塩田武士 『盤上のアルファ』2018/10/23

『女神のタクト』と『雪の香り』で塩田さんの描く女性が暴力的で利己的なので、女性を描くのが下手なのかと思っていましたが、デビュー作の男性たちもコミュニケーション障害があるのかと思える人でした。


花形である神戸新報県警担当記者だった秋葉隼介は文化部に左遷されました。
理由は、性格が悪く、みんなから嫌われているかららしいです(笑)。
担当は将棋。
将棋など全くの素人なのに・・・。
そんな秋葉の家にある男が転がり込んできます。
坊主頭でタンクトップをいつも着ている、壮絶な過去を持つ真田信繁。
天涯孤独で、バイトを首になり職もなく、住む家もなく、性格も悪く、ただあるのが将棋に対する情熱だけ。
背水の陣で33歳にしてプロ棋士への編入試験を受けることになります。

将棋を知らなくても楽しめる内容です。
登場人物がそれぞれアクが強く、あまり感情移入できません。
私的には『罪の声』のような作品を望みますわ。