吉田修一 『続横道世之介』2019/04/02

花見に行ってきました。


曇りでしたが、いつも以上に人がいてびっくり。
平日なのにシートを敷いて集まって飲み食いをしています。
昨年来た時はこんなことなかったのに。
一端桜が綺麗な場所と認識されると、人がこんなにもやって来るのですね。
花見もゆっくりできなくなりつつありますね。


いつもは川沿いにずっと歩くのですが、寒の戻りのせいか膝の調子が今一なので、バス停近くしか行かないで帰ってきました。



2009年に発売された、大学生になって東京に上京してきたばかりの世之介、18歳を描いた『横道世之介』は読んだはずなのですが、全く覚えていませんでしたが、
この本を読んでも全く問題ありませんでした。

世之介、24歳。
大学は出たけれど、一年留年してしまったためバブルの売り手市場に乗り遅れ、就職できず。
池袋のラブホ近くのアパートに住み、バイトとパチンコで稼ぐ毎日。
人生のどん底にいます。

ある日、床屋に行くと、パチンコ屋でよく会う女が何やら怪しい行動をとっていました。
何故か彼女が五分刈りにするのに付き合うことに。
それ以来、たまに会うことになります。

別の日、大学時代からの親友のコモロンのアパートに遊びに行き、覗きをやっていると美人ママ・桜子を発見。
コモロンがその人のアパートに行くと言いだしたので、ついて行くと、子供がビー玉を喉に詰まれせていて、助けてしまう世之介。
桜子とその息子・亮太と仲良くなり、彼女と付き合い、彼女の実家でバイトをし、息子の面倒までみることになります。

そんな時から27年後。
東京はオリンピックで沸いていました。
彼の出会った人々は世之介のことを思い出すこととなります。

世之介は「善良」な人です。
人を陥れて自分に有利な立場に立とうとかいうような邪心がない人です。
自分が何をしたいとかいう野心は全くありません。
自分を大きく見せようとかいうことはしません。
自然体の人です。
できれば桜子さんと、と願いましたが・・・。

「世の中がどんなに理不尽でも、自分がどんなに悔しい思いをしても、やっぱり善良であることを諦めちゃいけない。そう強く思うんです。」

みんながこう思えたら、もっと生きやすい世の中になると思いますが。
 
そういえば世之介は何になったんでしたっけ?