乃南アサ 『六月の雪』2018/07/20

何年か前に『五月の雪』という台湾映画を見たことを思い出しました。
調べてみると、『五月の恋』という題名でした。よく題名をうろ覚えしていることがあります(恥)。
映画で、主人公の男の子と女の子が「五月の雪」を見に行く場面が印象的だったので、勘違いしていたようです。

これから紹介する本に詳しく書かれていますが、戦前、台湾は日本の植民地だったので、日本のような街並みが少なからず残っています。
それが昔の日本を見るようで、懐かしく思われます。

「五月の雪」は「油桐花」のことで、「六月の雪」は「欖李花」という白い花のことです。
台湾に雪が降らないので、白い花を雪に例えているんですね。


声優になるという夢破れ、派遣をやっている32歳の未來は祖母と一緒に暮らしていました。
両親は仕事の都合で九州にいます。
隣の彼女の生家は長年行方不明だった叔母たち家族に使われています。

そんなある日、ふと祖母が自分の生地が台湾の台南であると話します。
それは未來にとって意外なことでした。
写真を取りに行こうとした祖母が、階段から落ちて骨折し入院したので、祖母を元気づけるために、未來は台湾に行き、祖母の思い出の地を探すことにします。
台湾では日本語を話す台湾の人たちに助けられ、戦前の日本人たちが住んでいた場所を訪れ、祖母の生家があった場所まで見つけることができました。
台湾と日本の歴史を知った未來はある決断をし、日本に戻ってくることになります。

台湾が日本の植民地だったことや、日本人が去った後の台湾のことは知らない人が多いでしょうね。
恥ずかしながら私は台湾映画を見るまでは詳しくは知りませんでした。
学校の世界史では教えないし、征服された方は忘れないけれど、征服した方は簡単に忘れてしまうんですね。
興味を持った方は私のように候孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の『冬冬(トントン)の夏休み』や『悲情城市』、『戯夢人生』などを見ると、台湾のことを少し知ることができると思います。

台湾は一度行ったことがあります。
映画で見た九份と台南、高雄に行きたかったのです。
九份には行けましたが台南や高雄には行けませんでした(残念)。
この本を読みながら、台湾のムッとした大気とバイクの群れ、排気ガスの臭いなどを思い出しました。

台湾が懐かしくなったので、ツタヤで『五月の恋』を借りてきてもう一度見ましょうか。
それとも台湾ティーのお店「Gong cha」でお茶でもしましょうか。
台湾のかき氷もいいかも(笑)。

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