桜木紫乃 『光まで5分』2019/04/10



北海道の東の町で生まれ沖縄にやってきたツキヨは、いつしか那覇の路地裏の「竜宮城」で身体を売っていました。
奥歯の痛みに耐えられなくなった日、客としてやってきた男にもぐりの歯医者を教えてもらい行ってみると、そこには元歯医者の万次郎と呼ばれる男と同居人のヒロキがいて、ヒロキは万次郎にモナ・リザのタトゥーを入れてもらっていました。
万次郎とヒロキと仲良くなったツキヨは「竜宮城」を出て二人と暮らすことにします。
しかし、そこにツキヨに歯医者を教えてくれた男、南原がやってきて・・・。

北海道を描いていた桜木さんが花村萬月の一声で、沖縄に手を出したようです(笑)。
沖縄は見かけは明るそうでいて、陰は暗そうですものね。
救いようのない話ですが、どんな人でも「光」を求めて足掻いています。
流れていく先に「光」があることを祈りたくなるような物語でした。