中山七里 『恩讐の鎮魂歌』2018/02/23



悪辣弁護士・御子柴礼司シリーズの三作目。

冒頭に韓国船の沈没場面があり、一体これはどう繋がるのかと思っていると、関係があったんですね(どこで繋がるのかは読んでのお楽しみ)。
今回の御子柴は医療少年院時代の恩師である稲見を助けるために奮闘します。

二作目で過去を暴かれ、碌な仕事は来なくなり、来るのは暴力団関係の仕事だけという御子柴でしたが、そんな彼の元にとんでもないニュースがもたらされます。
特別養護老人ホームに入っていた恩師・稲見が介護士ともめて、介護士を殴り殺してしまったというのです。
あの稲見が・・・。
信じられない思いの御子柴はすぐに稲見に会いに行くのですが、会えず、色々と手を回して強引に彼の国選弁護人となります。
稲見の入居していた老人ホームを調べてみると、とんでもない事実が浮かび上がってきます。

恩師のために奔走する御子柴。
彼の思いは通じるのか。
真実は。

悪の権化(笑)のような御子柴が、いい人に思えてきました。
それにしても老人介護施設での虐待は絶対にありえないと言えない所が悲しいですね。
ホント、ピンピンコロリがいいと言いたくなります。
そういう介護士ばかりではないとはわかっていても、それでもあまりお世話になりたくないと思ってしまいます。

二作目に登場した倫子ちゃんの手紙がいいですね。
大きくなって弁護士かなんかになって御子柴のところに現れそうですね。
これで御子柴シリーズも終わりかと思ったら、第四弾の『悪徳の輪舞曲』が三月に発売されるようです。
次の展開はどうなるのか、ひょっとして倫子ちゃんに何かあるのかな?



やっとクリスマスローズが咲いてきました。
雪のせいか、外に置いておいたシャコバサボテンはいつも以上に蕾がついていたのに枯れてしまい、ちょっと淋しい庭です。