この頃読んだ漫画2019/06/01



二宮敦人 『最後の秘境東京藝大 天才たちのカオスな日常 1』
二宮さんの奥様が藝大の学生だそうです。
藝大には音楽学部と美術学部があるのですが、やはり二つのは水と油みたいなものなのね。
それにしても何倍という倍率と年月を費やして入っても、芸術で身を立てられる人が少ないというのは悲しいですね。
好きじゃなけりゃできませんね。

安堂ミキオ 『はたらくすすむ 1』
新聞の書評に載っていたので、読んでみました。
主人公は定年退職をした66歳(だと思う)のおじさん(おじいさん?)。
清掃の仕事だったのですが、場所はなんとピンサロ。
ピンサロのことは知らなかったのですが、本当にあんなことしているのでしょうか。
もちろんすすむさんは初めての体験でびっくりですが、働くうちに女性たちのことを見直すようになってきます。

くらもちふさこ 『駅から5分 1~2』
架空の町、花染町のお話。
狭い範囲で色々な人々がすれ違い、つながり・・・。
1度読んだだけではわからないかも。
次の『花に染む』につながります。

くらもちふさこ 『花に染む 1~8』
弓道のお話です。
畳店の娘の花乃は近くの神社の息子の陽大が流鏑馬で弓を引く姿に魅入られ、自分も弓道をやりたいと思います。
中学・高校・大学と弓道部に入るのですが、陽大は兄が火災で亡くなったあたりからおかしくなり・・・。
弓道の全国大会は伊勢神宮というのがいいですね。
弓道の話もありますが、これは恋話です。

有間しのぶ 『その女ジルバ 1~5』
ホステルの平均年齢が70歳というバーで縁があり働き始めた40歳の新(源氏名アララ)。
店員をしていたのですが、年を取ったからと倉庫に回され、上司の嫌みに耐えて働いていました。
しかし、このバーでは新はギャルです。
その店の亡くなった店主がジルバで、ジルバには隠された過去がありました。
その過去を探るうちに、新の気持ちも変化していきます。

猪ノ谷言葉 『ランウェイで笑って 1~10』
身長158センチでパリコレを目指す千雪とデザイナーを目指す極貧の育人が、互いに励まし合いつつ、夢を実現していく物語(たぶん、まだ終わっていないので)。

医療物では『ある日、突然、慢性疲労症候群になりました。』、『重粒子の旅』、『双子の親になりました』などを読んでいます。

シリーズ物の漫画はすべてお勧めです。
お暇な時に読んでみて下さいませ。

他にはシリーズ物、『賢者の学び舎 防衛医科大学校物語3』、『BEASTERS 13』、『アンサングシンデレラ病院薬剤師葵みどり3』、『お別れホスピタル2』、『ダンス・ダンス・ダンスール13』、『しっぽ街のコオ先生5』、『フラジャイル14』なんかも続けて読んでいます。

漫画は日本が誇るべき文化ですね。

溝口智子 『万国菓子舗 お気に召すまま~幼き日の鯛焼きと神様のお菓子~』2019/06/02



注文されたお菓子なら、和菓子から外国のお菓子まで、何でも作ります、というコンセプトのお菓子屋<万国菓子舗 お気に召すまま>の第七弾。
お店の店主兼パティシエの荘介は、いつもお菓子を作り終わるとどこかへ行ってしまいます。

ある日、蚤の市で一丁焼き鯛焼き器を買ってきて、バイトの久美に怒られてしまいます。
一匹しか焼けないのに、五万円もするんです。
高いお金で荘介に鯛焼き器を売った男、金澤は、鯛焼きをオーダーし、次の日に食べに来るとのことです。
次の日、金澤はやってきました。
彼と荘介が話しているのを聞いていると、彼らはその鯛焼き器を使っていた鯛焼き屋を知っていて、どうもお馴染みさんだったようです。
お店は閉店してしまったので、懐かしさから鯛焼きを頼んだようですが・・・。

こんな風に思い出のお菓子を作っています。
今回のお菓子は鯛焼きの他に岩手県の豆すっとぎ、ウ・ア・ラ・ネージュ、カササギゼリー、ゆるキャラのお誕生日ケーキ、ロシア菓子・プリャーニキ、落雁です。
色々なお菓子が出てきて食べたくなります。
実際はそんなに美味しくないかもしれませんが、荘介君が美味しくアレンジしているのかもしれませんね。

荘介と久美の仲はなかなか進展しません。
このまま色々なお菓子を出していってシリーズを続けるのかもしれませんね。
次のお菓子はなんでしょう。

森見登美彦 『熱帯』2019/06/03



とっても奇妙な本です。
千夜一夜物語からインスパイアされた、ファンタジー物。

誰も最後まで読んだことのないという本、『熱帯』。
何故か読んでいる最中に忽然と姿を消してしまう。
本を探して、「沈黙読書会」に参加してみると、本の秘密を解き明かすべく終結した「学団」メンバーが現れ、いつしか大海原に・・・。

千夜一夜物語のように物語が終わることなく続いていき、誰の話かわからなくなり、この本こそ終わりがないのかと思うばかり。

森見さんの本なので、一応京都は出てきますが。
そういえば京都に行ったあの人はどうなったのかしら?
いつの間にか出てこなくなりました。

なんとも不思議な本です。

森見さんを初めて読む人には勧めません。
長いので、途中で嫌になる人がいるかもしれません。
それでも読みたい方はどうぞお楽しみ下さい。


いつも笑わせてくれる兄犬。
また面白い寝相をしてくれました。


頭が落ちそうな寝相です(笑)。

弟犬を動物病院に連れて行く2019/06/04



ヨーキーの弟は肝臓が悪いので、二ヶ月ごとに動物病院に連れて行って血液検査をします。
血を採るのがわかるので、診察台に乗ると震えています。
その時にお尻を私の身体にくっつけてきます。
犬は体温が高いので、いつも39℃ぐらいあります。
血を抜くときは私が抱き上げて、右前足を動けなくしてから血を採ります。
2週間前のGOTは30ぐらいで、GPTが170もありました。
薬を飲むとGOTが10以下になってGPTは40に下がりました。
目には黄疸もなく、特に身体の調子が悪いわけではないので、このまま二ヶ月ごとに血液検査を続けるようになります。
人間のようにお酒を飲むわけでもないのに、なんで肝臓が悪いのでしょうか?
餌はオーガニックのものを与えています。
同じ種類を続けて与えるのは良くないと言うので、毎回種類を変えて与えていたのですが、何にもなりませんでした。
動きすぎて疲れるのは良くないと獣医に言われたので、あまり運動をさせないようにしているのですが、薬を止めてしばらく経つとGPTの値が上がります。
体質と思って諦めるしかないのでしょうかね。

今月からフィラリアの薬を飲ませ始めます。
参考までに値段も書いておきます。
一錠500円で六ヶ月間。
蚤とダニの薬のフロントラインも先月からつけ始めました。
フロントラインは3本3500円、一ヶ月に一回×六ヶ月ぐらい。
獣医によっては一年間つけるように指導するようですが、身体の中に薬がいつも入っているというのはどうなんでしょうか。
兄犬はつけると一日元気がなくなります。

ペットを飼うと色々とお金がかかりますが、心を和ませてくれますから気になりません。
家を選ぶ時に動物病院のことを考えていなかったことを悔やんでいます。
私の住んでいるところは人間と動物の病院にいい所がないんです(泣)。
前に住んでいた所にはいい動物病院があったのですが。
犬も人も健康第一ですね。

知念実希人 『ひとつむぎの手』2019/06/06



この本のジャンルがわからなかったので、勝手にミステリではなく文学にしてしまいました。
知念さんはミステリを多く書いていますが、今回はどう考えてもミステリとは言えない感じです。

平良祐介は心臓外科医になりたいがために、大学病院の医局での激務に耐えてきました。
そろそろ関連病院に出向という時期で、手術件数も多い富士第一を希望していましたが、ライバルが多く無理そうです。
ところが、医局の最高権力者の赤石教授に今度来る三人の研修医を任せるから、そのうちの2名を心臓外科に入局させれば、富士第一への出向を考えてやると言われ、引き受けてしまいます。
その代り2名入局させられなければ、沖縄の心臓外科のない病院へ行くことになってしまいますが。
ちょうどその頃、赤石教授が論文のデータを捏造したという怪文書が出回ります。
祐介は犯人探しまで命じられてしまいます。
ようするに祐介は使い勝手のいい奴なんですねぇ。

周りは研修医たちにありのままを見せればいいといいますが、祐介は富士第一にいきたいという思いが強く、バカなことをしてしまい、研修医たちから総スカンを食ってしまいます。
どうする、祐介。

祐介は医局でいいように使われていますが、わかる人にはわかるようで、患者の立場に立った見方のできる医師です。
彼が心臓外科医に執着する理由がでてきますが、それはそれでいいんですが、やっぱり自分に合った分野に進むことが一番いいんじゃないでしょうか。
その点で、最後はハッピーエンドだと思います。
『白い巨塔』のような医局の嫌な面も書かれていますが、このようなことは実際にもあるんだろうなぁと思いますが、権力にこびず、患者に寄り添える医師が増えてもらいたいものです。

芦沢央 『火のないところに煙は』2019/06/08


自分の趣味と違う本を読んでみようと思い、○○大賞とか○○賞いう文字に惹かれて、いくつか読んでいます。
2019年本屋大賞の本はこれで七冊目です。
後三冊は文庫本になってから気が向いたら読みますわ。
七冊中私的に一位は三浦しをんの『愛なき世界』です。
そういえば第6回高校生直木賞受賞作品は森見登美彦の『熱帯』です。
漫画の『One piece』を少し思わせる内容ですものね。


これは普通の本ではありませんでした。
なんとミステリ色のある怪談です。
小説家が「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」という依頼を受け、怪談を書き始めるという趣旨です。
六話あり一つ一つの話は無関係のように見えますが、最後に話はひとつにまとまっていきます。

ごめんなさい。
この本、面白く読めなかったです。
どの話も何を言いたいのかよくわからなかったし、全く怖さを感じなかったのです。
流石に「妄言」の女性は怖かったですが、それは怪談の怖さではなく、人格異常の怖さですものね。
そうか、一番怖いのは霊とかじゃなくて、生身の人間かぁ。
と一人で納得しています(笑)。

お口直しに。


弟はへそ天で寝ているのを見たことがないので、横寝の姿をお見せしましょう。
彼は毛布やクッションにもぐるのが好きなので、どういう姿で寝ているのかわからないのです。
この頃もぐり込むと暑いらしく、こういう風に寝ている姿が見えるようになりました。

などと思っていると、昨夜はトイレの上で寝ていました。
バッチイので抱きたくないわぁ(笑)。

中島京子 『夢見る帝国図書館』2019/06/09



雑誌記者であるわたしは国際子ども図書館に行った帰りに、上野公園の噴水の見えるベンチに座っていた時に、喜和子というおばあさんに出会います。
お互いに書いている物があるという話をした後に別れ、二度と会わないと思っていたのですが、二人は谷根千で再会し、それから行き来が始まります。
喜和子は不思議な魅力のある女性で、昔語りに、戦後まもなく上野のバラックに帰還兵と男娼の二人の男性と住んでいた、帰還兵のおにいさんは背嚢に彼女を入れ、帝国図書館にこっそり連れて行ってくれたものだなどと話します。
上野の帝国図書館に思い入れが強いようで、わたしに上野の帝国図書館について書いてみないかと勧めるのです。
しかし、いつしか彼女とは疎遠になっていきました。
たまたま老人ホームに入っていると聞き会いに行きますが、しばらくすると亡くなってしまいます。
それからわたしは彼女の過去を辿り始めます。

喜和子との話の合間に国際子ども図書館の前身である帝国図書館の歴史の物語が挟まれています。
有名な作家たち――幸田露伴、夏目漱石、樋口一葉、宮本百合子――が、まだ世に出ない頃に通っていたようです。
まだ図書館が一般的ではなかった頃、立派な図書館を作ろうと頑張っているのに、お金は博覧会や博物館などに使われてしまい、お金がない、本が買えない、その葛藤に苦悩している職員たちの苦労は計り知れないものだったのだろうなと思いました。

戦後を生きてきた一人の女性の人生と共に図書館がどのような歴史を辿ってきたのかがよくわかる物語です。
上野や谷根千の風景が出てきて、また散歩しに行きたいと思いました。

トリミングに行く2019/06/10

トリミングに行く前のボサボサ毛の犬たちです。


トリミングをしてもらうとさっぱりします。


弟は毛が直毛で、カットしてもしなくてもあまり変わりません。


兄の毛は猫毛なので、柔らかくて手触りがいいです。
その代り、絡まりやすく、のびるとボサボサになります。


二人で写そうとすると、いつもこうなってしまいます(笑)。


弟を一人で写そうとすると、耳が倒れて舌をだします。
なんか謝っているみたいです。

一ヶ月持つかしら・・・。

東野圭吾 『ラプラスの魔女』2019/06/11



『魔女の胎動』を読んで気になっていた『ラプラスの魔女』を読んでみました。
東野さんの本には好き嫌いがあるのですが、このシリーズは好きです。

ある温泉地で硫化水素中毒による死亡事故が起こり、地球科学研究者である青江が警察の依頼を受け現地へ赴いた。
亡くなった人は映像プロデューサーの水城義郎で、刑事の中岡は若い妻を疑っていたが、青江は硫化水素ガスで人を殺すことは不可能であると断言した。
二ヶ月後、遠く離れた温泉地でも同じような事故が起こる。
今度の死亡者は売れない役者、那須野五郎だった。
青江は地元新聞社から頼まれ、事故調査のために現地を訪れると、前の現場にもいた若い女性、羽原円華の姿があった。
円華は不思議な力を持っているようであった。
二つの事故に疑問を持った青江は水城と那須野のことを調べ始める。
そうするうちに映画監督の甘粕才生のブログに行き着く。
彼の娘は硫化水素で自殺しており、その時、妻は死亡し、息子は植物状態になったようだ。
そして、驚くことに、息子の兼人は円華の父で開明大学病院の脳神経外科医である
全太郎の手術を受けていたのだった。

こういうことを予測できたら、どうなんだろう。
できれば地震を予測して欲しいけど、当分ダメそうですね。
人間も原子と同じと考えて見てみると、集団行動などを予想できておもしろいでしょうね。

このシリーズ、まだ続きそうです。


「印象派への旅 海運王の夢―バレル・コレクション」@Bunkamuraザ・ミュージアム2019/06/12



ウィリアム・バレルはグラスゴーで生まれ、15才で家業の海運業を手伝い始め、24才で父親の跡を継ぎました。
「海運王」と称されるほど船舶の売買で大成功した人だそうです。
彼の1890年代から1920年代のコレクションから80点が展示されています。

最初にゴッホが描いたバレルの肖像画がお迎えしてくれます。


コレクションの中でも一番の見所は、ドガの≪リハーサル≫です。


油絵ですが、パステルと違った美しさがあります。

静物でクールベとセザンヌ、ルノワールの作品が並べて飾られていました。
どれが誰が描いたかはっきりわかります。



これが個性ですね。(ちなみに、上がセザンヌで下がルノワール

知らない画家の中で目についた絵を紹介しましょう。
まず、アーサー・メルヴィルの≪グランヴィルの市場≫。


水彩でこれほど描けたらいいですね。
次は≪雪≫の風景を描いたもので、アンリ・ル・シダネルの作品。


降り続く雪から見える風景ですね。
雪景色でこういうのは初めてみました。

かわいい犬を描いたジョゼフ・クロホールの≪フォックスハウンド―呼び鈴のある門≫。


呼び鈴がなくても犬が吠えて、人が来たのがわかりますね。

この頃の人々の生活がよくわかる展覧会でした。

ランチはVironで牛肉のトマト煮込みをたべました。


これにバゲットがつきます。
デザートにカフェクレームとチョコレートケーキを頼みましたが、チョコレートケーキが濃厚で甘すぎて、半分も食べられませんでした。
ケーキはあっさりした(?)イチゴショートとかの方がいいみたいです。
明日の朝用にクロワッサンを買ってきました。