ヨハン・テオリン 『赤く微笑む春』2017/07/08

エーランド島四部作の三作目。


エーランド島の石切り場のそばのコテージを相続し、そこに暮らし始めたペール・メルネルは離婚をしており、双子の子どもたちは母親に引き取られていました。
娘が病気で入院したので息子をコテージに連れてきていました。
そんな時に疎遠だった父、ジェリーから電話がきて、別荘に来て欲しいというのです。
嫌々父を迎えにいくと、父は怪我をしており、車まで連れて行こうとしていたところに突然、火事が起こります。
別荘の中には父以外に誰か人がいたようでした。
結局、別荘は何者かに放火され全焼し、二人の男女の焼死体が見つかります。
娘の病気のことで頭がいっぱいなのにもかかわらず、脳卒中で倒れ話がまともにできない父までも面倒をみなければならなくなります。

同じ頃、エーランド島に住み始めたカップルがいました。
新築の豪華な家に住む、作家マックスと妻のヴェンデラです。
ヴェンデラはエーランド島の出身で、エルフとトロールを信じる女性でした。
ヴェンデラは近所の人たちを招いてパーティをしようと計画します。

イェルロフは余生を家で迎えようと決心し、老人介護施設を出て家に戻り、 一人暮らしを始めました。
死別した妻の日記を見つけ、それを読む日々でしたが、その中に「取りかえっ子」が家にやってきたという記述があり、それが誰だったのか興味を持ちます。

ヴェンデラの家のパーティは最初はまあまあの雰囲気だったのですが、ペールの父親のジェリーがとんでもないことを言い始め・・・。

ペールは別荘の放火事件を機に今まで見ないようにしていたジェリーの過去を掘り返そうとします。

相変わらずイェルロフ爺さんはいい味出してます。
それぞれの家族にはそれぞれの物語があり、それがどう現在と結びついて行くのかがおもしろいですね。

一度、エーランド島に行ってみたいと思いました。
それも、冬に。
寒さと人恋しさで泣いちゃうかもしれませんが(笑)。

はまる作品です。
四部作目を早く読みたいです。

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