山﨑ナオコーラ 『美しい距離』2018/09/15



「ナオコーラ」という名前が珍しいので、ハーフが何かと思ったら、なんのことはない、「なおこ」+「コーラ」だそうです。
コーラが好きだそうで、おもしろいですね。

40歳を過ぎたばかりの妻が不治の病に侵された。
保険会社に勤める夫は介護休暇を使い、午後の仕事を免除され、妻の病室にいく。
妻の母や妻がサンドイッチ屋をしていた頃の仕事相手、お客さんなどがお見舞いにやってくる。
病院には医師や看護師がいる。
夫は様々な感情を出さないようにし、ともすれば義母や妻に遠慮しつつも、その時々の相手に何気ない言葉をかけている。
感情を発露できる人はそれでいい。
でも、この夫のように、距離を取りながら悲しんでいる人もいる。
悲しみの表現は人それぞれ。

妻の手作りサンドイッチのお店『パンばさみ』の常連さんが語るポテサラサンドや
カツサンドが美味しそうでした。
どんな時でも、仕事は励みになるのかなぁと思いました。
今までは仕事よりも命の方が大事なのだから、生き死にに関わる時に仕事のことを考えるなんて・・・と思っていましたが、そうではないのかもしれません。

人間関係を考える上で、人との距離感が大事で、その距離を測りながら人は生きています。
果たして亡くなった親との距離はあれでよかったのかと考えながら読み終えました。