中山七里 『もういちどベートーヴェン』2019/04/11



ピアニストの岬洋介シリーズの最新作。

岬洋介は司法試験にトップの成績で受かり、司法修習生として検察庁の実務研修を受けることになります。
ピアニストになるのを諦め、検事になることにした天生高春も同期で同じ研修を受けており、岬と同じグループになります。
岬は外見のみならず才能も秀でているため、教官たちに気に入られており、天生はそんな岬に嫉妬心を抱きつつ、彼の面倒を見ることとなります。
そんなある時、天生は岬の弱点がクラシック音楽であることに気づき、岬を欺きクラシックコンサートへと連れて行くことにします。
そこで岬の運指を見た天生は、岬が自分などには到底及ばないハイレベルなピアノを弾いていたことを知り、愕然となるのでした。

研修生である彼らは実務研修で絵本作家の夫を殺害したとして逮捕された絵本画家の妻の事件に関わることになります。
妻は殺しを認めていませんでした。
妻の言葉を信じた岬は独自の捜査を始めます。
天生は岬と一緒の行動を取りますが、しばらくしてから岬が研修以外の時にいなくなることに気づき、後をつけていきます。
岬が訪れていた場所は・・・。

今回のお話は謎解きはたいしたことがなく、岬がピアニストになることを決めたきっかけに重きが置かれていたようです。
岬のような人が側にいたら、凡人は嫌になってしまいますね。
どんなに努力しても彼にかなわないのですから。
それなのに彼はそんな凡人の心を知らない。
天才ってそんなものですかね。

また別のところで岬に会いたいですね。
今度はもっと音楽が聴きたいです。
ドビュッシー、ラフマニノフ、ショパン、ベートーヴェンときたら次は誰でしょう。
私が知っているのはモーツアルトしかいないけど、モーツアルトかな?