江戸物シリーズ二作を読む2018/01/28

江戸時代の料理がでてくるシリーズ物。
江戸時代の庶民の生活がおもしろいので楽しく読んでいます。


日本橋木原店にある一善飯屋「塩梅屋」の料理人季蔵は、今年の師走飯を鰯の照り焼き汁かけ飯にしました。
安く鰯を届けてくれる船頭の豪助がいたからです。

そんな頃、常連の岡っ引きの松次と同心の田端が店にやってきて、鰯を採ってくれていた網元の孫右衛門の娘・理恵が殺されたことを告げます。
理恵は豪助の兄貴分の尚吉の許嫁でした。
理恵以外にも殺されている女性がいて、それぞれの遺骸には刺傷があり、身許を表す物が置かれており、藁がついていました。
魔の手は季蔵の傍まで来ていました。
お世話になった元塩梅屋の主人の娘までも狙われたのです。
そして・・・。

鰯はあまり好きではありませんが、季蔵が手をかけると御馳走になります。



このシリーズも最終巻となりました。

兄・波之進を殺した下手人を探していた魚之進は、やっと下手人を見つけますが、彼には手の出ない御三家水戸藩の大物でした。
兄の仇もこれまでかと落胆する魚之進。
その頃、吉原で殺しが・・・。

なんとかすべてが落ち着くところで落ち着きましたが、残念なのは姉のお静との仲。
思わせぶりな終わり方です。
ちなみに「殿さま漬け」とは殿さまが食べるような高級な漬物のことです。

魚之進は幸せになりそうですが、季蔵はどうなんでしょうか。
風野さんの本は面白く読んでいたのですが、この頃、最初の頃の勢いがなくなり、残念です。
書き過ぎですかね。
じっくりと腰を落ち着かせていい小説を書いて欲しいですね。