霧村悠康 『副作用解析医・古閑志保梨 不確定死因』2019/01/23



川村医師は老人介護施設<やすらぎの苑>が出来た当初から定期診察と各種予防接種などの医務をおこなってきました。
インフルエンザワクチンをした次の日に85歳の男性が急死しました。
一見夕食を喉に詰めた窒息死のように思えましたが、娘婿が死因に疑問を呈し、解剖をして欲しいと言ってきたため、解剖をすることになります。
解剖の結果、窒息死ではないことがわかり、インフルエンザワクチンが原因の可能性が高いということになりました。
その上、この男性だけではなく、三歳になる先天性疾患に侵されていた男の子までも、川村がワクチンを射った後すぐに亡くなってしまいます。
川村は二人の死因はインフルエンザワクチンの副作用ではないかと考え、製薬会社にロットの点検をお願いしましたが、ロットには問題がないとの回答がきます。

次の年、川村は診療所でインフルエンザワクチンを取り扱わないことにし、代わりの医師の手配をしました。
しかし、ワクチン接種後、また死亡者が出たのです。
川村は今度もワクチンの副作用ではないかと考え、解剖を提案しますが、ワクチンを射った山下医師は解剖ではなくオートプシーイメージングを自分の病院で撮ることにします。
その結果、特に不審な点は見つからず、この死もワクチンの副作用ではないかと思う川村でした。

桐内製薬株式会社、副作用解析室担当の青森秋雄は毎年インフルエンザワクチンを
接種することにしていました。
ところが、下の息子で心臓疾患のある健次がインフルエンザワクチン接種後、死んでしまったのです。

古閑志保梨は元同僚である青森の息子の死を聞き、インフルエンザワクチン接種による死亡例を調べてみることにします。
インフルエンザワクチンの接種による死者は『持病の悪化』、『評価不能』として扱われており、志保梨はそれを容認できなかったのです。

息子の死後出社した青森は同僚の長田から会社のワクチンに関する不正行為について教えられます。
後で話したいことがあると言われ、会うことにしますが、長田はその夜現れず、交通事故で死んでいました。
長田は入社以来、ワクチンの製造にたずさわっていました。
ひょっとして長田は会社の不都合な情報を持っていたため殺されたのではないか、
と思った青森は密かに調査を始めます。
そんな時に<やすらぎの苑>の理事長が刺殺されます。

インフルエンザが流行っている今にふさわしい内容の本です。
ワクチン射って死んでも、ワクチンの副作用と認定されないということに驚きました。
死んでしまったら、もう一回射って副作用が出るかどうか検査できませんよね。
医学ってはっきりわからないことが多いのですね。

インフルエンザに罹ったことがないので、インフルエンザの怖さってわかりませんが、ワクチンって必要なのでしょうか?
普通の体力のある人は罹っても別にいいじゃないと思うのですが。
私なんかは性格悪いから製薬会社がワクチン売って儲けようとしていると思ってしまいます(笑)。