塩田武士 『騙し絵の牙』2018/08/18



三億円強奪事件のことを書いた『罪の声』が結構よかったので、本屋大賞ノミネート作品の『騙し絵の牙』も読んでみることにしました。

主人公は表紙の人、大泉洋がモデル。
大泉洋だったら、どこかの一般企業の社員でいつもしょうもない冗談を連発するさえないオッサンという感じかなと思っていたら、違いました。
大手出版社のカルチャー誌「トリニティ」の編集長でした。
雑誌の売れない今、廃刊の危機に立ち向かう速水(=大泉)。
人たらしと頭の回転のよさ、軽妙な話術、何を考えているのか窺い知れない性格・・・が塩田さんによる大泉のイメージなのでしょうね。
私にはちょっとカッコよ過ぎのような感じもします。

大泉洋は横に置くとして、出版業者のお仕事本として読むといいかもしれませんね。
現在の出版界の現状がわかります。

最後に速水の過去が描かれていて、そうかと思いましたが、これ、いるかしら・・・?
速水の裏の顔を示すということですかね。

映画化されるそうで、大泉洋のファンには嬉しいんだろうなぁ。
本を売るには、こういう仕掛けもいいのかもしれませんね。