないままの宙ぶらりんの夢って、胸のなかで腐って悪臭を放つから捨てたくなるんだけど、でも、そんな夢に限ってなかなか離れてくれないものなのよね」
やってする後悔とやらなくてする後悔、どっちがいいかってことですかね。
本の中にもでてくるけど、アメリカの90代の老人に「一度きりの人生でもっと冒険しておけばよかったと思いますか」と聞くと、ほとんどの人が「Yes」と答えるそう。
若いからこそできることもありますし、年をとっても人目を気にしないでやっちゃえばいいんだと思います。
もう一つ、
「人ってさ、長所で尊敬されて、短所で愛されるんだよ。だから、どっちも大事なんだよ」
人を好きになるって短所も長所もどちらも含めて好きになるんですよね。
あの人のこういう所が嫌いだけど、でも・・・。
そういうことってありますよね。
キリコの性格や下品なところがちょっとですが、いい言葉のちりばめられた作品でした。
そういえば、森沢さんは『ふしぎな岬の物語』を書いた人なのですね。
カッキ―が美味しいコーヒーを入れる方法で、この本に出てきたことを言っていたので、アレ?と思っていたら、うなずけました。
カッキ―は『ふしぎな岬の物語』には出てこなかったわよね?
垣谷美雨 『後悔病棟』 ― 2017/05/08
神田川病院に勤務する医師の早坂ルミ子は末期がん患者を担当しています。
彼女は患者や家族の気持ちがわからなくて、不用意な言葉を言って、患者や家族を怒らせることがよくありました。
また患者を怒らせてしまい、自信をなくしている時に、中庭で聴診器を拾います。
その聴診器は、患者の胸に当てると、患者の心の声が聞こえ、後悔のある過去に戻り、もう一度やり直しができるという不思議な聴診器でした。
ルミ子はこの聴診器を利用し、患者が後悔していることをやり直す手伝いを始めます。
誰でもあの時、こうすればよかったという時がありますよね。
もし、あの時、こうすれば、今は変わっていたかもしれない。
そういえば『アバウト・タイム』という映画がありました。
主人公はパッとしない男の子なのですが、彼の一家の男にはタイムトラベルができるという不思議な力があるのです。
そのため、親しくなりたい女の子ができると、その力を使い、恋人になり、結婚し、娘までできました。
しかし、自由奔放な妹のために再度タイムトラベルをしたら、家には娘ではなく息子がいました・・・。
もう一度時間を戻せたらと誰もが思いますが、それですべてが上手く行くとは限りませんものね。
どんな選択をしようが、それが最善と思い生きていくしかないです。
後悔ばかりしていては過去に生きていることになりますもの。
未来に向かって、前向きにいきたいですね。
さて、もう一度人生をやり直した人たちは、どういう結果になったでしょう。
住野よる 『君の膵臓をたべたい』 ― 2017/05/09
疲れがでたのか、右目が充血して真っ赤になっています。
連休は大人しくしていたのに、前よりも疲れやすくなってしまったようです。
疲れやすいといえば、この仔。
獣医に行って体重を測ったら、3.2kg⇒2.9kg⇒2.74kg⇒2.67kgと痩せてきています。
療養食を食べさせているので、カロリーが足りないのでしょうね。
兄は療養食と普通食を半々にしてますが、全く痩せませんがね。
弟も半々で食べさせることにしますわ。
肝臓の値は標準値をキープしています。
2週間、薬を飲まないとどうなるのかみてみることになりました。
体重が増え、肝臓の値も変わらなければいいのですが・・・。
最初は題名で驚き、カニバリズムの話かと思いました(笑)が、なかなか評判がいいようなので、文庫本になったので読んでみました。
何故か「キミスイ」と略されるのだとか。
たまたま行った病院で拾った文庫本「共病文庫」で、クラスメイトの山内咲良に膵臓の病があることを知ってしまった僕。
僕は友達のいない、暗い性格の、クラスでも浮いている存在でした。
一方、咲良は明るく、誰とでもすぐに打ち解ける、クラスの人気者でした。
咲良は唯一、彼女の病気を知っている人として、僕を「死ぬまでにやりたいこと」に付き合わせます。
咲良に振り回されながらも、いつしか僕は自分の殻を破り始めます。
ところがそのことで、僕はクラスの人たちから恨みを買うことになり、ストーカーをやっているとまで言われてしまいますが、咲良は気にもせず、僕と好き勝手な行動をとり続けます。
しかし・・・。
同じような本に『100回泣くこと』があったような。
『100回』よりは読めたように思います。
この本は主人公と同じような年頃の子が読むといいのでしょうね。
大人には色々とちょっとです。
例えば、膵臓の病気なのに、ラーメン、酒?
酒は・・・未成年だよね。
おいおい、君たちは人を呼ぶのに名前で呼ばないのかよ。
え、こんなんで〇〇のかよ。(だから不自然なぐらいしつこく書いてあったのか・・・)
以下、略。
18歳以下、限定本ということで、よろしく(誰に?)
井の頭公園は百周年ということで、連休中はにぎわったのでしょうね。
今日は生憎の曇り空だったので、人が少なかったです。
ランチは人が並んでいなかったのでペパカフェ・フォレストで。
ランチプレートの「鳥ひき肉と野菜のバジル炒め」を食べました。
ちょっぴりピリっとしましたが、辛いのが苦手な私にも大丈夫(笑)。
オープンカフェなので、気持ちがいいです。
ここは赤ちゃん連れが多いですね。
しばらくしたらまた行って、別のものを食べてみますわ。
吉祥寺でランチ ― 2017/05/11
兄とは家の中で一対一で遊んでやると、ハッスルします。
投げると持ってくるを何回も繰り返します。
カメラが嫌いなので、絶対にかわいい顔を向けてくれず、こんなのになってしまいます。
弟が現れると、取られてしまいます。
弟は口の中に入れると絶対に離しません。遊び方を知らない犬です。
面倒なのでほっておきます。
椿屋珈琲店ではパスタランチ。ここはいつも座れます。
焼き鳥のいせやで親子丼。
安く、味は普通。卵と鳥肉だけの親子丼です。
他のものの方が美味しいのかしら?夜に行って焼き鳥食べたいです。
次の予定まで時間があったので、今日はガレットを食べました。
店の外で天使のような子供たちが遊んでいました。
家の天使は夜になるとひっくり返って寝ています。
つぶらな瞳がかわいいのですが、目を開けて寝ています(笑)。
森下典子 『前世への冒険 ルネサンスの天才彫刻家を追って』 ― 2017/05/12
まだシクラメンが咲いています。
シクラメンの後次に昨年買って植えておいた薔薇の花が咲き始めました。
今年は花にとってはいい気候なのでしょうかね。
自分の前世に興味がありませんか?私はとってもあります。
今まで前世が見えるという何人かの人に見てもらいました。
覚えているものとして、
大昔の韓国の剣を作る職人の弟子、ルーマニアの体操家、イギリスの看護師、ベルギーの布を織る女性など色々なことを言われました。
職人とか医学に関する仕事につく率が多そうです。
言われた場所には行ったことがあります。
男女半々ぐらいの割合で生まれ変わっています。
人は何回も生まれ変わっているようですから、まだ前世がありそう。
オーラを見てもらった女性に見てもらおうかしら。
森下さんが仕事で京都に住む女性に前世を見てもらったら、二つの過去生が出てきました。
ひとつは鑑真和上の弟子。
そして、もうひとつがイタリアのルネサンスの彫刻家でした。
京都の女性はそれは詳しく見える人らしく、彼女の言ったことと書いたメモを参考に図書館などで調べていくと、実際にいた人のようでした。
日本の図書館では限られたことしかわからないので、森下さんはイタリアのフィレンツェに行き、調べていくことにしました。
彼女の前世への冒険の始まりです。
森下さんは全く前世を信じない人でした。
その彼女が京都の女性の言葉をもとに、イタリアで自分の前世を調べていき、驚愕の事実に驚くのです。
しかし、そこはスピリチュアルなことに全く興味のない森下さんですから、その事実に驚きはしても、むぜび泣いたりせずに、冷静に対処しています。
この時の恋人も生まれ変わっていて会ったのですが、二人の間に何も起こらず・・・まあ、そんなもんでしょうね。
私も同じような旅に出たいなと思います。
でも、前世が有名人ではなく普通の人の生まれ変わりなら、どうだったかなんて調べようがないですよね。残念。
前世なんか信じない人でも、おもしろく読める本です。
なお、京都の女性は前世を見ることを商売にしていないので、見てもらうことはできないようです。
今も見えるのでしょうかね。
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