岡井崇 『デザイナーベイビー』2017/07/23



産科医の岡井さんの本、2冊目です。
ノーフォールト』がおもしろかったので、次は・・・と期待して読みました。
『ノーフォールト』と同じ城南大学病院が舞台です。
前作で登場していた人たちがいて、その後がわかってよかったです。
特に産科医を辞めそうだった女医の柊奈智が病棟医長として仕事を続けていてホッとしました。

城南大学病院の新生児室から生後三日の女児がいなくなりました。
誰が何のために連れ去ったのか、全くわかりません。
院長宛の身代金要求の電話が来ます。
しかし、身代金は盗まれ、めぼしい容疑者は見つからず、事件は頓挫するかのように見えたのですが・・・。

現代は生殖医療が進んでいます。
体外受精、遺伝子操作、代理母出産、クローン、卵子売買・・・。
次は「デザイナーベイビー」ですか。
ちなみに「デザイナーベイビー」とは「親の望むように遺伝子操作を加えられて生まれる児」だそうです。
人間の欲というのは限度がないのですね。

生殖医療に関したミステリですが、色々と説明が多くて、ミステリとしてのおもしろさは半減かもしれません。
ミステリではなくて、医療物として読むといいですね。
私たちの生きている時代はどこへ進もうとしているのか。
人の価値とは、人の幸福とは・・・。
色々と考えさせられます。



犬にとって幸せはとってもシンプルです。
食べて寝て遊んで、飼い主の傍にいることが幸せなんです。