風野真知雄 『わるじい秘剣帖九 いつのまに』2017/12/01



元芸者で珠子の元同僚のおふじという女性がかわうそ長屋に半年だけ住むことになりました。
彼女は<あまのじゃく>という飲み屋を開いています。
じいじこと桃太郎と珠子は付き合いで<あまのじゃく>に行ってみますが、結構気に入り、常連になります。
<あまのじゃく>には変わった客が来ていました。
相撲の取組中にまわしが切れる相撲取りや「泥棒大歓迎」の看板を掲げている砂糖屋・・・。
桃太郎はそんな客たちの悩みもバッサバッサと切り捨てて(比喩よ)いきます。

一方、孫の桃子の父であり、桃太郎の息子の仁吾は岡崎家に潜り込んでいました。
岡崎家は七十八人の遺体が出たりと得体のしれない屋敷です。
ある日、岡崎玄蕃の母親がいなくなり、仁吾は彼女を保護します。
彼女から話を聞いた仁吾は・・・。

桃子ちゃんが言葉を発しました。
嬉しい瞬間でしたが、じいじにはやるべきことがありました。
じいじ一世一代の大仕事です。
次回はいかに。



相変わらずカメラを向けるとこっちを向いてくれます。
兄は三歳ぐらいでボール遊びを引退したのですが、弟はまだまだボールが好きみたいです。
落ち着きのない性格も相変わらずです。

桜木紫乃 『硝子の葦』2017/12/02



釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故にあい、意識不明の重体になりました。
年の離れた妻・節子は夫の代わりにホテルの経営をしようとしますが・・・。

節子は夫が倒れるまで、短歌を詠み、お金に無頓着なきままな暮らしをしていました。
夫は母親の元愛人で、自分にも元上司の愛人がいました。
短歌会の仲間・佐野倫子が節子に近づいてきます。
彼女は仲のいい家庭の姿を短歌に詠んでいたのですが、彼女の家庭には何か秘密があるようでした。

夫が倒れてから節子の人生は狂い始めます。

釧路の描写が相変わらず暗いです。
北海道はこんなに暗くないですよ。
私には空が広く、土地も広い、物事におおらかで、人も土地も「でっかいどう」(古いか・・・)という印象です。
私が育ったのは内陸部で、雪が深いだけの所でしたから。
釧路のように海に近く、湿原があり、湿気が強く、霧がよく出る所とは違いますから。
風景とかがまるっきり違いますものね。
北海道は大きいだけあって、海辺と内陸部との違いがあるのかもしれませんね。

まるっきり私とは生き方も暮らし方も相いれない女性たちです。
桜木さんの描く女性は人生を達観しているような、諦念しているような感じなのに、生きることには貪欲のような気がします。

映画を一本見終わったような、そういう感じの小説でした。

伊岡瞬 『悪寒』2017/12/03



会社の不祥事の責任をとらされ、酒田の関連会社に飛ばされた藤井賢一は妻からの不可解なメールを読み、急いで電話をするが、妻はでない。
不審に思った賢一は妻と娘が住む東京へ急遽行くことにする。
警察からの電話で妻が賢一の会社の常務を殺したと告げられ、自分が単身赴任中に家で何が起こっていたのかと賢一は頭を悩ませる。
妻は本当に常務を殺したのだろうか。

なんか仕事第一で上司の言うことを何でも聞いてしまう賢一が情けないですね。
彼のせいで色々な人たちが犠牲になっているじゃないですか。
賢一には感情移入はできません。
世の中のお父さんってこんなもんなのでしょうか?
それに犯人。
なんだかね・・・。(ネタバレになるから書きませんが)

とっても読みやすいですが、ミステリとしてはお勧めしません。
単身赴任中のお父さんは読むと身につまされるかも(笑)。

殿ヶ谷戸庭園2017/12/04

紅葉はどうなのか、用事の前に気になったので見に行ってきました。


いつもは午後に行くので、午前中は光が違います。
紅葉の盛りは終わったようです。


小さい鯉が泳いでいます。


イチョウはまっ黄色。
青空に映えます。


冬越の恰好をした・・・?
ここに何が生えていたのか覚えていません。
何もなかったような気がするのですが。

もう初冬になってしまったようです。
昨年の11月と12月は検査入院をして具合が悪かったので年末という感じではありませんでした。
病気がわかり薬を飲み始めたからといって体の調子がよくなったわけでもなく、通っている鍼の先生には体は気力で持っていると言われています。
見た目は元気に見えるのですが。

一年一年を大事にしていきたいものです。

おもしろかった漫画2017/12/06

なんとなく具合が悪くても読むのだけは止められません。
読むのを止めて寝れよと言われていますが・・・。


『かくかくしかじか 1~5』 東村アキコ
なりたいものがなく、思いつきで少女マンガ家になると決心した林明子は、美大に行くことにします。
しかし、美大対策のデッサンもなにも準備していなく、急遽絵画教師・日高のところに連れられて行きます。
日高は竹刀でようしゃなくたたく(今やるとアウトよね)、熱血教師。
彼に漫画家になるとは、最期まで言えない明子でした。

アキコと日高の師弟の付き合いを描いた自伝的作品です。
若いというのは残酷なもので、まだまだ自分には時間があるからと大切な人との残り少ない時間を後回しにしてしまいますよね。
大人になると、その時間の価値がわかり、悔やむことも多くなります。
悔やんでも遅いんですが。

私にはこんな師がいないので、うらやましく思いました。

『かみのすまうところ 1~3』 有永イネ
24歳の上乃みつきは東京の大学まででたのに、就職はできず、故郷に戻ってきました。
彼の実家は代々宮大工なのに、みつきは高所恐怖症なのです。
一方、弟の光重朗は宮大工としての修業を続けています。
ある日、木の神だと名のるニキという女の子が現れ、彼女にみつきは恋してしまいます。
そして、彼女のために宮大工になることにします。

前に諏訪神社の御柱の木を見たことがあります。
木の一本一本に神が宿るということを実感できました。
奇想天外な内容ですが、宮大工の仕事、何百年後を見据えることにロマンを感じます。


『本屋の森のあかり 1~12』磯谷友紀 
地方の支店から東京本店に異動してきたあかりは、田舎の書店との違いに右往左往する毎日でした。
本をこよなく愛する副店長の寺山杜三と接するうちに、あかりは彼のことが好きになり、告白するも撃沈。
そうするうちにあかりは名古屋へ、杜三はソウルへと転勤することになります。
二人の関係はどうなるのか・・・。

あかりというちょっとのんびり屋さんの子が書店員として成長していく様子と人間関係が苦手な杜三との二人の恋の行方が気になる作品です。
1冊の本の内容と物語が重なり、語られているところが好きです。

『珈琲いかがでしょう 1~3』
美味しい移動コーヒー屋のお話でほんわかしたものを期待して読んだら、ちょっと違いましたが、それなりにおもしろかったです。

こんな珈琲屋があったらと思いましたが、私、コーヒーを一日二杯以上飲むと胃が痛くなるようです。
匂いだけで我慢しますわ(笑)。

ここまでの漫画はお勧めですが、次の2つはちょっと誰にでも勧められない内容です。
自分の知らない世界、想像のできない世界が垣間見られるというのが、読書の楽しみのひとつですが・・・。

『先生の白い嘘』鳥飼茜
う~ん、こんな女性や男性がいるのか・・・というのが私の最初の印象です。
登場人物の特に女性、自分を大事にしなよといいたいですわ。

『酔うと化け物になる父がつらい…』菊池真理子
ここまでくると、気分が悪くなります。
私の父はまったくお酒が飲めない人だったので、人が酔っ払う姿をまともに見たのが大学に行ってからでした。
自分も飲めないので、酔う楽しさがわかりません。
酔うということは、そんなに気持ちのいいものなのですかね。

こういう親に育てられた人は本当に大変だと思います。
なんとも言えません・・・。

色々な漫画があり、読むのが楽しみです。
いい漫画があれば、どなたか教えてください。

ネレ・ノイハウス 『穢れた風』2017/12/08



ある風力発電施設建設会社で夜警の死体が発見された。
調べていくと、何者かが会社に侵入し、社長室の机の上にハムスターの死骸を置いていったようだ。
恋人とバカンスに行っていたピアは急いで現場に赴く。

風力発電建設に反対する市民団体。
土地に法外な金額を提示する建設会社。

オリヴァ―の父親まで巻き込まれ、事件は混迷していく。

ピアの上司のオリヴァ―はニカという女にうつつを抜かして、全く役に立たない状態なので、今回はピアが彼の代わりに活躍します。
オリヴァ―はどうかしてるんじゃない。簡単に女に騙されるなんて。
精神的に弱い人なのね。

次回、オリヴァ―はどうなるのか。
ピアが昇進してオリヴァ―の後釜になってもいいような展開です。


<今日のわんこ>


この前、パパが出張から帰って来たとき、二匹で遊んでいた犬たちはパパを無視してしまいました。
ママも夕食を作っていたので、パパの帰りに気付きませんでした。
口ではいわないのですが、パパはショックだったようです。

そういえば、兄犬をパパが帰って来た時に放つと、前は駆けてパパの所にいったのに、この頃はママの方を振り返って見て、ママが付いてきていればパパの所に行き、ママがリビングに戻ると、パパの所に行かずにママの所に来るようになっていました。
犬も誰が自分の面倒を見てくれているのかわかるのね。
かわいい兄犬です(笑)。

夏川草介 『神様のカルテ0』&『神様のカルテ3』2017/12/10



何故、題名に「0」がついているかというと、栗原一止の医大六年生時代と研修医時代、一止の妻であるハルの常念岳山行などを描いた短編集だからです。
本庄病院が24時間365日営業となった経緯などもわかりました。
なによりも一止の妻のハルが恰好いいですね。
彼女こそ真の山女です。

『神様のカルテ3』では、一止は医師としての自分を振り返り、次へ進もうと決心します。
医師は患者の傍に立つだけではいけないのです。
その上に確固たる医療技術がなければだめなのです。

病気で病院に行くことが多いのですが、医師に失望することが多いです。
技術も大事でしょうが、その前に患者の心に寄り添うことが必要なのではないでしょうか。
物語だとは思っても、一止のような医師がどこかにいると思いたいです。
彼のような医師でなければ自分の命を託すことができませんよね。

ステップアップした一止にいつか会いたいです。

獣医に行く2017/12/11



ボール大好き弟です。

彼は去勢しに行ったら肝臓の値が高いことがわかり、しばらく様子見をしています。
疲れると体によくないと言うので、走り回りたいのを我慢させ、ご飯も半分を療養食にしていました。
9月にはGOTは20台、GPTは140台でした。
今回はGOTは10台、GPTは少しあがり150台です。
GPTは120以下がいいそうです。
体重は3.28㎏。
6月は2.8㎏ぐらいでやせ気味でした。
医師に体重が減るのはよくないと言われたので、夏の間はあまり走らせずにいたら、3㎏を超してしまいました。
医師によると体重はまだ標準範囲らしいです。
小さいヨーキーを飼おうと思ったのですが、ちょっと大きく育ったようです。

冬になると庭の芝も枯れ、ボール遊びにはもってこいになるので、また痩せてしまうかもしれませんね。

来年になったら、もう一度獣医に行き、肝臓の値を測り、去勢をするかどうか考えます。

桐野夏生 『猿の見る夢』2017/12/13



薄井正明は59歳、元大手銀行勤務、今は女性衣料の製造小売業「OLIVE」の財務担当取締役です。
妻とニートの息子、そして、元銀行同僚の愛人がいます。

社長のセクハラ問題から始まり、妻が占い師の女を家に連れてきてから次々と嫌なことが起こります。
それでも正明は自分に都合のいい夢を見ています。
愛人と別れ、もっと若いムチムチ愛人と付き合う、認知症の母が死んだ後、二世帯住宅を建てる、次期社長になる、とか。
実際は浮気がバレ、家庭は崩壊寸前、母が死に、遺産相続で妹と絶縁状態、愛人とは・・・、仕事は・・・。

こんな男いそうだけど、いたらお近づきにはなりたくないわ。
ホント、おバカで優柔不断なんだから。
その点、女はみんな逞しいです。
でも、愛人なのに月3万って安いわよねぇ。
手切れ金も100万かぁ、と変なところに感心してます。
薄井ってケチですね。

表紙の絵と薄井がダブって見えます。
男の人でこの小説を平常心で読める人はいないかも(笑)。

久しぶりに庭で遊ぶ2017/12/14

庭は芝生がボーボーで、猫がうろついていてノミが心配だったので、しばらく遊ばせていませんでした。
そろそろ芝も枯れ、ノミも活動を止めたと思ったので、庭で犬たちを遊ばせました。


兄犬も走ります。


弟は持ってこいで駆けずり回ります。


ママさん、ボールで遊びましょうよ。


兄はボールは追いかけず、弟の邪魔をして楽しんでいます。


カメラを向けると、いつものポーズ。
楽しんでいます。

散歩をすると、駆けようとするのは、庭で自由に駆けれるせいかもしれませんね。
わが家の犬はゆっくり歩くより、駆けずり回る方が好きなようです。