知念実希人 『神酒クリニックで乾杯を』&『神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶』2018/02/02



医療事故で患者を死なせてしまい、大学病院で働けなくなった九十九勝己は、恩師の紹介で「神酒クリニック」で働くことになります。
「神酒クリニック」は普通のクリニックではなく、世間的に有名なVIP専門の秘密の会員制クリニックでした。
院長の神酒は凄腕外科医で格闘技、色気ぷんぷんで元女優の産科医のゆかり、人の心を読める精神科医の天久翼、鬱気味の内科・麻酔科医の黒宮と個性的な面々。
彼らも九十九同様にこのクリニックで働くのにはわけがありそうです。
彼らは医療行為だけではなく、患者の病気を治すためと、他の「仕事」までやっていました。
どちらかといえば、そっちの「仕事」の方がメインかも。
医者がこんなことまでやるの、ととまどう九十九でしたが・・・。



顧客から連れられてきたのは、意識のない、全身ずぶ濡れの女性。
彼女は記憶喪失らしく、精神科医の翼が彼女の記憶を取り戻すこととなりました。
どうも翼は彼女のことが好きになったような。
遅い初恋か。

その頃、世間をにぎわしていたのがビル爆破事件。
どうもその事件と彼女はなんらかの関係がありそうです。
そういうわけで、またまたハッスルする神酒クリニックの面々です。

神酒クリニックではなくて、「神酒探偵事務所」と言った方がいいようです。
スタッフたちの意外な得意技がでてきて、笑ってしまいます。
九十九君、格闘技ファンだっただけではなく、マジシャンだったんですね。

知念さんが医師だから、もっと違う医療ミステリを求めていたのですが、ちょっと違うようです。
シリアスな物じゃなくてエンターテイメントの方に医療を使っている、いえいえ、医療はそれほどでもないか。
軽く読める内容ですので、医師でなくても書けますけどね。

次はどう暴れてくれるのか楽しみです。