古内一絵 『十六夜荘ノート』2018/05/11



マカン・マラン・シリーズを書いている古内さんの他の本を読んでみました。

雄哉は会ったこともない大叔母の玉青から古い洋館・十六夜荘を相続することになります。
玉青は自由主義的な思想を持ち、屈することなく戦中を生き残った人でした。
彼女がどのように生き、何故、雄哉に洋館を残すことにしたのか。
雄哉の生きる現在と玉青の生きる戦中が交互に語られていきます。

洋館のあるところは高級住宅地。
売れば相当な金が手に入る。しかし、その屋敷には得体のしれない人たちが格安の家賃で住んでいました。
早速、雄哉は屋敷に押しかけて住民を追い出そうとしますが、そうは簡単にはいきません。
屋敷の持ち主が玉青の他にもう一人いるというのです。
その人に会い、権利を放棄してもらおうともくろむ雄哉でしたが、会社で大失態をしでかし、首になってしまいます。
屋敷に住む人々と触れ合ううちに雄哉の気持ちは変化していき、玉青について知りたいと思い始めます。

マカン・マランとは違った趣の本で、戦中の話はシビアでした。
若い人に読んでもらいたい本です。