桜木紫乃 『硝子の葦』2017/12/02



釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故にあい、意識不明の重体になりました。
年の離れた妻・節子は夫の代わりにホテルの経営をしようとしますが・・・。

節子は夫が倒れるまで、短歌を詠み、お金に無頓着なきままな暮らしをしていました。
夫は母親の元愛人で、自分にも元上司の愛人がいました。
短歌会の仲間・佐野倫子が節子に近づいてきます。
彼女は仲のいい家庭の姿を短歌に詠んでいたのですが、彼女の家庭には何か秘密があるようでした。

夫が倒れてから節子の人生は狂い始めます。

釧路の描写が相変わらず暗いです。
北海道はこんなに暗くないですよ。
私には空が広く、土地も広い、物事におおらかで、人も土地も「でっかいどう」(古いか・・・)という印象です。
私が育ったのは内陸部で、雪が深いだけの所でしたから。
釧路のように海に近く、湿原があり、湿気が強く、霧がよく出る所とは違いますから。
風景とかがまるっきり違いますものね。
北海道は大きいだけあって、海辺と内陸部との違いがあるのかもしれませんね。

まるっきり私とは生き方も暮らし方も相いれない女性たちです。
桜木さんの描く女性は人生を達観しているような、諦念しているような感じなのに、生きることには貪欲のような気がします。

映画を一本見終わったような、そういう感じの小説でした。

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